【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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PPBBAANN!!は変身音。
pi PBAN!! は解除音です。表現が難しい。音なしでもいいかな…?

タイトルの一文字は設定集でエイリアン名の横に書いてる文字です。まあ一文字でそいつを表したら?的な感じ


50話 知・硬・速・獣・蟲・ki

有英体育祭最終種目決勝。ここに来れただけ十分だろう、と思う人もいるかもしれない。しかし、ここに“来た”者たちはそう考えない。頭にあるのはただ目の前の人間を破り優勝。

 

緑谷、ベンもご多分に漏れず相手を負かすことだけを考えている。空気が張り詰める決勝。互いに全力を尽くす試合。にもかかわらず、ベンの変身は開始1分と持たずに解けてしまった。

 

「はぁ!?どういうことだよこの駄目ウォッチ!まだちょっとし…か…!?」

 

怒りをぶつけるように自らの手首を睨みつける。そこで気づく。変身が解除されたばかりなのに、オムニトリックスが緑の光を放っている。普段ならば中央が赤くともっているのに…

 

ベンの目の前にいる緑谷も驚いていた。普段のベンなら10分は持つ。なのに急に変身が解けた。だがこれはチャンス。人間体である今のベンは自分には着いてこれない。OFA5%フルカウルを維持したまま、地面を踏みしめ跳び蹴りを狙う。

 

DAANN!!

 

個性を利用した跳び蹴り。ベンの目前に緑谷の足はもう来ている。迷う余地はない。ダイヤルを回さずにその時計を押す。

PPBBAANN!!

 

観客たちは戸惑う。確かに今緑谷は跳び蹴りをした。回避できるタイミングでもない。なのに…

 

【おおっとぉ!!テニスン!どこに行ったぁ!?】

 

その場からベンが消えたのだ。戸惑うのは観客だけではない。緑谷も然り。当たると思った跳び蹴りが不発に終わったのだ。だが相手はベン。戸惑うよりも冷静になれ。…考えられるのは2パターン。

 

「ゴーストフリーク…もしくは」

 

キッとベンがいたはずの場所に目をやる。そこには人間のベンではなく、言っちゃぁ悪いが、気色の悪い小人がいた。

 

「グレイマターだ!」

 

「正解だよ…!!ああもう…こんな時にわざわざグレイマターを出さなくっても…!!」

 

グレイマター。驚異的な知能を持つ変わりにその体はリンゴ一つ分の大きさのエイリアン。現代の機械工学どころか未知の宇宙科学まで理解しているグレイマターだが…遮るものが何もなく、道具もないこのフィールドでは最悪の変身と言えるだろう。

 

緑谷に気づかれ、とにかく走るベン。今は逃げるしかない。ウォッチの時間切れまで…そう考えスタコラと逃げるが、

 

「逃がっ…さない!!」

 

フルカウル状態の緑谷から逃れられるわけもなく、すぐさま捕まる。地面にいるグレイマターに蹴りを入れれば場外勝ちできる。が、さすが忍びなかったのか、手で捕まえる緑谷。非常に紳士的なのだが…その選択はミス。

 

PiBAN!!

 

「うわっ!!」

 

捕まえていたグレイマターがベンに戻る。急な体格変化で緑谷の手から逃れたベン。急いで緑谷から距離をとる。そしてもう一度ウォッチを見る。先ほど同様、解除したばかりなのにウォッチはチャージ完了状態

 

「…そうか!!チャージが要らなくなったんだ!!なら…変身し放題じゃん!!」

 

PPBBAANN!!

変身先はダイヤモンドヘッド。前の試合のミックスと違い、純粋な変身。体の内からあふれ出る鉱石を放つ。

「いよぉぉし!!オレの力、見せてやるぜ!!」

 

ダガーを射出しながらも、緑谷への結晶塊攻撃。轟の氷結よりも硬い攻撃が緑谷を襲う。

だが、そのスピードはお世辞にも速いとは言えないため、対応は可能。

 

SSMMAASSH!!!

 

ダガーは吹き飛び、繰り出した結晶も半分以上が割れる。あたりにクリスタルが散らばるもダイヤモンドヘッドは気にしない。

 

「はは!!こんなこともできるんだぜ…!?」

 

地面に手を振れる。すると先ほど散らばったクリスタルが一つとなり巨大な結晶体を作り上げる。そしてそれが緑谷を

 

Pi PBAN!!

 

襲う前に動きを止める。いつもと違う音に気付かないままベンは自分の体を確認する。

 

「…そうだった…変身時間は30秒くらいなんだっけ…てっ!わぁ!!」

 

人間体に戻りぼんやりしているベンに、容赦なく蹴りをかます。インターバルがない以上、人間体のベンはほんの何秒かしかない。それに気づき攻める。が、ダイヤモンドヘッドが出していたクリスタルを盾にされる。

 

(そうか…轟君の氷は溶けてなくなるけどダイヤモンドヘッドの結晶はなくならないんだった。もう一度変身して囲いでも作られたら厄介だ…なら…ダイヤルを回させなきゃいい!)

 

そう。オムニトリックスはただ押すだけでも変身は可能。しかし、エイリアンを選ぶにはダイヤルを回す必要がある。緑谷はそれを阻止し、自分に有利なエイリアンを出させようとした。

 

そうとは知らないベン。間合いを詰められ慌てて変身する。

変身したのは…

 

「ラッキー!XLR8だ!」

 

「っく!」

 

対人においてもっとも厄介なXLR8.視認不可の速さでの攻撃は非常に厄介。以前戦った時も何もできずに負けた。

 

(…今のXLR8なら…!!)

 

まずは身をかがめる。すると緑谷の頭があった場所に、青黒色の足が通過する。

 

自分のスピードについてきたのか驚くベンだが、違う。緑谷はベンの蹴りを予測して、蹴りが出される前から避け始めたのだ。また、避けた動作にも意味がある。

 

「食らえ!X踵落とし!」

 

蹴りを躱されたXLR8はその足を高く振り上げる。

 

緑谷はXLR8の足が自らの脳天を貫く前に、高く跳びあがる。避けた動作はこのジャンプのタメでもあったのだ。XLR8の弱点。それは空。今のベンでは空中にいる相手に決定打は与えられない。しかし、緑谷にはある。

 

「デラウェア…スマァァァァッシュ!!」

 

指を犠牲に放つ暴風がXRLを襲う。

(XLR8の耐久力はそんなに高くないはず…!なら今のでダメージが…!)

 

入ったと思う緑谷。しかしXLR8はそんなに甘くない。緑谷がデコピンの準備をした瞬間、XLR8はその場で回転し、ミニ竜巻を起こしたのだ。攻撃にはならないが、風圧攻撃に対する防御にはなる。

 

Pi PBAN!!

 

「…おえっ…目が、目が回る~~」

 

XLR8の回転の影響でふらふらと千鳥足になるベン。対して空中から降りてきた緑谷。リカバリーガールから固定された左手を見て、己の状況を確認する。

 

(左指は使えない…右手は今3本使った…元々かっちゃんとの試合で壊してたからもう限界に近い…けど…まだ動く…)

 

緑谷の判断基準は感覚があるかどうか。感覚さえあれば無理できる。たとえ指が使えなくてもデトロイトスマッシュなど腕全体の攻撃ならば撃てる。そう考えている。

 

そんなギリギリの戦いをしている緑谷に対し、様々なエイリアンに変身できることがうれしいベン。無邪気にオムニトリックスの力を楽しむ。

 

「はぁ、ハァ…やっと収まってきた…よし、次は…お前だ、ワイルドマット!!」

 

PPBBAANN!!

 

目のない巨大な犬。ワイルドマットを一言で表せばこんなところだろう。犬と言っても弱点はほぼない。力もあり知能もベンのまま。索敵能力はこの場では必要ないがかなりオールマイティなエイリアンと言える。

 

そんなエイリアンを前に緑谷が取る手は距離を置くこと。遠距離攻撃を持たないワイルドマットに対してかなりの有効手段である。

 

さっと下がる緑谷を4足歩行で追いかけるベン。傍から見ればカワイイ追いかけっこがはじまったが、すぐに緑谷は捕まる。それも仕方がない。5%の力でワイルドマットを引き離せるわけがないのだから。

 

「ブルガォォウ!!」

 

吠えたワイルドマットは緑谷の右手をガブリ。もちろん本気ではないがそれなりの痛みが緑谷に走る。腕にかみついたまま緑谷を振り回す。

 

「がぁっ!!!」

 

「ブラァゥ!」

Pi PBANN!

 

「グルル…はれ…?いた!」

 

がすぐに人間体に戻るベン。一瞬緑谷の腕にぶら下がったが、咬合力が足りず、腕を離し尻もちを搗く。

 

「…あー…全国で放送してたよね今の…」

 

己の恥部が全国ネットに映ることを恥ずかしがる。戦いの真っ最中にも拘わらずその意識は散漫。

 

対する緑谷の腕からは血が出ている。それは先ほどの噛撃のせいもあるが、無理をしてデラウェアスマッシュを撃っているせいでもある。痛々しいが勝負であるがゆえに仕方のないもの。当の本人は何も気にしておらず、ただ次の手を考える。

 

「5%デトロイトスマッシュ!!」

 

「うわっ!!」

ビリッ!!

 

人間体のベンをとらえた…かと思いきや空ぶる。捉えていたのはベンの体操服。サイズが合わず、ぶかぶかに着ていたおかげでギリギリ躱せたのだ。

 

「おいイズク!よくも破いてくれたな?こうなったらお前の服もドロドロに汚してやる!」

 

そう言って変身し空中へと上昇する。彼のエイリアンで純粋な飛行ができるものはただ1人。

 

「このスティンクフライのネバネバでね!!」

BTYA!!BTYA

 

ひとたび浴びればお風呂なんかじゃ落とせないネバネバ。スティンクフライの顔管から出る緑粘液は緑谷を襲う。

 

「くっ!!」

 

フルカウルを駆使し避ける。右に左に足を動かし攻撃が当たらないように努める。そして弾数が多くなってきたとき、ダイヤモンドヘッドが作った結晶に隠れる。ベンの変身が溶けても消えないクリスタルを有効活用したのだ。

 

「あ、ずるいぞ!それなんなんだよ!!

 

Pi PBAN!

 

「ってボクがつくったんだっけ…うわぁぁぁぁ!!」

 

上空20メートルからの落下。見ていた観客も息をのむ。無個性のベンが墜落すれば文字通り必死。急いでウォッチをいじる。視界に地面が入った。

 

「誰でもいいから!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グチャッ

 




・とまあラストにふさわしく?エイリアン祭り。1人1人の出番が短いのはご勘弁を!

・ベンの心の声はあんまり入らないんですよね。何も考えてないか、思ったことを口にだすから。

・次回、決着。優勝はどっちかなぁ。

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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