【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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・左手を怪我していた緑谷は、右手でベンの左手首をつかんでぶん投げた。その後ウォッチが黄色く光った。

・ベンは左腕にオムニトリックスをつけてます

これが前回の話!!


52話 表彰式、そして

緑谷のデトロイトスマッシュvsベンのパンチ。変身が出来ず、ただ人間のままパンチを繰り出したベン。ただし、なぜかその拳にはOFA相当の力が宿っていた。互いを観客席まで吹っ飛ばしたそのパワー勝負の軍配は、ベンに上がった。

 

【第42回雄英体育祭優勝は、ベン=テニスンに決定だぁァァ!!1】

 

アナウンスが会場に響きわたる。幾多の戦いを超え優勝したのは無個性のベン。観客はその事実を知らないが、彼の力をほめたたえる

 

「すごいな、防御力も攻撃力もあり、範囲攻撃もできる。スピードだって!」

「それだけじゃあない。障害物競争の時や一回戦で見せた、あの黒と白のやつだって相当使えるぞ!サポートアイテムを持たせればどんなことだって可能になる!」

 

観客は口々にベンを褒める。当のベンはというと‥‥観客席まで吹っ飛んだ後、そのまま気絶していた。それは緑谷の一撃のせいだけでなく、なぜか紫色に至るまで痛んだ腕が原因。あまりの痛さに気絶してしまったのだ。

 

異様な力を発揮したベンを怪しく思う相澤は黙り、マイクは式の進行を図る。

【テニスンは…気絶してんな…テニスンの治療が終了しだい、表彰式に入るぜぇぇ!!!】

辺りには何もない。ただ緑色のヘドロが充満しているような空間。ただその無重力空間でふわふわと浮いているベン。

 

「どこだ?此処…」

 

異様な空間に戸惑っていると、徐々に目の前にヘドロがかき集まり、何かができる。それは、ベンの体よリも何倍も大きい。顎から触手が生え、タコが人間と同じような進化をした造形の化け物だった。

 

空中にいるベンを捕まえてこう述べる。

 

「恐れよ…逃げることも隠れることもできない。私自らの手で、必ずオムニトリックスを取り返してやる」

 

そう述べると手の中のベンを握りつぶす…

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

ドシン!!と大きな音を立てベッドから転げ落ちる。頭を摩りながら首を振ると、驚いた顔をした緑谷とリカバリーガールがいた。どうやら今見たのは夢らしい…冷や汗を拭いながら今の自分の状態を確認する。

 

2人から説明を受け、自分がここにいる経緯を聞く。どうやらここは保健室らしい。決勝戦で、互いを観客席まで吹き飛ばすほど拳を打ち合わせた2人は、気絶しその治癒を受けたのだと。

 

自分の左手を見る。もう痛みはないが、徐々に思い出す。最後に変身が出来ず、ただ力いっぱいパンチしただけなのに、なぜあそこまでパワーが出たのか。わからない。

 

「なんで、ボクはあんな超パワーを出せたんだろう…もしかしてボクの個性が目覚めたとか!?」

 

考察を始めるベンに対し、それは違うと否定したい緑谷。なぜならベンが超パワーを発揮したとき、なぜか己の力と同様のものをベンから感じ取れたから。今はそんなことないが、その時の感覚に間違いはない。ならなぜ…

 

そこで緑谷はある一つの仮説を立てる。

OFAのことを話さずに見解を話していく。

「ベン君、オムニトリックスを見せて」

 

そう言ってベンのウォッチをまじまじと見る。ウォッチは緑色の状態でいつも通り。だが見たかったのはそこじゃない。

 

「…やっぱり僕の血ついてる…試合の最後、僕はベン君を手首掴んで投げたじゃない?」

 

「ああ、めちゃくちゃ痛かったよ…でなに?それ思い出させて?」

 

「ご、ごめんって…でその時、オムニトリックスごと掴んでたんだよ。その時に僕の血がオムニトリックスに入ったと思うんだ…」

 

試合の動きを説明する緑谷。だがいまいち理解のできないベン。理解の追い付かないベンにはっきりと言おうとしたその時、

 

「つまり、緑谷少年の個性をコピーしたんじゃないかってことだね?」

 

後ろから声をかけてきたのはオールマイト。表彰式を控えているため、コスチュームを着ているが、トゥルーフォームのためダボダボだ。皆には隠している姿だが、ベンはその姿を知っているので遠慮なく話しかけてくる。

 

オールマイトの言葉に緑谷はうなずく。

 

「…はい。脳無のときだって、オムニトリックスごとベン君は掴まれててその後リーバックに変身した。ってことはやっぱり、DNAを取り入れることでオムニトリックスはそれを再現できるんだと思います」

 

緑谷は脳無にベンが変身した時のことも踏まえ以上の結論を出す。確かに緑谷の理論には筋が通っているように思える。だがしかし…ベンはオムニトリックスの選出ダイヤルを回し、確認する。脳無の時には、リーバックが新しく選出画面に映るようになった。だが

 

「…新しいやつはいないよ?そもそもあの時変身できなかったし!リーバックは…元々似たようなエイリアンがいて、そいつをあの脳無とかいうやつがパクったんじゃない?」

 

「そうかな…?けどたしかに変身できなかったわけだし…うーん…どうなんだろう…」

 

 

緑谷の推理を一蹴したベン。その気持ちもわかる。なぜならオムニトリックスは“エイリアンに変身する”装置なのだ。それ以外の機能があるとは思っていない。もちろん、エイリアンは今の11体より多いとは思っているが…

 

「ははっ、まあそれだけ複雑な機械だ。今我々が考えても仕方ないさ!それより、もう表情式だ。2人とも早く会場へ行かなきゃ!」

 

オールマイトが明るい声で急かす。すっかり忘れていた。まだ体育祭は終わっていないのだ。彼の言葉で急いで着替えてフィールドへ向かう。

 

2人に遅れて出るオールマイト

「…」

彼には二つの懸念があった。一つはベンのOFA。確かにあの時ベンからOFAを感じ取れたのだ。もしあれが本物なら、その秘密を話すべきかもしれない。もう一つは、ゴーストフリークになった時のベンの非情さ。緑谷の体を乗っ取り、ただその拳を壊すためにひたすら地面を殴るなど、ベンがするとは思えない。

 

「杞憂だといいが…」

 

表彰式が始まる。壇上には3位の爆豪、轟、準優勝の緑谷、優勝者のベンが立っている。ベンはこの眺めを初めて経験し、ご満悦な様子。

「それではこれより表彰式に映ります。まずはメダル授与!今年の贈呈者はもちろんこの人!」

 

「私が…メダルをもって

 

【我らがヒーロー、オールマイトォ!!!】

 

「…」

 

渾身の登場文句を皆に遮られたオールマイト。悲しそうな顔でミッドナイトを見つめるも、すぐに気を取り直し、メダルを選手に掛けていく。まず初めに第三位から。

 

「第三位、おめでとう!と言いたいところだが、そんな顔じゃあないな!爆豪少年!!」

 

「…足りめぇだ!!…一位にならなきゃ意味がねぇんだ!」

 

悔しそうに歯を食いしばる爆豪。路傍の石と思っていた緑谷は自分を追いかけており、追いつき、追い越した。その事実で彼の腸が煮えくり返りそうになる。ここから追い抜くと決めたものの、ショックなものはショックだ。下を向く爆豪をオールマイトは諭す。

 

「その上昇思考は良いことだよ。これまでのその志のおかげで君は強くなっていったんだろう。しかし!!これからは偶に振り返ってごらん?上に進んでいるのは君だけじゃないと分かっただろう?自分を追うものの姿を見れば必ず君の力になる!」

 

返事はしない爆豪。しかしオールマイトのいうことは、この大会で身にしみてわかった。強くなるに、もう負けないために。個のメダルは傷として受け取る。

 

「よし!次は同じく第三位轟少年!おめでとう。準決勝では左を使ってたね。なにかきっかけがあったのかい?」

 

「…ただ…この力には特別な意味なんてないって思えました。ただの俺の“個性”なんだと。ただあなたのようなヒーローになりたかったんだって…それを…テニスンに教えてもらいました」

 

傍で聞いているベンは“そんなこといったっけ?”という顔をしている。オールマイトは色々な言葉を飲み込み、ぎゅっと抱きしめる。

 

「…ああ、そうさ。個性とは単に“個性”でしかない。君の、個性なのさ…」

 

轟は小さく頷く。暗いとも明るいとも言い難い轟を見つめた後、オールマイトは次に移る。

 

「緑谷少年!決勝戦は惜しかったな!あと少しの差だったに!」

 

「はい…けどベン君の力を読めなかったのが敗因なんです。そもそもベン君が人間体のときに一気に決めるべきだったのかも。それに蹴り技ができることももっと早くきづうべきだった。そうすれば練習ができて決勝でもやれることが増え…」

 

いつものブツブツ。オールマイトを差し置いてこのような舞台に立っても自分の世界に入れる彼はメンタル強者であろう。

 

「おいおい!反省は後にしようぜ!今はこの順位を喜び、あるいは悔しがる時間さ!選手宣誓の通り優勝、とまではいかなかった。が、この成績は誇っていいものだ!」

 

「…はい。けど、次は僕が勝ちます!そして、あなたみたいなヒーローになります!!」

 

昔っからの夢。オールマイトのような、最高のヒーロー。その決意を全世界に表明した緑谷。その目は真っ直ぐ未来を見ている。目指すは平和の象徴。この国の柱。

 

「うむ!頑張ろうな、少年!」

 

緑谷へのメダル授与を終え、いよいよ優勝者へ。その優勝者は緑谷の次に付き合いの長い生徒。さらに、思えばベンが家族以外に変身を見せたのはオールマイト。

 

「テニスン少年!優勝おめでとう!」

 

「まあね?このベン=テニスン様にかかればこんなもん楽ショーだったよ!!」

 

「こりゃすごい!確かに君は優勝した!それは素晴らしいことさ!しかし、君は多くの人に助けられてここまで来てるだろう?直接的にせよ、間接的にせよ。そのことを忘れちゃいけないよ?」

 

「でもボクは優勝したからね。このウォッチのおかげで!!」

 

自慢げにオムニトリックスをオールマイトに見せるベン。明らかに増長しているが、念願の優勝を果たしたのだ。ベンが本当は無個性で、不遇だったことを知っているオールマイトは責めるに責めきれない。また自分も無個性だったこともあり、まあ仕方のないことだろうと割り切る。

 

「ははっ!確かにそのサポートアイテムの力もあっただろう!だがそれも誰かが作ってくれたものさ!他者の助けがあるからこそ君は力を存分に発揮できた!そのことを、このメダルを見るたびに思い出してくれよ!」

 

オールマイトがベンの首にメダルを授ける。オールマイトの言葉を説教と捉えていたベンも、このメダル授与はうれしい。小学生のころか無個性だとバカにされ、ヒーローに成れないといわれていた。そんな自分が雄英でトップに成れたのだ。その嬉しさは計り知れない。

 

ニマニマするベンを見て、ニッコリと笑うと、オールマイトは会場全体に呼びかける。

 

「今回は彼らの勝ちだった!しかし、この場の誰にもここに立つ可能性はあった!競い、高めあい、さらに先へと昇っていくその姿!次代のヒーローは確実にその目を伸ばしている!てな感じで最後に一言!!」

 

「プルス…」「プル」【お疲れ様でした!!!!!!】「…ウルトラ!」

 

最後は締まらない、オールマイトのお疲れさまと、皆のプルスウルトラで体育祭は終わった。

 

好敵手と書いて“とも”と呼ぶ。歯が浮くセリフのようだが、この場にいる誰もが今日実感した言葉だ。

 

そして物語はここから動き出す。

 

 

「ああ…はやく手に入れなければ…私が全宇宙を支配するために…」

「もうちょっと待つんだ!あと一週間もすればやつがこっちに来る!!」

 

賢しい悪は、いつも見えないところで画策する。己の欲を満たし、世界を滅ぼさんとする野望を叶えるため。

 

 

 




・体育祭編終了!!!次からは職業体験編!!ベン10時空の登場人物がちょっと出てきます。ヒロアカ要素がこの章よりも薄くはなります…

・ベン君、調子に乗ってますな

・ベンが継続的にはOFAを使えるようにはなりません…

・ラストの悪2人は、1人はあのタコさん。もう一人は…

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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