【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
始まりました職場体験編!異例の海外型職場体験!独自設定が火を噴くぜ!
53話 海外型職場体験
皆が死力を尽くした体育祭から二日。土曜、日曜と休暇を挟み、すっかり体力も回復した。そんな月曜の朝。
「まずいよ!!なんでママ起こしてくれなかったんだよ!!!」
ベンは寝坊をしていた。もう始業まで10分を切っている。ここから学校まで電車で30分。家から駅の距離を考えれば間に合うはずもない。だが…
ベンはダイヤルを回す
「…行ってきまーす!!」
PQBBAN!!
「へへっ!5分もあれば十分だもんね!!」
スピード自慢のXLR8へと変身、そのまま学校へ向かう。
その日の朝、町には謎のかまいたちが起きたとか…
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「で、なんで遅刻しちゃったのさ…!!」
「だからぁ!急に変身が解けちゃったんだって。XLR8が1分くらいで変身が解けて、しかもそれから30分は使用不可だったんだぜ?やんなっちゃうよ」
「そもそもベン君が寝坊したんが悪いんやない?」
緑谷、麗日、ベンは一限と二限の休み時間、遅刻の経緯を話す。緑谷の言う通り、ベンは遅刻した。
ヒーローという公務員を目指す学校なだけあって、雄英は遅刻に厳しい。昼休みに相澤に呼ばれたベンは陰鬱な気分だ。気分を変える為話題を反らす。
「まあいいんだよそんなことは。それより、HRはスカウトの話だったんだろ?どうだった?」
「ああ、えっと…」
スカウトとは、体育祭を見て、プロヒーローが生徒を指名することだ。指名されたものはそこから自分の職場体験場所を選ぶことができる。今年票が集中したのは順に、緑谷、轟、爆豪、そしてベンだったらしい。
「はぁ!?なんでボクがその3人に負けてんの!?どういうことだよ!」
予想していたものと異なる結果に不服なベン。麗日がそれに答えようとすると、
「えっとたぶ」
「戦闘力以外の全てだよ」
後ろから相澤、そしてミッドナイトが入ってくる。馬鹿にされたと感じたベンは相澤にくってかかる。
「はぁ?ボク優勝したじゃん。何が問題なんだよ!」
「まず口調…はまあギリギリ認めてやるとしても、障害物競走ではスタートに失敗し、騎馬戦での序盤の立ち回り、そして発目との八百長。今日の遅刻もそうだが、お前は戦い以外の面で問題が多すぎる。さらに言えば今日お前、個性使って登校したらしいな?」
「そ、それがなんだよ」
「本来、公の場での個性使用は禁止。お前は体育祭で目立って、さらに変身も目立つんだから控えろ」
「なんでだよ!これはボクの力だぞ!」
「んなこたぁわかってる。モラルの問題だ」
そこまで話すと相澤は教壇に立つ、ベンは納得していないが、緑谷と麗日になだめられ席に着く。
2限目が始まる。
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「さて、先ほども話した通り、今日はヒーローネームを考えてもらう。ま、細かいことはさっき言ったとおりだ。じゃあミッドナイトさん、あとは頼みます」
「わかったわ!!」
相澤に代わり、ミッドナイトはヒーローネームについての重要性を話す。ヒーローネーム。自分がヒーロー活動する際に名乗るもの。この時つけたヒーローネームは世間に認知され、そのままプロ名になっているものが多いそう。適当につけてしまうと後悔してしまうというわけだ。
先ほどまで相澤にぶー垂れてたベンも、この授業には思わずワクワクしてしまう。祖父のマックスはマクスウェル、従妹のグウェンはラッキーガール。その由来をベンは知らないが、ヒーローネームがあるだけで羨ましいと思っていた。
なんにしようか考えている時、1人目の蛙吹が発表する。
「小学生の時から決めてたの。フロッピー」
「かわいい!親しみやすくていいわ!」
蛙吹のお手本のようなヒーローネームを皮切りに、皆が発表していく。
切島「んじゃ俺、漢気ヒーロー 烈怒頼雄斗!!」
耳朗「ヒアヒーロー イヤホン=ジャック!」
障子「触手ヒーロー テンタコル」
瀬呂「テーピングヒーロー セロファン」
上鳴「スタンガンヒーロー チャージズマ!!!」
「いいわいいわ!!皆よくできてるじゃない!!ジャン行くわよ!!」
八百万「この名に恥じぬ行いを クリエティ!」
轟「焦凍」
「そのままだけど!?」
爆豪「爆殺王」
「そういうのはやめた方がいいわね」
良い流れだった名前発表を爆豪が止める。初めて“待った”がかかった。爆豪にはいかにもな名前ではあるが、ヒーローを名乗るものが、“殺”という字を入れるのはいかがなものか。
そんな爆豪を見ながら“やれやれ”というものが一人。ベンだ。爆豪を押しのけ壇上に上がる。
「はぁ…わかってないねぇカッチャン」
「ああ!?んだとチビ!」
「ヒーローネームっていうのは自分の想いとかそういうのを詰め込んだよ?つまり…これだ!!変身ヒーロー ウルトラベン!!!」
【…‥‥…】
教室全体が静まりかえる。予想に反し反応が良くない。皆が自分から目を反らす。
「あれ?どしたの皆。あまりのよさにびっくりしちゃった?」
ミッドナイトだけが目を合わせる。
先生、という立場に故に指摘しなければならない。しかしこの時期の子供は繊細、ということも加味して遠回しに却下するミッドナイト。
「…ヒーローネームは大人になっても使うものだから…その辺も考えて方がいいわね。うん、一応、やり直しね…」
いつもなら言い返し反抗するベン。しかし相澤と違って、ミッドナイトが気を遣っているため、強く反論することが出来ず席に戻る。
その後、再考の爆豪とベン以外が発表していき、最後は緑谷となった。ベンは緑谷のヒーローネームを推察する。
(多分、オールマイトJrかスーパーマイトだな…)
登壇して、皆にボードを見せる緑谷。その名を見たクラスメイトはざわつく。なかでも麗日、爆豪は表情を変える。
クラスメイトは緑谷にそれでいいのかと問う。
「…うん、今まで好きじゃなかった。けど…ある人に意味を変えられて…僕には衝撃で…嬉しかったんだ…」
【いつまでも出来損ないの“デク”じゃないぞ…「頑張れ!!」って感じの“デク”だ!!】
「これが、僕のヒーロー名です」
ボードには、カタカナで大きく、“デク”と書いてあった。
・・・・・「爆殺卿!!」「スモウスラマー ベン!!!」
「違う、そうじゃない」
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4限が終わり、ベンは相澤に生徒指導室で絞られていた。遅刻の件、そして街中で変身した件。ベンは目立つ個性らしいので控えるようにとのこと。
「そしてこれが反省文。今日中にちゃんと提出すること」
「うへぇぇ…勘弁してよ…ただでさえ宿題でヒ―ヒ―なのに…」
「嘘つけ。お前、課題あんまり出してないんだろ。そっち方面でも先生方おこってらっしゃったぞ」
「げ…」
「テストの点ばっかりよくても駄目だからな」
そう、宿題は提出しないがテストの点はベンは良い。なぜなら知能の高いグレイマターになり、テストの出題を予測して臨んでいるから。宿題もグレイマターとなってやればいいのだが、小学生の頃からの癖で、宿題を提出することそのものを忘れるのだ。
「はいはい分かってますよ。もう行っていい?」
「いや、今からが本題だ…そろそろ来る頃だが…」
相澤がチラリと時計を見ると、ノックの音が聞こえ、先生と生徒が入ってくる。
「ああ、やっと来たかブラド」
そう呼ばれたのはブラッドヒーロー ブラドキング。ヒーロー科一年B組の担任。彼に連れられてきたのは
「あんたも呼ばれたの?ベン」
「イツカ。おまえもどうしたんだよ」
拳藤。体育祭で仲良くなったB組の姉御肌だ。
拳藤 ベン、ブラド 相澤が向かい合って座る。ブラドがお茶を用意した後、相澤が要件を切り出す。
「お前たちを呼んだのは、ほかでもない。“海外型職場体験”についてだ」
「「海外職場体験?」」
「ああ、と言っても難しい話じゃあない。その名の通り、海外、今回の場合アメリカで職場体験をしてもらうってことだ」
そこからはブラドキングが解説した。
雄英の職場体験はこれまで日本に限ったものだけだった。しかし、昨今の敵多様化により、より幅拾いヒーローを育てるべきだと国が判断。そこで、まず日本一ヒーロー校の雄英で海外型職場体験を始めよう、というわけだ。
「雄英、または雄英所属のヒーローと所縁のあるアメリカンヒーローに、今回のことを打診、その後向こうさんが許可した生徒について薦めるってわけだ。試験的なもので1クラス1名。それぞれ違う事務所に行ってもらうんだが…どうだ」
相澤本人はあまり薦めたくない。この前敵襲来で生徒は危険にさらされたのだ。たとえアメリンヒーローが近くにいたとしても、職場体験という要素に加え、海外という危険オプションがついてくる。
だが、相澤の心配はベンには届かない。
「もちろん行くに決まってるよ!!で、事務所はどこ!」
ベンはそもそも日本よりもアメリカのヒーローの方が詳しい。当然乗り気である。隣の拳藤は…
「そうですね…貴重な体験でしょうし、行かせてもらいたいです」
少し考えたが、隣ではしゃぐ陽気なベンにつられ許諾する。
「そうか…わかった…じゃあ、その方向で行く。此処に書いてある中で好きなところを選べ」
と、2人にヒーロー事務所の候補リストを渡す。
「えーーと…あった!!!」
ベンはさっそく自分が行きたい場所を決める。対する拳藤もベンとは違う事務所に決める。
少し不安そうな拳藤と、対称的なベンであった。その日が待ち遠しくて仕方がない。
「ああ…楽しみだな!!」
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相澤達との話を終え、学食で緑谷達と合流する。食事を口に運びながら先の件を彼らに話す。
「ええ!?じゃあベン君アメリカで職場体験!?」
「そうだよ。どんだけ驚いてんだよ」
「…いくらなんでもそれは危険なんじゃないか…?アメリカはヒーローの本場と言っても日本と法律が違うし…それこそ自警団が日本より全然認められてる…いや、でも日本と能率が似ている州なら大丈夫なのか?それで」
「確かにアメリカはすげぇな…俺も行ったたことねぇし…」
緑谷のブツブツを無視して轟が入る。ちなみに飯田は今日は休みだ。いつもの飯田のポジションには轟が座って、そばを食べている。
ベンが轟にどこの事務所かを問うとエンデヴァー事務所と言う。意外な答えにベンは素直に返す。
「ええ?トドロキって父さんのこと嫌いじゃなかったっけ?」
デリカシーのない発言に緑谷、麗日はヒヤヒヤする。ベンの言葉に顔いろ一つ変えずに轟は答える。
「…ああ。それは今でも変わらねぇ。ただ…あいつをヒーローとして見たことがなかったからな。まずは見てみようって思ってんだ」
以前と雰囲気の違う轟に麗日と緑は何かを察する。察せてないのは子供だけ
「まあいいや。で、イズクは前のところ、オチャコは…なんだっけ?」
「ガンヘッドだよ!!格闘系!!」
「へー…似合わないね…オチャコは戦うの下手そうだし」
「ぐ…ベン君結構いうよね…確かに私はそういうの苦手やったけど…経験してみんとって思ったんよ!!」
「はぁーん。皆、挑戦してるんだな。ボクはよくわかんないや」
ベンの発言に緑谷が突っ込む。そして小声でベンに注意する。
「ベン君が一番の挑戦じゃない?!(あと絶対オムニトリックス壊さないようにね!ていうか下手にイジらないほうがいいよ!)」
「(わかってるって!!)」
分かってない…
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【職場体験 当日】
他の者は新幹線や国内線飛行機に乗っている。しかし、ベンと拳藤は2人でアメリカ行きの飛行機に乗っていた。ゲームをピコピコやるベンに拳藤は説教をかます。
「はぁ…ベン。ほんっとギリギリだったんだからね?!あたしが電話しなきゃあんた飛行機乗れてなかったんだだから!」
「うるさいなぁ。乗れたんだからそれでいいじゃん。しつこいんだよ!」
「あのねぇ!」
「そもそもボクは何回もアメリカ行ったことあるし大丈夫なんだよ!なんで隣に座ってんだよ!」
「先生が手配してくれたんでしょ!それにあんた空港で手続き失敗してたじゃん」
「…ハァ…この後似たようなのも相手しなくちゃいけないのか…」
「何か言った?」
「何でもないよ!」
パタン、とゲーム機を閉じ、毛布を頭からかぶる。
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アメリカのとある空港につく。ベンは熟睡しており、拳藤は2人分の荷物を取る。
「ほら、もう着いたよ!」
ベンをゆさゆさと揺するが、もう少し、とばかりしか言わない。置いていくという選択肢は拳藤にはない。もし従妹だったら置いていっただろう…
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むにゃむにゃと目をこするベンの視界に入ったのは、オレンジ色の髪。意識がはっきりしてくると、自分が拳藤に背負われていることに気づく。
「な、何してんだよ!」
「あ、やっと起きた」
優しくベンを下ろす。さすがのベンも、同級生の女の子におんぶされることは恥ずかしいらしい。顔を真っ赤にしてキーキーと喚く。そんなベンを見て満足したのか、拳藤は笑顔で
「ふふふ。じゃ、あたしこっちだから。お互い頑張ろうね!!!」
拳をぐっと前に出し、ベンに突き出す。ベンは恥ずかしいのでプイっと向こうを見る。そして
「イツカもヘマしないようにね?イズクに負けるくらいなんだから」
ぶっきらぼうなベン。拳藤は慈愛に満ちた、姉のような笑顔で見つめた後…
「あんたもね!!!」
「アイタタタ!!!」
頭を両こぶしでぐりぐりして去る。ベンとは反対の道。まだ見ぬヒーロー、国に胸を高鳴らせ、拳藤は空港を出る。
ベンはというと、まだ空港。というのも人を探している。空港の待合所にいるとの話だったが、見当たらない。暇つぶしにゲームをし始めたその時、後ろから女性の声がした
「高校生にもなってスモウスラマーははずかしいんじゃない?お間抜けさん」
「…高校生にもなって人のこと馬鹿にするのはどうなんだ?がり勉」
後ろには、従妹のグウェンと、職場体験先である、万能ヒーロー マクスウェルがいた。
「じーちゃん!!!」
・今のオムニトリックスは変身時間1分、インターバル30分とクソ使用です。先の戦いで大分いかれてしまいました。
・ベンは、先生たちからなぜ成績がいいのかと不思議がられています。授業中の態度も最悪です。原作の一話でも、ベンは先生に対して結構態度悪いです。これはYouTubeに乗ってるのでぜひ!
・幸運ヒーロー ラッキーガール。グウェンのヒーローネームはアナダイトにしようか迷ったんですけど、後で使うかもしれないと思ってこっちにしました。
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章