【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
たとえば、こんな話
どんな人生にも物語があり、良いことも悪いことおかしなこともそれから恐ろしく怖いこともある。物語を語る時、同じ語り口は二度とない。これからお話しするのは、もう一つのベン=テニスンの物語である。
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ヒーロー職場体験。クラス20人全員が各々望むヒーロー事務所を訪ね、寝食を共にする。自身の夢を形にするための大事な活動である。にも拘らず、飯田天哉は己の復讐心に薪をくべ、【ヒーロー殺し ステイン】を探していた。その結果発見に成功したが、私欲を優先した飯田に対し、ステインはヒーローの本旨を説き、殺そうとする。間一髪で緑谷が救けに入るも、ステインの個性により行動不能となってしまう。
(ぐっ…!!?血を舐めて体の自由を奪ったのか!?まずいまずいまずい!ここの位置情報を送ってまだ1分もたってない…!!これじゃ助けも期待できない…動け‥動け!!)
足から血を流しながら力む緑谷。力もうともその足の感覚がほとんどないのだ。ステインの斬撃は深くには至っていないが、その個性により完全にデクの棒状態。唯一理決めた口元からは、たらりを血が出る。そんな緑谷をステインは称賛する。が、そこに慈悲はない。
「ハァ…友のため、そこまで血を流せるか…悪くない…だが…この場においては、力が足りない…ハァ…偽物の死をその目に焼き付け、本物となってくれ…」
緑谷に背を向け、倒れている飯田の元へ歩み寄るステイン。その足取りはいたって普通。緑谷の攻撃も大して効いていなかったのだろう。
どうにかクビのみを持ちあげる緑谷。その時、路地裏に入ってくる男性が緑谷の目に留まる。
(っ!!)
「来ちゃだめだ!!逃げて!!」
歳は同じくらいだろうか。頭身はスラっとしており、外国人のように思えた。緑色のジャケットを着たその男性は、緑谷達の惨劇を目に入れる。一瞬驚くが、すぐに彼は路地裏から走り去る。当然だ。子どもやプロヒーローの流血。それを見た一般人が平気でいられるはずがない。
安堵する緑谷。だが、問題は解決していない。
「ハァ…邪魔が入ってきそうだな…さっさと片づけるか…」
ため息をつきながらを抜刀するステイン。摩擦音でシュリンシュリンという日本刀。飯田を真っ二つにすることは、わけない代物と予想される。
「っ!!やめろ!!!やめるんだ!!!」
「ハァ…あの世で、英雄とは何たるかを学ぶんだな」
刀を振り上げ、飯田を突き刺そうとする。が、その動きは止まる。
(おかしい。今日は月がよく出ていた。事実、街灯が無くてもこの路地裏は明るかった。なのに、急に暗くなっ)
「ヒューーモンガソー!!!」
DDGGAAANN!!
あたりに地響きが鳴り渡る。土埃が舞い、五里霧中。咄嗟に交わしたステインは状況を確認する。なにかが落ちてきたのだ。彼の頭上から。
コンクリートに体の半分を埋めたそれを観察する。のそのそと這い上がるその巨体を評するなら“恐竜”。上半身が体のほとんどを占め、足は短い。体から尻尾まで土色をした肌だ。そのためか、緑色の瞳が目立つ。見たことのない異形に戸惑うが、その胸元にある奇怪なマークでステインは察する。
「ハァ…貴様は…エイリアンヒーローを名乗る
地面に這いつくばったまま緑谷はハッとする。
(そういえば聞いたことある…ひし形のマークを体のどこかにつけた
「…っ!!!そいつの個性に気をつけてください!!そいつは!」
「大丈夫だって!皆まで言わなくてもわかるさ!!なんたって俺は…ヒーローだからな!!」
根拠にならない解答をしたヒューモンガソーと名乗る恐竜型異形。そのままステインの元までドスドスと詰め寄る。
対するステインは長物の長所を生かし、その距離のまま攻撃してくる。手入れ抜群の日本刀がヒューモンガソーを襲う。がしかし刀が彼を襲うことはない。彼はその強靭な握力でマンホールの蓋を取り防御。一度、二度の斬撃でマンホールは砕けてしまうが問題ない。その間に十分間合いを詰め切れた。
ステインにとってはまだ遠い間合い。しかしヒューモンガソーにとってはもう十分なのだ。彼はもともと大きかった体をさらに巨大化していく。ズンズンと大きくなる体躯に比例してその皮膚にも甲殻が備わっていく。18メートルほどの体になった時には尾にもスパイクが形成され、その勢いでステインを殴りとばす。
「っぐ・・・・っが!!!」
飯田達とは反対方向に吹っ飛んだステイン。そんな彼を見て異形は諸手を挙げ歓喜する。
「どうだ!!参ったか!フー!」
拘束することもなく喜ぶ彼。その状態を人は油断というのだろう。
這いつくばったままステイン腕を伸ばす。きしむ腕が手に取ったのは日本刀。その刃にはヒューモンガソーの血液がこびりついている。その刃を口元に当て、ひとなめ。
KKIIIINN!!
「うおっぉ!!」
ガクンっ!!と足の力が抜ける。巨大化が解け3メートルほどの元の状態に戻ったヒューモンガソー。彼はは煙を巻き上げながら倒れこむ。今の彼には何がおきたのかわからない。ただただ体の自由が奪われており、指一本動かせないのだ。
刀を杖のようにして立つボロボロのステイン。ここまでの騒ぎになってしまった以上逃げるのが得策。もうじきヒーローも来る。だが、
「…貴様は俺の道を阻む…ここで淘汰するべき…か…」
ゆらり、ゆらりと近づいてくる。ヒューモンガソーは、いや、彼は焦る。やっと理解したのだ。相手の個性は“血の経口摂取で行動不能にする”。倒れているやつのいうことちゃんと聞いとけばよかったのに。そう後悔する。対策はもう考えた。だがもう遅い。ここには従姉も相棒もいない。自分がなんとかしなければ
ステインの剣が目の前に来る。振り上げた時思わず目をつぶる。その剣が自らを貫こうとした時、緑色の髪の少年が拳がステインをどかす。
「SSMMAASSH!!」
空ぶったものの、ステインは飛大きくとびのいた。ステインの個性がいち早く解けた緑谷は何とかヒューモンガソーを守り切ったのだ。
倒れているヒューモンガソーは刹那、思考する。正体は極力バレてはいけない。それが自警団であるための約束。だが…人命がかかっているときに、己を優先させるもののがヒーローであれるのか。答えはノー。
「君、君」
「は、はい!?」
「俺の胸のマークを押してくれ。【オムニトリックス】使用許可申請 コード1010」
言われるがまま緑谷は、彼の奇怪なマークを押す。するとそのマークからは緑色の光が発せられ、周囲を照らす。まばゆい緑光が収まると、そこには緑谷より10センチは高い身長の青年が立っていた。その人物は、先ほど逃げた一般人。
「あ、あなたは!!」
「よし、やっぱりだ!!人間に戻れば血は別になるから動ける!」
青年が腕時計を触る。ダイヤルを回すと、緑色のスマートな腕時計は立体映像を映し出す。それらを緑谷は驚愕する。映し出されたそれらは、もれなく今世間を騒がしている自警団だったからだ。
青年はある異形が映し出されると、目を光らせ動きを止める。そして
「今日はほんっと、いろんな悪党に出会うな!!!」
強く時計を叩く。
QBAN!!
叩かれた時計は先ほど同様緑色の光を放つ。その中央では、彼の変化が始まる。
DNAがオムニトリックスから彼の体へ運ばれる。一つ一つの細胞が分裂し、またそれらは縮小化していく。やたらと小さくなった細胞は分裂機能を更に高める。青年の自然な肌の色は漂白剤を使ったかのような白へと変化していく。骨骨が圧縮されていき頭身が小さくなり、頭蓋骨が平たくなった時、緑色の光はやむ。
「エコーエコー!!」
「そ、その姿は…!!」
「まあ見てなって!!」
機械機械した声で応答するベン。緑谷の質問に、行動で答えて見せようとステインに突撃する。もともと狭い道で、さらには夜戦闘のプロフェッショナルであるステインには無謀な攻撃。
「ッはぁ…直線的すぎる…」
ZZAASH!!
容赦ない日本刀による斬撃。脳天から始まり、正中線をなぞるかのように、見事エコーエコーを切り裂いていく。
緑谷は息をのむ。まさか、こんなあっさりと!?
ステインは落胆する。もうすこし切れるものだと思っていたと。
青年は笑う。
「計算通りだ!」
ギョッとするステイン。確かに切り裂いたはずの異形は、そこに平然と立っていたからだ。それも、2体となって。
「驚いた、顔をしているな」
「当然だろう、ボクがふたりなんだから」
「はぁ‥なるほど、分裂か。だが2人になったところでその体では俺に勝てない…」
その言葉にエコーエコーは口角を上げる。
「ふたりじゃダメなのか…」
「なら4人ならどうだ」
WHAM WHAM
二体のエコーエコーは分裂し、4体となる。それどころか
「さらに、これならどうだ」
WHAM WHAM WHAM WHAM
4体が分裂し8体に。裏路地に所狭しと並ぶエコーエコー。その異様さにさすがのステインも動揺する。其の隙を、ヒーローは見逃さない。自らの名前を叫ぶ彼ら。その口から出る音波は狙ったものの精神を狂わせるほどの暴音。
「エコーエコー」
「「エコ―エコー」」
「「「「「エコーエコー」」」」」
元よりヒューモンガソーによりダメ―ジを追っていたステインは、その轟音に耐えられない。なんとかきり抜けようと、エコーエコーから距離を取った瞬間
「SSMMAASSH!!」
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無事にステイン戦を乗り切り、変身を解く青年。特徴的な腕時計の彼に、緑谷は駆け寄る。
「あ、あの、あなたは一体‥」
「あー…多分君と同じくらいの年齢なんだけど…半年くらい前かな?こっちの世界に迷い込んじゃって…多分パラドックス博士が原因だな。まったく、いやになっちゃうよ!こっちじゃヒーローたくさんいるし、皆へんな力もってるし、一体なんなんだ!?」
「…?」
「ああ、ごめんごめん、こっちの話。とりあえず、ボクの正体は内緒で頼むよ?」
「わ、わかりました。その、お名前だけでも…!」
「ああ…僕はベン=テニスン!!宇宙を何度も救った、エイリアンヒーローさ!!」
そう言って夜の闇に溶けていくベン=テニスン。彼の言ったことは本当なのだろうか。もし彼が真実を語っていたのなら、こことは違う世界があるということ。だが、分からない。何の痕跡も残さず彼は行ってしまった。もう、会うことはな
「ねぇ、ごめん。この辺にMrスムージーってお店ない?」
「…いったいなんなんですか!?」
彼の名はベン=テニスン。とある世界で宇宙の危機を救った、本物のヒーロー。そして、今この世界では、日本全国在地
・いかがだったでしょうか。。アンケート終了の金曜日まで本編書けないから、番外編書いてみました。ヒューモンガソーとエコーエコーの要望があったので採用。内容はまあ突貫ですので…許してください!
・一応の捕捉。普通のヒロアカ世界に、エイリアンフォースのベンが迷い込んだって感じです。なにか質問があればどうぞ!好評なら続くかも!
・活動報告アンケートで【期末試験に出すエイリアンアンケート】、やってます!ぜひ投票お願いします!!!金曜日までです!あなたの好きなエイリアンをなるべく出したいです!!もし通らなくても、やってほしい展開とかが書いてあったら今回のIF見たいなので出るかも?
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章