【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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さあ期末試験編突入!!この章も独自展開をつっぱしります!


期末試験編(ゴーストフリークの反乱)
61話 ボクがいっぱい


おびただしい数のジェット機が並ぶカルフォルニア空港。ビジネスを終え帰還する者もいれば、観光に心躍る若者もいる。

 

七日間の海外型職場体験を終え、ベンはゲート前に立っていた。見送りに来たのはマックスとグウェン。いつもの風景だ。大荷物を抱えたベンにマックスは尋ねる。その答えは知っている。が、あえてベンの口からききたい。

 

「ベン、どうだった?いい職場体験だったか?」

 

「そうだね。狂気の動物博士やサーカスピエロ、変な仮面つけたやつらや魔法使い。正直去年の夏休みよりもすごい7日間だったよ」

 

マックスはにこやかに頷く。

 

会話自体は去年の夏にしたものと似ている。だがその質は違う。その全ては宙からの贈り物と、それを作ってくれた人のおかげだ。珍しく感謝を念を抱くベン。そんな彼にグウェンが茶々を入れる。

 

「あんたは7日間、失敗ばっかだったけどね?変身だって狙ったやつ出てなかったし、あたしが持ってたほうがいいんじゃないの?」

 

「はん!!お前なんかに使えるわけないだろ?オムニトリックスは複雑なんだぞ?それに…」

 

彼はグウェンが大事そうに抱えている本を指さす。

 

「魔導書まで手にいれたんだからいいだろ…?エイリアンテクノロジーなのか個性関係なのか微妙だけど、お宝じゃん」

 

そう、グウェンはひょんなことから魔導書を手にすることが出来たのだ。最初はベンが使おうとしたの。しかし適性が無かったのか、少しも本の力を引き出すことが出来なかった。恨みがましくグウェンを睨むベンに対し、これ見よがしに本を見せびらかすグウェン。

 

「あ~ら?お子様のあんたには早すぎたのよ?もっと知性を身につけてから出直しなさい」

 

「何だと!?」

 

必ずと言っていい。必ず彼らは喧嘩をする。もう止める気もないマックス。彼らの喧嘩を止めたのは空港のアナウンス。日本行きの飛行機はもう直出発する。荷物を背負いなおして振り向くベン。。

 

「じーちゃん、ありがとう。ボクはこの戦いでわかったよ。ヒーローっていうのは【救ける】からヒーローなんだって」

 

「そうか…うむ…!」

 

成長した孫の姿に涙ぐむマックス。そんな彼を大げさだと思いつつ、グウェンにも別れの挨拶。

「じゃーなグウェン…そのうちまた」

 

「「会いたくないけどね!」」

 

言葉が重なる。ベンが次の言葉を放つ前にグウェンが続ける。

「さみしくなるって言いたいけど」

 

「「嘘つきたくないし!!」」

 

互いに示し合わせたかのような話し方。ある意味は通じあった仲の2人だ。拳藤とは異なる、家族故の絆。それを確認した後、ベンはアメリカを発ったのだった。

ベンが日本に帰った翌日。職場体験を終え各々が感想を言い合う。現実を知った者、テレビに出た者、実際に活動した者。様々な意見が飛び交っていた中で、上鳴から【ヒーロー殺し】の単語が出る。何も知らないベンは、近くにいた緑谷から話を聞く。

 

【ヒーロー殺し ステイン】。その名の通り、ヒーローを殺害、又は重傷を負わせていた思想犯。彼の行いのすべては“英雄回帰”のため。曰はく、「ヒーローとは見返りを求めてはならず、自己犠牲の果てに得うる称号でなくてはならない」と。現代にはびこる偽物のヒーロー、力を徒に振りまく敵を粛正して回っていたらしいが、緑谷等とエンデヴァーにより逮捕に至ったらしい。

 

その行為に世間は、賛否両論だという。事実、その行いはともかく、上鳴などヒーローを志ているものでもその姿を“クール”と評した。

 

兄が被害を受け、自分も相まみえた飯田。当時は兄を傷つけられ、ステインの考え方そのものを否定したが、緑谷や轟のおかげで我に返れた。冷静になった今でもステインの考えに賛否をつけ難い彼は、友人であり、自分と違う価値観を持つベンに思わず聞く。ヒーロー殺しをどう思うか。

 

ベンはさも当たり前のように答える。両手を頭にやり興味がなさそうに。

 

「いや駄目に決まってるでしょ」

一蹴する。

「確かにヒーローは見返り求めちゃいけないかもしれないよ?(じーちゃんも似たようなこと言ってたし…)だけど、だからって殺したら駄目でしょ。どんな信念があったって、そこを超えたらそいつは敵だよ」

 

あっけらかんと喋るベン。ベンの意見にハッとした飯田は、手を振り上げ宣言する

 

「そうだ…!!奴は…信念の果てに粛正という手段を選んでしまった…それだけは間違いなんだ。第2第3のやつを生み出さないためにも、俺は改めてヒーローの道を歩む!!」

 

普段のような奇怪な動きの飯田ハンド。その姿に周囲は安堵する。

 

ベンの言葉を聞いて、少し変わったのかな?と思う緑谷だった。

 

「私がきたっ…て感じでやっていくわけだけどもね。ハイ、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?」

 

「ぬるっと入ったな…」

「パターンがなくなったのか…」

 

 

久しぶりのオールマイトの授業。座学ではなくヒーローに必要な行動を実践するヒーロー基礎学。その内容は多岐にわたり、教師に裁量にゆだねられている。

 

この一週間で顔つきを変わった者もそうでないものもいる。成長度合いは人それぞれ。重要なのは今、自分がどのくらいの力をを見定めることである。

 

「ということで今日は救助訓練レースだ!!この複雑に入り組んだ迷路のような工業地帯。この中を誰が私を助けに来てくれるのかを競争する!」

 

運動場γ。タンクや廃水場などがあり、工事も現行している町を模した場所。そのどこかでオールマイトが救難信号を出し、5人が探す。それを4回行うといった段取りだ。

 

ベンは2組目。相手は切島、蛙吹、八百万、障子だ。切島はともかく、機動力に優れたものが多い。蛙吹の身体能力はもちろん、想像でアイテムを自由に扱える八百万、腕を複製し登れない場所でもすいすい進める障子。そのレースは白熱しそうだ。

 

一組目を緑谷がトップで終える。職場体験でフルカウルを磨き、さらにはセンスタイル、シュートスタイルなどOFAの使用を上達させた彼は、クラスでも上位の力を有していた。クラスメイトらも、安定性では緑谷が実力トップではないかと考えるほどだ。

 

そんな緑谷を見て燃えるベン。位置についた後、オムニトリックスに触れる選出ダイヤルを回し、適任のエイリアンを選び出す。スピード勝負のこの訓練、選ぶのはもちろん、

 

【STTAARATT!!】

 

「一番をかっさらうのはこいつだ!XRL8 !!」

QBAAN!!!

 

変身したのは、緑色の目を持つ、人型エイリアン。額にオムニトリックスマークを付けた、かわいい子ども。

「…なーんでこいつなんだよう!!!」

 

 

 

実習者以外の者はモニターで観戦する。ヒーロー基礎学は観戦時間の方が長いので、こういった時間をいかに有意義なものにするかで成績は決まる。

 

が、彼らはレースの予想に熱中していた。しょうがない、レースだもの。

 

レースを終えた緑谷、飯田、順番待ちの麗日は互いの予想を話す。

「やっぱりベン君かな?あの青い速いやつになったら誰も勝てんやろ!!」

 

「確かにXRL8 の速さはオールマイトの折り紙付きだし…けどベン君は変身ミスもあるから、それを考えたら安定してないかもしれない。今回は特にはずれを引いたらまき返すのは難しいだろうし‥」

 

「なるほど、安定という意味では八百万君がトップを狙える!それこそあらゆる道具を創造できるという点で彼女は万能だろう!!」

 

予想中の彼らの会話に峰田も参加する。

「いやでも蛙吹もすごいぜ!?あいつ何気に身体能力高いしオールマイティだしよぉ!!それに、顔と個性に似合わずおpp」

 

【STTAARATT!!】

 

いつもの通りセクハラに興じようとしたとき、始まりの合図がなる。

まずクラスメイトが集中するのはベン。

(硬い奴か?)

(…あの炎がくるか…)

「わんちゃんくるかなぁ!!?」

 

各々の予想がよぎる中、緑の光がモニターに映る。光から出てきたのは変身したベン。なにやら嘆いているようだ。なぜ嘆いているのかはわからない。それは、変身したエイリアンを始めてみるから。

 

「デ、デク君。あんなんにも変身できたん?か、かわいいけど」

 

(し、知らないぞ?!あんなエイリアンは初めて見る!!)

1人、高らかにベンを馬鹿にするのは、もちろんカッチャン。

「ハッ!!クソチビが変身してクソチビになりやがった!!」

 

観戦の彼らが騒ぐ中、レース中の八百万はちゃくちゃくとオールマイトに近づいていた。今最も救助が速いのは彼女。オールマイトへの距離は一位八百万、二位蛙吹だ。

 

彼女が一位なのは、体育祭以降練習していたワイヤー術のおかげ。巻き取り型ワイヤー【リールキトラ】。銃の射出機能を応用し、ワイヤーを建物に刺し巻き取ることで高速移動を可能にする。使いこなすのは難しい道具だが、身体能力の劣る自分にとっては移動のハンデを帳消しにしてくれる優れもの。

 

「…見えましたわ!!」

 

オールマイトの姿が目視できた。もう20メートルもない。

…体育祭ではいいところが無かった。職場体験でも自らを向上させたとも言い難い。だから苦手な移動術などを克服しようとした。やっと…恵まれた環境に見合った成果が出せる…!!

 

 

思考が緩む八百万。そんな彼女の目の前に、急に影できる。細く、縦に伸びている影。はじめは遠くに小さかった影は、だんだん大きくなり自分の影を飲み込む。背後になにかある。それも近くではない。遠く、そう、グラウンドの端の方。

 

「?」

 

その異様な光景に振り向いてしまう八百万。そこには、授業の始めには無かったはずのタワーが出来ていた。ゆらゆらと不安定な動きをするタワー。黒と白、たまに緑色が見える。そのタワーがこちらに倒れてきている。

 

「な、なんですの!!?」

 

倒れてくるその物質を見極めようと目を凝らす。そこで初めて理解する。タワーなどではない。なにかだ。人間ではない何かの集合体だと。一体一体は自分の半分のサイズ。だが、その数はいくらだろう。数えることも億劫になるほどの圧倒的物量。

 

 

それは、スタート地点から自分たちを肩車して、ひたすらに高さを出した後、オールマイトの元へ下ろされた。

 

DDGGAANNNNN!!

 

何千人ものエイリアンで構成されたタワーは轟音を響かせ、倒れ崩れる。そのまま雪崩を起こすかのように、わらわらと人型のエイリアンがオールマイトの元へ向かう。全員が同じ顔、同じ体だ。なんのちがいもない。まるで細胞分裂をしたかのよう。

 

工業地帯からあふれんばかりのそのエイリアン。幾千者の彼らはギャーギャーと騒ぐ。

やれ足を踏んだだの、お前がやっただの、ボクはお前だだの。

 

喧噪の仲、彼らのうちの一人がオールマイトにタッチする。その様子をみて喧嘩を止める彼ら。任務達成と全員が口を合わせて叫ぶ。

 

「「「「「「イェェーイ!」」」」」」」」

 

「「「「「「ボクらが一番!!!」」」」」」」」

 

そのエイリアンの名はディトー。力もない。体も小さい。炎を噴けるわけでも肉弾戦が得意なわけでもない。その特性はたった一つ。【分裂増殖】。1人から2人に。2人から4人に。4人から…

 

ディトーを選出されたベンは、何十、何百もの自分に分裂した。そして自分を頂点としてピラミッドタワーを、文字通り人でつくり挙げた。あとは簡単。居場所がわかっているオールマイトの元へ崩れるのみ。

 

「楽ショーだね!やっぱりボクってサイコーォだなぁ!!」

「全くだ!!」

「いや違う!」

「何がだ!?」

「ボクじゃない、ボクたちだ!!」

「「「「「「「「フ――――――!!!」」」」」」」

 

1人でも面倒くさいベン。それが何十人もいたら…実際、グウェンの中ではディトーが一番嫌だったらしい。彼女の名言を添えておこう

 

【ベン=テニスンのエイリアン一体より嫌なことってなにかわかる!?二体いることよ!!】

 




活動報告で、「期末試験に出すエイリアンアンケート」を取ってます。あなたが出してほしいエイリアンが出てくるかも?ていうかアンケート1,2,3を出します!ぜひ、投票お願いします!!1

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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