【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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明けましておめでとうございます。今年も本作をよろしくお願いいたします。
遅くなってごめんなさい!!ねじれちゃんとゴーストフリークの口調に迷ってました!


65話 波動ねじれ

教師を敵と見立て、勝利条件を逃走または戦闘とし行われていた雄英期末試験。学内での試験故、【敵】の介入は想定されていない。だが、【敵】と呼んでいいかわからない、しかし紛れもない敵がベンの前に存在していた。

 

ふわふわと浮いている見慣れた化け物にベンは声を荒げる。

「ゴーストフリーク…!!どうして出られたんだ!!だって…お前は僕なのに!」

 

「俺がお前になったことはなぁい!エクトノライト族の自我はDNA数本になってもなくならないのだぁ…!!俺はオムニトリックスのためのサンプルを取られた時、中に閉じ込められたのだ‥!!」

 

エイリアン変身を可能にするオムニトリックス。この装置は、何十万ものエイリアンDNAを元にして作られている。開発者のアズマスは、被採取者には害のないようDNA採取を行った。しかし彼の計算を上回るほどのエゴを持ったゴーストフリークは、その採取したDNAに自我が宿り、オムニトリックスの中に何十年も閉じ込められていた。ゆえに彼は、ウォッチから脱出する機会を闇の中で虎視眈々と狙っていたのだった。

 

しかし、そのことを今だ理解できていないベンは困惑する。

 

「い、意味がわかんないっての!!大体、どうやって出てきたんだよ、ゴーストフリーク!!」

 

「俺の名はそんな名ではない!!俺の名はジィスケアーだ…!!ようやく外に出られたのだ…俺の真の姿を見せてやる!!」

 

ゴーストフリークが吠える。と同時に自らの体のヒビを、自分の手で大きく裂く。ビリビリと皮膚が破れ、出てくるのは黒と白で彩られた触手。ウネウネと7、8本の触手がブラドを指す。

 

「この男がウォッチと接触していたからな…こいつを媒介にして抜け出せたのだ!!」

 

ブラドは意識をなくしており、その顔は真っ青だ。一方で、ゴーストフリークの白かった皮膚は紫に染まり、元の姿は見る影もなくなる。どくろ顔を逆さにした単眼の幽霊がベンの前に現れる。

 

「うわっ…また一段とグロくなったな…」

 

「ふふははは!!あとはお前と一体化するだけだ!!」

 

「はぁ?どういうことだよ!!」

 

「言ってもわからないさ…さあ、体をよこせ!!」

 

鋭く尖った黒爪をベンに伸ばす。ひきつらせたベンの顔に彼の指がかかる。しかしその爪は太陽の光を浴びると同時に灰へと変わる。焼傷は腕全体に広がり、シュウシュウと彼を蝕んでいく。その姿はまるで光を浴びたヴァンパイアの様。

 

「ウグァァァァ!!」

 

太陽の光から逃げるように後方へ下がるゴーストフリーク。その様子を見て得意げに言うベン。

 

「はん!!太陽の元に出られないならボクに触れることすらできないよ!!」

 

天井には二つ三つのステンドガラス。この建物は三階構造で、中央スペースは吹き抜けとなっているため、そこには太陽の光がこれでもかと通ってくる。

 

「…ああ…そうかもしれないな…だから…こいつがいるのだ!」

 

ベンの言葉に全く動じない彼は、その一つ目を細める。そしてすぐ傍に寝転がるブラドキングの体に入り込んだ。周囲の空気は依然うすら寒い。

 

ゴーストフリークの気配がベンの前から一瞬で消える。すると、うつぶせに倒れているブラドからはうめき声が上がる。今にもよだれが垂れそうに口を開け、手を使わず不気味な動きで立ち上がる。

 

ニギニギと試運転するかのように両手を動かす。前を向き、口角を上げたブラド。彼の瞳は黒く染まっており、ブラドの意識はまだ無いことが予測された。立っているのは…ゴーストフリーク。

 

「これなら…太陽の光は関係ない…」

 

「…まっずい‥!!」

 

ブラドの体を乗っとったゴーストフリーク。そんな彼にウォッチ無しで挑むほどベンは間抜けではない。逃げるが勝ちと言わんばかりに敵に背を向け逃亡する。が、子どものダッシュ力などたかが知れている。

 

すぐさま回り込まれ抱えられる。ラスの変身が解けた後と似たような状況。違うのは、彼を捕まえているのは、先生ではなく自分を乗っ取ろうとするエイリアンだということ。

 

先ほど変身が解除されたばかりなので当然ウォッチは赤いまま。ゴーストフリークはそのことを知っている。じたばたするベンを気にせず、ベンを食らおうと口をかっぴろげる。そのとき、まぶしい波動が足元を襲った。

 

TTWWIINN!!!!

回転しながらも地面をえぐる光線。常人ならば立つこともままならないほどの振動が周囲を走る。ゴーストフリークは謎の攻撃から身を守るために、思わずベンを放してしまう。放り投げられたベンを上手くキャッチしたのはパートナーの

 

「ねじれ!!」

 

「もー。テニスン君勝手に跳びだしたから探しちゃった!どうしてここに来れたと思う?それはね、ここからおっきい音がしたから!!」

 

「…なるほどね!!てゆーかやばいんだ!!敵が…」

 

「敵?」

 

「…先生が乗っ取られてる!!ゴーストフリークだ!!幽霊!!」

 

懸命に事態を説明しようとするベン。もしこの言葉を聞いたのが、拳藤もしくはグウェン達であれば事態を把握できたのかもしれない。しかし、オムニトリックスのことを知らない波動にはゴーストフリークというベンの変身体が敵になったということを理解できるはずもない。

 

が、

 

「ムー…」

 

ベンを抱えたままブラドに目を向ける。長期インターンまで経験している波動。ベンの説明内容よりもその喋り方や態度から、なにやら異常事態であることを察した。

 

ブラドの体を奪っているゴーストフリークは、太陽の光を気にせず一歩を踏み出す。狙いは小娘が抱えているベン。ブラドの能力を瞬時に把握して、血の槍を創造。その有り余る筋肉に頼り、波動めがけて投擲。

 

波動はベンという錘を背負っている。ふわふわと浮いている波動だが40キロというハンデを今請け負っているのだ。

 

猛スピードで迫りくる槍にベンは反応すらできない。出来るのは目を瞑ることだけ。しかし、ビッグスリーは違う。

TWIIN!!!

 

軽やかに敵の攻撃をかわす。手から波動を発射にその反動で空中移動。ベンを抱えているのも拘わらずだ。

 

その動きに思わず感心するゴーストフリーク。

(地球人はここまで力を得ているのか…)

 

内心で地球の進歩に舌を巻きながらも、攻撃の手は緩めない。次は一本鎗の投擲ではなく、数での勝負。血を硬質化させ、人間を仕留めるには十分な殺傷力の血ナイフ。数十本生成した後、それらを彼女の周囲に浮かべる。

 

「これは避けられるかぁ?小娘が!!」

 

空気を切り裂きながら迫る血製短剣。360度くまなく取り囲んだ数十本ほナイフ。それがさきほどの槍のスピード以上で飛んでくる。

 

が、彼女は余裕の笑みを浮かべた後、こう述べる。

「…不思議…本当に先生じゃない…!スピードが全然違う!!」

 

彼女の個性は【波動】。自身の活力をエネルギー波にして放出することができる。その出力は自由で、敵への攻撃から自身の空中移動にまで使える。一本鎗の攻撃は小出力で自身を少し動かせばいい。なら範囲攻撃に対しては?

 

「出力50%!!ねじれる波動(クリングウェーブ)!!」

 

TTWWWWIINN!!!!

 

波動が放つねじれ光線は、ナイフをはじき返すどころか敵まで届く。危ういところで血壁を建て防御。周囲の店舗まで巻き込んだその光線は、状況を混沌化。電球は割れ、看板は削られ、周囲には白煙がもくもくと舞う。

 

煙が晴れるころにはベン達の姿は彼の前から消えていた。

「……隠れても無駄だぞ…小娘…ベン…」

 

防御と同時に撤退補助までをワンアクションでしてみせた波動。その動きの無駄のなさは正に頂点。雄英という最高峰のさらに上に立つ者の動きとしては申しない物だった。しかしながらそれがわかるのは一定水準に達した者のみ。基本的には力に頼るだけのベンには理解ができない。

 

二階のフードコートまで運んでくれた彼女に対し、ベンは抗議する。

 

「なんであのまま倒さなかったんだよ。お前ならいけそうだったのに!」

 

「あのね?テニスン君!まず事態の把握が必要なんだ!ねーどうしたの?私が来るまでの間何があったの?」

 

「それが…」

 

ベンは言葉に詰まる。オムニトリックスから出てきたゴーストフリークが先生を乗っとってボクの体を狙っている。この説明が通じるとは思えない。この話をするならば、オムニトリックスが何たるかを話さなくてはならない。それだけでなく、エイリアンの存在まで明らかにしなければ説明がつかないのだ。

 

押し黙るベンに対し、波動はさらに質問を繰り返す。顔を近づけてぐいぐい迫る彼女に、ベンは言葉を絞り出す。

 

「…幽霊が先生の体を乗っ取ったんだ…奴の狙いは…ボクだ…」

 

子どものようなベンから子供のような発言。この時代に、ましてや昼の学校に幽霊など…しかし波動は笑わない。

 

「わかった!じゃあどうする? 」

 

ベンの言葉を真摯に受け止め、その次を考える。しかしベンはそうもいかない。まさか信じるとは思わなかったのだ。思わず聞き返す。

 

「な、なんで信じるの?自分で言っててなんだけどかなりおかしいじゃん!」

 

「んー…えっとねぇ…なんとなく!!」

 

波動にも理由は言語化できない。だが彼女は直感的にわかるのだ。ベンが敵かどうかが。

 

学校の外で実際に働くことで得られるものは戦闘経験だけではない。リアルの【敵】を知ることで、敵とそうでないものがなんとなくわかるようになるのだ。また、元々の彼女の性格も、今の判断には関係したかもしれない。

 

「ベン君は戦えるの?」

 

拳藤とはまた違う、全てを包み込んでくれる姉のような雰囲気に、ベンは余裕を落ち着きを取り戻す。

 

「…うん。休憩も十分とれたし、問題ないね!!」

 

「じゃあ、一緒に戦おう!私たちの目的はアイツを倒すかここから出ること!あのね、結局試験と変わらないんだよ?」

 

「…そうか!!そうだよ!馬鹿正直に奴と戦わなくてもいいんだ。この建物を壊せればいい!なら…」

 

なにやらひらめいたベン。その作戦を託すエイリアンを考える。そしてキュルキュルとダイヤルを回し、そのシルエットをウォッチに浮かび上がらせる。選出先は

 

「お前の出番だ!フォーアームズ!!」

 

QBAN!!

波動の目に緑の光が飛び込む。目を開けると…

 

その体格は何と表せばいいのだろうか。少なくとも体長はかなりある。しかし、体格がいいかと言われれば微妙。なぜなら、手なのか足なのかもわからず、そもそも動物には見えないからだ。

 

「それがフォーアームズ?」

「…こいつは…」

 

その時、後方からガキンっと音がする。なにかと思えば、硬質化した血をフックとし、それを利用しゴーストフリークが上ってきたのだ。血の扱い方も先ほどのより手馴れている。

 

「この男の能力も中々いいなぁ・・・人間の体もずいぶん変わったものだな…確か…セレスティアルサピエンの遺骸が原因だったかぁ…?」

 

「何言ってるのか全然わかんない!」

 

「良いんだよわからなくて!!…ゴーストフリーク!!お前はここで終わりだ!」

 

「寂しいこと言ってくれるなぁベン…俺は、お前と一緒になりたいだけなんだぞぉ…?」

 

意図した変身ではない。しかし、第二ラウンドは、単眼エイリアンvs単眼エイリアン、さらに両者、動物系ではないものとなった。

 

「ねぇテニスン君!!それ誰!!??」

 

嬉々として問う波動に対し、こちらも答える。その植物エイリアンは、危機的状況を理解していないかのように、まるで、仮面ライダーの名乗りのように叫んだ。

 

「ワイルドバイン!!」

 




・実際、ねじれちゃんはすごいと思うんですよ…「波動」っていう個性は、いうほど万能じゃないだろうし。それでビッグスリーまで来れたのは努力か才能か…私的には本人は努力と思ってないタイプかなと(笑)

・次回、ワイルドバインvsブラドinゴーストフリーク!
・ゴーストフリークの個体名はジィスケアーらしいです。

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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