【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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クライマックスなのかそうでないのかわからない一話です!!ですがラストらへんは原作っぽいかな?


67話 必殺技

モニターでクラスメイトを観戦する爆豪と緑谷。その話題がベンの怪しさになった時、少しばかり緑谷は焦る。なんせこの時点で、ベンの変身は個性ではなくオムニトリックスによるものだと知っているのは緑谷のみ。故にあまりその話題を深堀りせずに話題を変える。

 

「ベン君の課題っていうのは…」

 

「変身時間の継続が不可なことだカス。みてりゃわかんだろうが」

 

「か、かっちゃん…」

(よ、よく見てるな…)

 

ベンの課題を言い当てた爆豪。そのまま観戦する。全ては己の力とするために。

モニターに映るのは悪戦苦闘を強いられているベンと波動。

 

その戦いはいやに実践的に見える。いや、自分達も実践的ではあったが、あくまでも定期試験だった。が、彼ら戦いの中には、殺意が紛れている。テレビ越しからでもそれを察知した爆豪は食い入るように画面を見る。

 

そんな彼に感心しながら、リカバリーガールは緑谷に問う。

 

「そういえは緑谷。あんたテニスンと仲良いのかい?今のテニスンが変身しているのをおしえてほしいんだけど…?」

 

「はい!!えと…あれはワイルドバインです!!一言で言えば植物人間!シンリンカムイの腕やB組茨さんの蔓みたいな植物で全身が構成されてるって感じなんです!!短時間なら硬化できるし、その蔓を伸ばしたりすることで中距離対応もできる万能なエイ…変身なです!!」

 

「はっ!!植物なんざ俺の爆破で木っ端みじんだ!!」

 

「そんなことないよ…!実際プロになってるシンリンカムイをみたら植物系の拘束は逃れにくいんだ。多分生物由来の微妙な動きがあるから、ただのワイヤーよりも…」

 

「だー!うるっせぇクソデクが!!いちいち長いんだよ!!」

 

先ほどの試験で多少彼らの関係が変わったかと思ったが、そう簡単には変わらないようだ。それをリカバリーガールも察し、話題を振る。

 

「ありゃ。どうしたんだろうね…攻撃を止めたよあの子…」

 

見ると、ベンは先ほどのような攻撃を一切やめ、動きを止めている。蔓や緑鞭も収納している。いつの間にか波動もいなくなっている。

 

それを隙だと判断したゴーストフリークは、おもいっきり間合いを詰める。血液を体に纏い防御、攻撃その両方に特化した形態。

 

モニタールームの者のうち、緑谷だけが気づく。ベンが何をしようとしているのか。

 

「…あ、あれは!!」

 

緑谷の驚きと同時に、モニターの中のベンが叫ぶ。この技は、緑谷との特訓で編み出したもの。ワイルドバインを初めて見た時、ベンはただ攻撃技しか考えなかった。しかし自作のヒーローノートまで作り研究していた緑谷は違う。ワイルドバインならばできる技を提案する。

 

その名も

 

「センセーキソク!!バインド鎖牢!!」

彼の二本腕はただの蔓。さきほどは束ねることで威力を増幅させたが今回は逆。一本一本を枝分かれさせることで、その表面積を増やしていく。そして伸び増えた蔓は敵に絡みついていく。此処までは、シンリンカムイのウルシ鎖牢と同じ。

 

ここからはコンビネーション。相手に絡みついた後、その蔓からはまるで茨のような棘が生え、敵の肉に食い込む。暴れれば暴れるほど食い込み、さらに拘束するその技からは脱出不可能。

 

「はー!!こりゃたまげたね!シンリンカムイと茨の個性を組み合わせたような技じゃないか!」

 

「そうなんです!!ワイルドバインの力を試してもらったら、僕が調べた植物系個性全ての要素を兼ね備えてたんですよ!!だから組み合わせて力を発揮できないかなってベン君と特訓してこの技が完成したんです!!」

 

爆豪は唇をかむ。思った以上にベンは上にいる。その事実を認めたくはないが、この技を自分が抜けきれるか正直怪しい。そもそも食らわなければいいが…どうだろう…例えばベンの背後に回って…

 

「それにワイルドバインの背中からは種子爆弾も放てるんです!!これなら背後を取られてもだいじょ」

 

「うるせぇっつってんだろくそナード!!」

 

自分の心を読んだかのような緑谷に憤慨する爆豪。いよいよベンが自分の上だということを認めざるを得ないのだろうか。

 

己のふがいなさに唇から血が垂れる。そんな彼に気づいていない緑谷はベンの解説を続ける。

 

「弱点があるとすれば、その技範囲が狭いことです…普段は伸ばして使ってる蔓を短くして、分岐させてるから、あまり遠くにこの技は使えないんです。それに、決定打にもならない。もし相手が戦闘を継続するなら攻撃力が足りな」

 

そこで緑谷は気づく。そうだ。この技では敵は倒せない。ワイルドバインの攻撃力、防御力、機動力、全てを拘束力に注力しているのだから。だがよく考えればそれは問題では無い。なぜなら、その攻撃力を補うにはあまりにオーバーキルのパートナーが、今のベンにはいるのだから。

 

突如モニターに映った少女は、その両手から溢れんばかりの生命力を波動に変え、奥義を放つ。

 

「100%!!ねじれる波動(クリングウェーブ)!!」

TTTWWWOONNNN!!!

隠れていたのはこのため。100%を打ちこむにはタメが必要。さらに技のスピードも遅いため、敵を拘束する必要があった。ベンは見事にその役目を果たし、また波動も己をの役割を全うした。

 

二階全域が崩落しそうな技を、その一身に食らったゴーストフリークは無残に一回に落ちていく。

 

ウネウネと茎を動かしねじれに近づくベン。正直不気味だ。

 

「ナイス…ねじれ!!これなら」

「まってテニスン君。あのね?下から音がしたの…」

 

勝ちを確信したベンと違い、まだ警戒を怠らないねじれ。それもそのはず。彼女が相手しているのは人の体を乗っ取る未知の敵。正体を知っているベンとは危機意識が違う。

 

ベンを置いて一回に降りるねじれ。先の崩落によりどこもかしこも瓦礫でいっぱいだ。

 

ガラリ…

 

崩落の音ではない。誰かが岩を押し上げた音。眉をひそめながら振り向く。その不安のままそこにはボロボロよろよろのブラドがいた。ダメージによるものなのか、足元がおぼつかないようだ。意識が途切れそうになりながらも、ブツブツとつぶやく。

 

「…今のはさすがに効いたぞ小娘…」

 

彼は、エネルギー波が当たる直前、使用限界一歩手前までの血液を硬質化し、自信を覆ったのだ。もしこれがブラド本人であれば、その熟練度故ダメージはあまり無かっただろうが、ゴーストフリークではそうはいかない。

 

ふらふらの彼を見たねじれは、まず二階のベンに現況を伝える。

「テニスン君!大丈夫!ブラド先生が使える分の血は使い切ったはずだよ!だからもう相手は動くこともままならないはず!!」

 

 

自身の操体を見抜かれ、限界を悟るゴーストフリーク。もし彼に人間の痛覚が適用されるならば、極貧血による頭痛等で動ける状態ではないだろう。しかし彼は幽霊エイリアン。痛みなど、太陽の光以外縁がない。

 

ならば今自分がすることは、この場から太陽を消すのみ。

 

致死量ギリギリの血を振り絞り、彼は血液を浮かべる。無重力状態の水のような血液が向かい先にはステンドガラス。ビチャっ!!と高い音を立ててガラスに鮮血がべたり。そのおかげで、一階フロアに届く太陽の光は、皆無となる。

 

二階からその様子を見ていたベン。思わず驚きの声を上げる。

「なっ!!」

 

「これで…俺はもう無敵だ!!」

 

どうだと言わんばかりのどや顔ゴースト。ヌッとブラドの体から抜けてくる。その単眼がギョロリと周囲を見回した後、次なる獲物の体めがけてもう突進。その獲物とは…

 

「ねじれ!!アブナイ!!」

 

助けようにも、ゴーストフリークは霊体化しており、二階から伸ばしたベンの腕をすり抜ける。

 

ゴーストフリークは次なる宿主をねじれに決めた。瓦礫などを気にせずに突っ込んでくる彼に対し、ねじれができることは無いと思われる。

 

が、この流れを呼んでいた波動。その対応策は…

 

「…!!」

その両手に波動がたまる。チャージは3秒程度なので、大し威力は無い。

 

ねじれの個性をおおよそ把握できているゴーストフリークは、ねじれを嘲る。

 

「おまえの力は今の俺には効かない‥‥!」

 

そう。どんなにねじれが打ち込んでも、霊状態になられては攻撃が通らない。が、そんなことはねじれも知っている。歯を苦縛り、己の手を自身に向ける。ゴーストフリークが体に入った瞬間、そのまま個性を発動し、ねじれは自身の心臓に波動を打ち込む。

 

「ぐ・・・・っ!!!」

 

あまりの痛みにゴーストフリークは侵入に失敗。入りかけたねじれの体から追い出される。

 

ゴーストフリークとの相打ちを狙ったねじれ。惜しくも彼女の試みは失敗してしまう。

自らの個性でダメージを負い、意識が飛ぶ。最後に残るのはベンへの懺悔。

(ごめん…テニスン君…)

 

ダメージを負ったブラドとねじれの中にゴーストフリークは入れない。もし今太陽の光が差したら死んでしまう。だがそのために先に血でガラスを覆ったのだ。この空間では自身は無敵だと考える。

 

あとは…ベンを見つけるだけ…

 

おぞましい異形の姿で二階を見上げる。そこには同様に単眼のワイルドバイン。

 

ベンは自分が狙われていることを知っている。だがさきほどのねじれの姿を見て、心を打たれた。あんな自己犠牲をボクのために…と。

「こいよお化け野郎!!!お前なんかもう一つのひss」

 

この世界は残酷である。もしオムニトリックスがベンに希望をもたらすものならば、この音は絶望を知らせる音だろうか。

pi pi pi

 

「ッおいマジかよ!!??」

「っ!!!その音を待っていたァァ!!!」

 

QBAN!!

そして、彼にとっては福音だったようだ。二階から赤い光を放ったベンを見上げる。ああもうすぐ、もうすぐ宇宙最強の生物となれる。

喜びを隠しきれない彼は、笑顔で

「さあ…ショーは終わりだ…ベン」

 

ねっとりとベンに声かける。その小さい体に宇宙と自身の命運を背負った少年は提案する。

 

「あー…その…もう10分待ってくんない?」

 




・「その音を待っていたぁァァ!!」はなんかきもちいいんですよね。多分アニメのゴーストフリークの声優さんがうまかったからだと思います。本当にうれしいんだなって思ってました。

・センセーキソク!バインド鎖牢!!これは、緑谷が先制覊束、バインド鎖牢をベンが考えました。鎖牢はなんとか理解できてるんですが、覊束については意味が分かってません。作者も適当につけました(笑)

・次回か次々回、期末試験編終了!

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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