【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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70話 期末試験終了(2)

話を聞いた拳藤。ゴーストフリークがウォッチから抜け出すという異常事態を彼女はどう受け止めたのか。それは、すぐにわかった。

 

「ベン、やっぱりその時計は危険だって」

 

「はぁっ!!?なんでだよ!?」

 

「今回はなんとかなったけど、大変なことになってたかもしれないんだよ?オムニトリックスからあの4本腕のやつが出て暴れたら正直ヒーローでも対処できるかわからないでしょ?」

 

緑谷は拳藤の言い分も理解できた。話によると、“個性”はエイリアンの力の一部を引き出したものであるらしい。ならば、オリジナルであるエイリアンが地球人より強いのは自明の理であろう。OFAのように、何人かの力が一つになったものならわからないが…

 

緑谷が考えに耽っているときも、なおベンと拳藤の口論は続く。がすぐに終わることとなる。

 

「だーかーらー!ボクはヒーローになるんだぜ!?確かに今回は危なかったけど、結局勝てただろ!?イツカは何が不満なんだよ!」

 

「それだって、あんた一人じゃ、どうしようもなかったでしょ!?波動先輩がいたから…!!」

 

「ベン君もすごい戦ってくれたよ?」

 

「そうだそうだ!!‥‥って、え??」

 

彼らの口論に新たな女性の声が混じる。一体どこから…

 

2人はあたりを見回す。しかし見つからない。近くの木々に隠れているのか…しかし声は近くからした。首を左右に振りながら周囲を確認する彼ら。そんな彼を見て満足したのか、声の主は姿を見せる。

 

「ふふふ、2人ともおっかしい」

 

きゃっきゃと喜びながらベンと拳藤の後ろに降り立つ1人の少女。振り向くと、不可思議にまとめられたロングヘアーをなびかせた、波動ねじれがいた。

 

「波動先輩!?」「ねじれ」「…ブツブツブツ…」

 

緑谷以外はねじれの登場に驚く。

 

彼女は空中でベン達の様子をうかがっていたのだった。拳藤がおそるおそる尋ねる。

 

「あ、あのぉ、どこから聞いてたんですか…?」

 

「えっとね?あなたが合流するまえから!!」

 

つまり、ベンと緑谷が帰り始めてすぐに、彼女は彼らをつけていたのだ

 

「あー…そのぉ…聞いてた?」

 

頬をポリポリと掻きながらベンは尋ねる。その指には少しばかり汗が垂れる。

 

「うん!!ねぇねぇ!エイリアンって何!?なんでそれを知っているの!?ベン君の本当の個性はなんなの!?」

 

目をキラキラさせながらこれでもかと疑問をぶつけるねじれ。もうどうにでもなれ、その気持ちでベンは話す。隣の拳藤は、“このままじゃ学校全員にばれそうだな”と苦笑いを見せた

一通りの話を聞いたところで、ねじれは近くの切株に座る。それにつられて、一同はそこに体を落ち着ける。

 

「なるほどね!今日の敵はベン君の時計から出てきたんだね!道理でベン君が冷静だと思った!幽霊と対面した時、未知の敵と戦うって感じじゃなかったもんね!」

 

うんうんと独り言る。そんな彼女を後目に、緑谷がベンに尋ねる。他の2人には聞こえないように、こそりと耳元で。

 

(そういえば、発動型の個性はエイリアンの力の一部を引き出したもので、異形型が一番エイリアンに近いんだよね?)

 

「らしいけど」

 

(なら…もし地球にエイリアンがいても、気づけないかもしれないんだよね‥)

 

「…まあ、そんなことないでしょ。なに?地球にいるエイリアンが地球人と結婚でもしてるかもしれないっての?あり得ないって!!」

 

「…そうかなぁ…」

 

男同士での話に不信感を覚えたのか、はたまた独占欲が芽生えたのか、拳藤が割って入る。

 

「そんなことより…どうするの?明日先生達に説明するんでしょ?…さすがに“幽霊がでた!”じゃ先生達も納得しないよ?」

 

「そーかな?なんとかなりそうじゃね?」

 

両手を組んで頭の後ろに回すベン。此処にいる人間は秘密をすべて知っているという居心地の良さが、彼の楽観主義に拍車をかけていた。

 

「あのねベン。先生たちはプロヒーローだよ?敵連合のこともあるし、もしかしたらあんたが敵と疑われる可能性だってあるよ?」

 

「ボ、ボクが敵っ!!?そ、そんなわけないだろ!?」

 

「知ってるよ。だからこそあんたが疑われるのが嫌なの」

 

ベンを想う拳藤。彼の為を想うからこそ、嫌なことでも言わなければならない。

 

一同はうんうんと頭をひねらせる。そのとき、ぴょんっと立ち上がったねじれから名案が浮かぶ。

 

「…ベン君と拳藤が良いなら、こういえばいいと思うよ!」

広い広い校内の中で、ある会議室では1人の男が書類を見ながら語る。

「結論から言うと、敵連合は関係ないでしょう」

 

相澤の低い声で、会議が始まる。目的はただ一つ。先日の期末試験についてだ。その議題に早くも結論付けた相澤に、ボイスヒーロー プレゼントマイクは当然の疑問をぶつける。

 

「おいおい本当かよ!しっかり調べたのか?!」

 

「ああ、もちろん…」室内を見渡しながら相澤は言葉を置く。「詳しく説明します」

 

「今回の騒動は、ジスケアーという“幽霊化の個性”を持った敵でした。

 

手を組み、そこに顎を乗せている根津校長は確認する。

 

「ふむ、その結論に至った根拠は?」

 

「テニスン、波動、拳藤の3人と、向こうのヒーロー マックスからの証言です」

 

マックスという言葉に皆々が反応するも、相澤は無視して続ける。

 

「テニスンと拳藤は昨月、職場体験でアメリカへ行きました。その際、戦った敵の中に、幽霊化の個性をもった者がいたそうです。そして、テニスンは昨日、対敵した時すぐにそいつだと分かった」

 

「ちょっと…それってつまり…」

 

「はい。拳藤もその敵を知っていたようです。そこで、2人の職場体験先のヒーローに確認を取ったところ、その敵は捕まっていなかったことがわかりました。おそらく、テニスンを追いかけてきたのでしょう」

 

場が静まり返る。初めての海外型職場体験。間違いなく生徒にとって良い経験になった。しかし、その遺恨が今現れるとは。

 

雄英の方針を決める校長は頭を悩ませる。しかし、そのことをおくびにも出さずに話す。

 

「なるほど…一応、向こうの方々に確認を取っておいてくれ。他に彼らが接触した敵がどのくらいいるのかを」

 

「了解しました」

 

会議の目的は果たされた。しかし、教師陣の顔はあまり晴れていない。誰一人席を立たない中で、ミッドナイトが空気を破る。

 

「どうするんです?敵連合だけでなく海外の敵も視野に入れるとなると、林間合宿は中止した方がいいんじゃないでしょうか?」

 

少しばかり場が鎮まる。一拍おいて、相澤が反論する。

 

「いいえ、そもそも学生を狙って海を渡るという事態が稀有でしょう。職場体験先に確認したところ、テニスン達が接触した敵はほとんどその場で逮捕されています。注意すべきはやはり、敵連合でしょう」

 

うむ、と頷く根津校長は、会議のまとめに入る。

 

「我々はあくまで教育機関だ。生徒への壁を用意こそすれ、害をなされるようなことは合ってはならない。合宿先も、なるべく明かさないようにしよう」

 

会議終了後、西部劇のようなコスチュームをまとったヒーロー スナイプは、怪訝な顔つきでセメントスに愚痴る。。

「敵連合だけじゃなくて海外の敵もか。なかなか骨が折れるな」

 

「しかし生徒を外敵から守ることができず、何がヒーローでしょう」

 

「だな…」

 

後輩2人を見ながら、オールマイトは不穏な空気を感じた。もし、ビルガクスが、宿敵AFOが学校に攻めてきたら、皆を守れるのだろうか。残り火の力で。

 

少しネガティブな発想をしてしまったオールマイト。顔を振り、手で頬を打ち気合いを入れる。

 

皆を守るからこその、平和の象徴なのだと。

 




いやぁ、長かったですねぇ。期末試験編は難産でした…そして問題は、林間合宿編!まだ展開を決めてない!

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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