【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
前回のあらすじ
調子乗る→元に戻る→殴られ
「てたまるか!!」
振り下ろされた拳を既のところで避ける。ころころと転がり虎口を脱するも、ロボとの位置関係は変わらず劣勢。
「ちょ、ちょっと待ってよ!ロボだろうと何だろうと同じ地球に住んでる仲間じゃん?!平和に行こう!」
ロボを見上げながら説得を試みるベン。人間体の彼にとってロボの一撃は一発ダウンの可能性がある。
運動神経は悪くない。が小学生並みの体躯のベン。その身体能力は並の高校生を下回る。
【ギギギ、‥ゲン、‥サツ】
「え?なんて!?」
【ニンゲン、マッサツ!!】
重い腕を振り上げベンへの攻撃を開始するロボ。
1ポイントロボなので戦闘力はそれほどでもない。それでもベンからすればヘビーな一撃だ。
「うわっ!!」
頭部への攻撃を腕でガードする。
「いったいなぁ!!!!」
【ガハハ、ホロボス!!】
「っく!!」
三度の攻撃を耐え忍ぶ。しかしこれ以上食らっては体が保たない。そう判断したベンはロボの足元をすり抜ける。
【ニガサン!!】
すぐに方向転換しベンを追うロボ。機械と人間。その両者がマラソンをしたときに勝つのは10歳の少年でもわかる。
「このままじゃ…あ!!いいとこ見っけ!!」
神の思し召しか、ビルとビルの隙間を見つける。体を入れ込み路地裏へ。
小学生の頃から身体的成長があまり無いベンだからこそ通れる道。ロボはズイズイと進むベンを眺めることしかできなかった。
【コレダカラニンゲンハ!!セイセイドウドウトホロベ!!!】
ロボは文句を言い残し去っていく。その姿を確認し汗をぬぐうベン。
「はあ、はあ、危なかった。てゆうかロボのやつ、どんだけ人間嫌いなんだよ。システム開発者イカレてんのか?」
「取り合えず、あと2、3分はここにいるか」
赤くなったオムニトリックスを見ながら今後の動きを決めるベン。
彼は表に出ることより、待機し隠れることを選択する。その理由は明白。今は変身することができないからだ。正確なわけではないが、オムニトリックスによる変身は大体10分が目安。そして一度変身が解けると最低5分程度、ひどい時は20分ほど変身できなくなる。その逆に長時間変身できる時もあるのだが…
「適当にいじって壊れでもしたら大変だし…この時間が一番いやだなぁ…」
変身できないときにはオムニトリックスの中央部は赤く染まる。このインターバルは無個性の小学生並みのフィジカルのベンにはかなりの弱点であった。
「ま、試験終了ギリギリにはもう一回変身できるかな?」
何に変身しよう…そう考えながら隠れるベンであった。
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ベンが路地裏に隠れているとき、緑谷はステージ中央にいた。今ベンはその近くにいるのだがお互い気づかない。
今のところの緑谷は65ポイント。このテストではトップの成績。オールマイトもここまで彼ができるとは思っていなかった。それほどまでにこの試験で緑谷は伸びていた。
「あと残り2分くらいか。周りも見る限りでは僕は上位に位置してるはず…相手がロボだからか動きが読めてやりやすい!!ベン君が相手だとエイリアンによって戦闘変えるしオールマイトだと加減が…その…あれだし…」
自身の手加減がいまいちなオールマイト。それにより緑谷は自分の何倍もの力による鉄拳を食らっていた。オールマイトはそのたびに謝るが、それを見たベンは大笑いする。そのことを思い出し苦笑いする緑谷。
「…そういえばベン君はどうだろう。試験開始前から変身しちゃってたし。解除の時に敵が近くにいたら危ないんじゃないかな?」
まるで先ほどの出来事を見たかのように話す緑谷。さすがである。
「まあベン君避けたり逃げたりするの異様にうまかったし大丈夫か…っ!!」
空気の揺れを感じ取り何かを察する緑谷。
地響きが鳴り、周囲の建造物が音を立てて崩れてゆく。高層ビルが軒並み壊れたその後ろには、超巨大なロボが出現していた。名をインフェルノ。その名に恥じぬ、地獄の番人でもしているかのような様相に、受験生たちは恐怖する。
「あ、あれが0ポイントロボ…」
そう、この30メートルあろうロボはポイント0。これはこのロボを倒しても意味がない、ということである。それは逆に倒せるものがいないだろうから、得点対象にはしないでやろう、という学校側のやさしさでもあった。
硬化の個性を持ちヒーローを目指したもの。俊足の個性を持ち、先ほどベン達に注意をしたもの。その他大勢がこのロボから逃げていく。御多分もれず、緑谷もそのうちの一人になろうとしていた。
「さ、すがにシャレにならない!!僕も早く逃げ」
るために後方を確認した緑谷の目に映ったのは倒れた少女。今にもロボに踏まんとされている。そのとき、デクの頭に浮かんだのは彼女の会話。
【君たち、大丈夫だった?】
【頑張ろうね!!】
それ以外は頭になかった。そして、彼は跳んだ。
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インフェルノが出現し、皆が逃げていた時ベンは走っていた。その方向はもちろんインフェルノ。
考えていることは緑谷と同じ、なわけがなかった。
「うわぁ!!あんなでっかいロボまでいるのか!!やっぱり雄英はすごいな!!アイツ倒せば絶対合格でしょ!!」
インフェルノは0ポイント。これは試験の説明時にきちんと話されていたのだが彼はきいていなかった。この勘違いを正す人が今は誰もいなかった。
「なのに…まだなの?!!このポンコツウォッチ!!」
走りながら、喋りながらオムニトリックスをいじるベン。未だ赤く染まるオムニトリックスはキュー―――ン⤵と間抜けな音のみを立てる。
「君はなぜこっちに!向こうが見えてないのか!!」
向かいから、つまりインフェルノから逃げてきてた1人がベンに声をかける。この非常時に声をかけるあたり彼は親切なのだろう。
「あ、お前は…さっきの委員長眼鏡!」
「メガ・・!!そんなことはどうでもいい!なぜ君はあちらに行こうとしてるんだ!!」
他者から見れば今のベンの行動は自殺行為。ただでさえ小さいベンの行動は傍から見れば無知な少年のそれだった。
「はぁ!?きまってるだろ!?僕はスーパーヒーローになるんだぞ!!ならここで逃げるわけないじゃん」
そう言われて眼鏡の少年は思い出す。先ほどインフェルノのせいで転んでいた少女を。試験であるため、そこまでの大けがを負わないと踏んで逃げてきた。が、今自分の目の前にいる小さなこの者はそれすら救おうとしている。
「なっ!!君は!!」
(あと残り1分もない!誰かに取られるか時間切れになる。早く!!)
実際ベンは自分のことしか考えていない。だがその行動は他者からは自己犠牲に見えた。
「いや、危険だ!!君みたいな小さな体では…」
QRUUUNN
赤色から緑色に変化し、煌々と輝くオムニトリックス。
「よし、復活した!!」
眼鏡をした少年、飯田の言葉を聞かないべン。
災害に向かい走り出し、大きく腕を上げ
「さあ、ヒーロータイムだ!!!」
強く叫ぶ。
QBAANN!!
「な、なんだあの姿…」
目の前にいた少年は消え、いるのは赤い体毛で覆われた巨漢。人間とは思えない。その理由は明白。腕が4本あるからだ。
「おらっ!!!!!」
先ほどまでとは違う、乱暴な口調で踏ん張ったかとおもうと、その巨漢はインフェルノの目の前に跳んでいった。
「か、彼は一体…」
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「おーおーでけぇな!!!こんくらいでかいと壊しがいあるぜぇ!!」
野太い声で評価するベン。いやフォーアームズ。そのパワーはオールマイトにも勝るとも劣らない。遠くからの跳躍でロボの目の前に来て今、腕を振りかぶる。
「さあくらえ!!一本でビルを壊せるこの腕、を4本同時に使ってやる」
この瞬間、少し下で同じく腕を振りかぶるものがいる。
(今までとは違う、全身全霊で!!!!)
足を壊し、しかしそれには気づかない狂気の少年、デク。下にいる少女を助けるためにその一撃を放つ。
「
「テトラマッド パンチ!!」
2つの超パワーによりぶん殴られたロボは、悲鳴に似た音を立てながら沈んでいく。
そのまま重力に従い落下していく二人。
「っは!!やっぱり俺の力は最高だぜ!!ってイズク!?」
落下していくなかで自らの下に緑谷がいたことに気づく。腕、足を紫に染め、涙を流す緑谷を見て驚く。が、すぐに緑谷を抱える。
「どうしたんたイズク!そんな怪我して!」
「ッベン君!実は」
説明をする前にドシン!と音を立て着地するベン。その瞬間
【終了――――!!!】
試験が終わる。
「お、終わったぜイズク!って、顔隠してどうした!」
「た、助けてくれてうれしいんだけど…お姫様抱っこで終わっちゃった…」
ヒロイン系主人公にはなりたくない緑谷だった。
緑谷、デク、イズク、緑谷君、緑谷少年…たくさんあるなぁ…
デクとベンが一緒に殴る描写、分かりましたか?なにぶん不慣れなもので。
テトラマッド パンチの由来。コレわかる人は正直怖いレベルです…
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章