∽移り行く絆のように∽   作:アクア=イスタロス

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7/25 内容のルビに関して変更いたしました
   例:ルビ(るび) → ルビ(るび)


序章 始まりの賛歌
第0話 epilogue to prologue


とある宇宙のとある銀河のとある場所。

そんな場所で生まれ、散り、また生まれた。

生命の誕生と滅亡を繰り返し、彼らは確かな足場を築きあげた。

この、広大な宇宙の彼方で……。

 

 

 

 

――――epilogue to prolgue――――

 

 

 

 

 

四十年前。

いくつかの惑星を拠点として活動する銀河最大規模の惑星間旅行船団『オラクル』に対し、突如、攻撃を仕掛けた宇宙最大の悪と呼ばれた宇宙生命体―ダーク・ファルス【巨躯(エルダー)】―との戦争は、三人の英雄によって終結した。

しかし、彼の者との戦争によって生まれた傷跡は深く、多大な犠牲者――特にオラクルの職務を実際に行う調査兼戦闘員の数が激減した。

 

――このままでは『オラクル』が成り立たない。

 

組織存続を危惧した三英雄が一角、『レギアス』は実働部隊『アークス』の人材確保と質向上を願い、一つの学校を創立した。

それが此処、『アークス養成学校』の成り立ちである。

今日はこの学校の卒業式であり――全ての物語が動き出す全てにして原点の日である。

 

 

 

 

『――それでは!これより、第三十九回アークス養成学校の卒業式を開会致します!!』

 

それまでざわめいていた会場がピタッと静まる。

大人も子供も、この会場に居る全ての者たちが。

例年であれば、卒業生たちの晴れ舞台とはいえ、『涙ではなく笑顔で送り出そう』という学校長のコンセプトの下、学校全体が賑やかな雰囲気でこの卒業式を進行していく。

 

ただし、今年は訳が違った。

 

『卒業証書授与。名前を呼ばれた者は卒業生を代表して、証書を受け取ってください』

 

アークス養成学校の一学年は数が多い。

無論、年によってばらつきはあるものの、少なくとも入学者が千を下回る事はない。

その全員が無事に卒業できる訳ではないが、それでも毎年数百人はこの養成学校から羽ばたいていく。

しかし、何故こうも入学者の列が後を絶たないのか。

その理由は、この学校の成り立ちとアークスの入団試験にある。

 

まず、前者の理由だが、アークスを目指す者たちにとって、この養成学校が絶好のアピール場所であるのは言うまでもない。

学生の間に優秀な成績を納める事が出来れば、それは己の自信にもなり、アークスへ入団した際の箔にもなる。

そして、後者の理由だが……こちらこそ、言うまでもない。

実働部隊であるアークスの戦闘員に求められるのはどんな環境においても生き残るしぶとさと力だ。

現に、彼らは様々な惑星に降り立ち、環境調査や原生住民との対話、時に戦闘を行う。

向き不向きはあるにしても、最低限の戦闘をこなせる必要がある。

それらを見極めるには試験が厳しくなるのは必然な訳で。

戦力増強が奨励されていた過去と比べ、現在では年数回行われる試験で合格する人数はほんの一握りである。

その一握りに選ばれたいと思う者たちが、戦い方を学ぶべく挙って養成学校の門をたたきに来るのも必然と言う訳だ。

 

話が逸れてしまった。

つまり、このアークス養成学校の卒業生は多い。

そんな彼ら全員に証書を手渡していくには膨大な時間がかかるし、暇もない。

そのため、卒業式では学生の間に本当(・・)の意味で成績優秀者数名のみに対し証書を手渡す。

その数によって、この年の学生たちの質が見極められているのは言うまでもない。

 

『首席、アラン=クリアフォード!』

 

「はいっ!」

 

最初に呼ばれたのは白髪の小柄な少年。

元気よく返事をした後、中央の壇上に立つ学校長より証書を受け取る。

 

『次席、リュラン=アルタメシア!』

 

「はい」

 

次に呼ばれたのは背の高い、銀髪の男。

少しばかり気だるそうに返事をし、同じように証書を受け取った。

 

『三席、リオン=カーミラ』

 

「はい!」

 

『おぉ…』

 

次に呼ばれた女性を見て、会場にどよめきが湧く。

理由は簡単、彼女の容姿が優れていたからだろう。

アイドルに引かず劣らずと言える。

また、髪が黒だったのも原因の一つだろう。

見渡す限り、多種多様の髪色が見て取れるが、唯一黒は彼女を除いていない。

勿論、理由はあるのだが…ここでは口を閉じよう。

 

『四席、アフィン=サザーラン』

 

「はいはーい!」

 

ため息も吐かんばかりの空気が一瞬にして崩壊した。

そんな軽い返事を返した少年に対し、会場に居る全員が冷ややかな視線を寄こすのは仕方がないだろう。

最も、件の少年は気にした様子を見せなかったが。

 

 

 

 

 

『――それでは、最後に学校長のお言葉です。お願いします』

 

成績優秀者の証書授与が終わり、送辞、答辞が厳かに終わった。

この卒業式もいよいよ次が最後だ。

司会の言葉と同時に現れたのは全身白に鋭い目つきを持った人物。

この学校の創立者であり、三英雄に名を連ねる偉大な人物。

 

『卒業生の諸君。卒業おめでとう。とりあえず、長い話は諸君も嫌いだろう。私も嫌いだ。なので、手短に纏めよう』

 

英雄、レギアス。

偉大な功績を誇る彼は、茶目っ気たっぷりに締めの挨拶を始めたのであった。

 

『この学校を卒業する諸君らの実力は、入学当初と比べ遥かに向上しただろう。同時に、共に学び、時に協力し、様々な時間を共に過ごした仲間とも出会い、絆を深めたと私は思う。これから君たちは多くの困難に立ち向かうだろう。そんな時、君たちは諦めるのではなく、挫けず、必死に足掻いて前に進んでほしい。一人では無理かもしれぬ事も、仲間と共に立ち向かえば乗り越えて行けるということを、忘れないでほしい。この言葉を、卒業する諸君への手向けとし、これを以て卒業式を終了とする』

 

英雄から贈られる言葉。

それは、多くの者に届き、様々な感情を抱かせた。

感動、期待、希望、闘志、同意等など、様々だ。

式が終わり、卒業席が席を離れ、学校を離れ行く。

期待と希望を胸に、新たな旅立ちを迎えるために。

 

同時に、ここから全ての物語は始まったのだろう。

アラン=クリアフォード、リュラン=アルタメシア、リオン=カーミラ、アフィン=サザーラン。

この四人を中心に、全ての歯車が動き出した。

飽くなき数十年に及ぶ全ての事象に決着がつく――一年の始まりであった。

 

 

 

 

∽to be continue∽




『ファンタシースターオンライン2』
→通称:PSO2。とあるゲーム会社が作成したオンラインゲーム。この物語の舞台。

『オラクル』
→大規模拠点。数多の船団の集合体をそう呼ぶ。ほとんど出番ないよー。

『ダーク・ファルス【巨躯(エルダー)】』
→ラスボス的存在。ラスボスなのにかなり色々なところで名前が登場するお茶目な存在。

『レギアス』
→英雄。機械的な見た目のため、年齢不詳。生涯現役のスーパーおじいちゃん。

『アークス養成学校』
→そのまんま。ゲーム中には存在しない。

『アラン=クリアフォード』
→主人公その1。マスコットキャラ。白髪赤眼だけどマスコット。

『リュラン=アルタメシア』
→主人公その2。私の作品ではお馴染みの彼。銀髪蒼眼。

『リオン=カーミラ』
→主人公その3。私の作品では珍しい女の主人公。黒髪黒眼。

『アフィン=サザーラン』
→原作キャラ。ゲームのキャラには名字はないが、オリキャラに合わせるため、急遽増えた。お調子者。

初めましての方も、お久しぶりの方も、一先ずお茶を飲みましょう。
一服したところで、何もありませんが。
後書きでは上記のように適当に文章中の単語やらを説明していこうかと思います。
対象は作者の気分です。

誤字脱字、原作との違いに関する質問、その他感想などお待ちしています。
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