∽移り行く絆のように∽   作:アクア=イスタロス

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早めの投稿。
因みに、今PSO2はサービスが一時停止されてる状態。
つまり…分かるな?

7/25 内容について統一性の無い表現があったため、変更しました。
   また、途中で文が途切れていたので、こちらも修正しました。


第4話 a calamity Naberius

見つけるは謎の軌跡。

求めるは謎の影。

油断するな。

探し求める者が追跡者とは限らない。

背中を見せれば喰われるのみ。

 

 

 

 

――――a calamity Naberius――――

 

 

 

 

惑星ナベリウスに突如出現したダーカーが撃退されてから数時間後。

無事、生き延びる事に成功した少年アランと相方ラジュアはキャンプシップを降り、アークスシップへと戻っていた。

 

「それじゃ、俺は知り合いを探しに行くわ。また任務とかで一緒になったらよろしくな!」

 

「うん。今回はお疲れ様!」

 

「おう!またな!」

 

無事にアークスシップの内部――二か所の内の一つ、ゲートエリアへと戻ってきた二人だったが、お互いの知り合いの安否を確かめるべく、違う場所へと歩き始めた。

ラジュアは今回の受験生が多く集まっていると思われる受験生控室へ。

アランは始まる前に皆と約束しておいた自分の居住空間――通称・マイルームへと跳ぶ。

 

自分のマイルームへと戻ってきたアランの目の前には怪我のない状態で談笑する三人の姿があった。

 

「みんな、無事だったんだね!」

 

「アラン!お前も無事だったんだな!!良かったぜ!」

 

「い、痛い!痛いってばアフィン!」

 

声を掛けると真っ先に動いたのはアフィン。

アランに近寄ると頭をぐりぐりと叩く。

アラン自身も、痛いとは言いながらも嬉しそうに反撃していた。

そこへ、呆れた様子を見せるリュランと苦笑いを浮かべたリオンも近づく。

 

「落ち着け、アフィン。アランが痛がってるぞ」

 

「それに、今来たってことはまだ休んでないのでしょう?一先ず座ったら?」

 

「わ、悪い、アラン。お前も無事だったって分かったから、つい…」

 

「大丈夫だよ、アフィン。少し疲れただけだったから」

 

とは言うものの、連戦したのは事実。

息を吐きつつ、喉を潤すために用意されていた水を一口飲む。

 

「あ、それタバスコ」

 

「ブーッ!?」

 

「汚いぞ、アラン」

 

リオンの遅すぎる指摘に、アランは口に含んだ液体を吹き出す。

タバスコを直接口に付近だとなれば相応の激痛が走るのだから、アランの対応は可笑しくない。

リュランの冷静なツッコミも、致したが無いといえばそれまでなのだが…。

因みに、これが誰の悪戯であることは明白である。

 

「……」

 

「い、いや、俺じゃないぜ!?俺は何もやっちゃいないぜ!?信じてくれよ、アラン!」

 

必死に弁解を図る彼――アフィンには決死の覚悟が見て取れる。

だがしかし、残念かな。

彼には前科がある――それも、とびっきり大きいものが。

 

「養成学校時代」

 

「(びくっ)」

 

「窓際」

 

「(びくびくっ)」

 

「何か、言う事は…?」

 

「すみませんでしたーっ」

 

余程トラウマだったのだろうか。

温厚なアランが黒い笑みを浮かべていた。

あまり関わりたくないのか、近くに居たリュランやリオンも少しばかり距離を取っていた。

 

「それぐらいにしておけ。今は情報共有が優先だ」

 

「アフィンも少しは懲りたらいいのに」

 

「それはともかく、情報共有って?」

 

「今回の件…惑星ナベリウスにダーカーが出現した事について、だ」

 

「っ」

 

リュランの言葉に、アランが息をのんだ。

それは間違いなく、自分も欲する情報だからだ。

しかし、と彼は感じた。

 

「情報共有と言っても、『安全と言われる惑星でダーカーが出現した』以外に何か情報なんてあるの?ほとんどの試験生は生き残る事で精一杯だっただろうし…」

 

「間違いなくあると思うわ。一先ず、私とリュランが持ってる情報から言いましょうか」

 

「一つ目。原生獣に奇妙な物体が突き刺さっていた。体感的にこの奇妙な物体が有る無いで性格的にも、体力的にも、攻撃的にも違いが見受けられた」

 

「それって丸い球体と受け皿みたいな形だった?」

 

アランの言葉に、やはり、とその目を見つめたのはリュラン。

しかし、否定するように首を横に振った。

 

「いや、俺が見たのは大きな目玉と嘴を模った物だった」

 

「そして、私が見たのは丸い球体から二本の鋭そうな何かが突き出てる物だったわ」

 

バラバラの場所で別々の人物が見かけたという謎の物体。

すり合わせた事で、一つの朧げな答えが見えてきた。

 

「…同じような効力があったってことは、形の違う同じものの可能性、かな。そして、効果は装着した対象の能力を上昇させ、攻撃的にする…」

 

答え合わせをするかのように己の考えを口にし、チラッと目の前のリュランの顔を窺う。

すると、自分を見ている事に気がついたリュランは、アランの言葉を肯定するように首を縦に振った。

横を見れば、リオンも同じように首を楯に振っていた。

 

「俺とリオンも同じ見解だ」

 

「アランも見たとなれば、他の試験生も少なからず見てたでしょうね。なら、この件はもういいわね。――むしろ、本題はこっちなんだけど」

 

「?他にも何か?」

 

「ああ。――アランは試験中、黒い仮面を被った人物を見てないか?」

 

「いや、見てないけど…その人がどうかしたの?」

 

「……」

 

「……」

 

アランが見ていないと否定すると、どう説明するべきか悩む様子の二人の姿。

そこへ、先に話を聞いていたのであろうアフィンが悩む二人を助太刀する形で口を挟む。

 

「どうやら、この二人はその黒い仮面を被った奴に襲われたらしいぜ」

 

「えぇ!?だ、大丈夫だったの?仮面を被ってたとはいえ、その人アークスなんでしょ?すぐに抗議しなきゃ!」

 

「……」

 

「……」

 

しかし、未だに二人は口を閉じたまま。

焦れた様子で先を促そうとしたアランだったが、ここで一つの可能性について思い当たる。

さすがにそれはないだろうと思いつつも、確認するべく口を開く。

 

「…何か、あったの?それも、二人が口にしないような事だよね……。つまり、その人はアークスじゃなかったんだ?」

 

「…ええ。データベースにヒットしなかったの」

 

「そして、“何か”を探す素振りを見せていた。その何かは分からなかったが――」

 

ここで、リュランは一度口を閉じた。

まるで、此処から先は語りたくはないと示すかのように。

それでも、アランはこの言葉を口にする。

 

友が悩んでいる。

話を聞いたところで全てを知る事は出来ないかもしれない。

それでも、想いを共有し、手を取り合う事が自分たちには出来るのだと。

 

「教えて欲しい。一体、何があったの?」

 

「…リオンを見た瞬間、奴は敵意を剥き出しにして武器を構えた。まるで、親の敵であるかのように、な」

 

「初対面な筈なんだけど…。あんな仮面を被ってたら忘れないだろうし」

 

リオンの顔をチラッと見つめ、アイコンタクトで承諾を得たのか、難しい顔をしたまま、リュランは話を続けた。

さらに、リオンからは謎の発言。

依然として意味が分からない事が多く、謎ばかりだ。

 

「…色々思う事はあるけど、今二人に怪我が無いってことは無事に乗り切れたってことだよね?」

 

「結論を急ぐな。まぁ、その通りなんだが…」

 

「あと少しで襲われると思った時に、全く知らない人が現れたの。まぁ、その後の会話で意図して助けた訳じゃないって知ったけどね」

 

意図してないのであれば、何故助ける事が出来たのだろうか。

アランとアフィンは同じ疑問を思い浮かべたが、口に出す事は無い。

今、この場は重要な局面に差し掛かったのだと理解しているからだ。

 

「助けてくれたのはゲッテムハルトって男とシーナって女の子の二人組。襲いかかってきた人物がアークスじゃないって事もそのシーナって女の子が調べてたのを耳にしたからよ」

 

「で、そのゲッテムハルトって男と襲撃者の力量は互角…。小手調べだったとは思うが、それでも熟練者だろうとは感じた」

 

「…それで?そのあとはどうなったんだ?少なくとも、戦闘はあった訳だし、そこでお終いってわけじゃないだろ?」

 

アフィンの問いに、首を横に振って否定するリュラン。

 

「いや…アークスじゃないって事が分かった瞬間、すぐさま間合いを取って去ってったよ」

 

「結局、何故襲われたのかについては謎のままよ」

 

うーむ、と腕を組んで考え始めたアランであったが、何も思いつかず。

仕方無い、と気持ちを切り替えて自分の持つ情報について話し始める。

先程、相方のラジュアと見つけた謎の少女について。

 

 

 

 

「――そうか。そちらもそちらで大変だったみたいだな」

 

「それにしても、その少女は何故そんなところで倒れていたのかしら?試験生なら目印であるナンバーカードを持っているだろうし、逃げてる途中で落としたのだとしても、試験専用の配布された武器は離さず持つだろうし…」

 

「結局、アランの方も謎ばっかりってわけか…。やれやれだぜ」

 

三者三様の答えを口にしたところで、急に場が静まりかえる。

特に何かあった訳ではない。

ただ、話すべき内容を話し切ったため、話題がなくなってしまっただけだ。

 

「――そうだ!とりあえず、何か食べに行かないか!?試験も何とか終わった訳だし、ここらでぱーっと騒ごうぜ!」

 

突然、試験終了の記念として打ち上げを提案したアフィンに三人それぞれ無言の視線を送った後、特にすることもない以上、提案に乗るべきだと判断して席を立つ。

それに、無言の視線を送ってはいるが、三人ともアフィンには感謝している。

先程のような状況で堂々と発言しようとする人物はそうそう多くは無い。

だが、アフィンはそんな場だからこそ、盛り上げるべく自分から動き出す。

そんな心遣いに、何度救われたことか。

 

「じゃあ、今日はアフィンの奢りだね」

 

「え”!?」

 

「食堂で一番高い品物頼んであげるから楽しみにしててね」

 

「ちょ!?」

 

「安心しろ、骨ぐらいは拾ってやる」

 

「安心できるかーっ!?」

 

もちろん、これらの発言は冗談だと全員が理解している。

――若干一名、本気だったかもしれないが。

それでも、彼らは笑いあう事が出来る。

未来に待つのは困難や絶望かもしれない。

しかし、恐れる事は無い。

自分たちには信頼すべき友が側にいるのだから、と。

 

 

 

 

 

――――――――――

――――――――――

――――――――――

 

 

 

 

ばしゃ、と水溜りが跳ねる。

豪雨の降り注ぐナベリウスのとある場所に、奴はいた。

 

『――見つけたぞ、憎き敵』

 

豪雨によって視界が悪いにも関わらず、奴は何も気にすることなく歩き続ける。

行く当てはあるのか。

ただ、ひたすらに前へと歩き続ける。

 

『――奴を殺す』

 

闇に紛れる。

それ以降、奴の行方は分からない。

奴が何者かも――分からない。

 

 

 

 

∽to be continue∽




『ゲートエリア』
 →アークスシップは二つのエリアで構成されており、こちらはクエストを受けたりクラスを変えたりすることのできるエリア。

『マイルーム』
 →プレイヤーの居住空間(?)色々な家具や遊具などを置く事が出来る。

『タバスコ』
 →お馴染みの激辛アイテム。アフィンは色で判断されないように赤色の蓋を用意していたという。

『養成所』『窓際』
 →もしかして:アランの苦い記憶。こちらも仕掛け主はアフィン。内容は不明。

『安全と言われる惑星でダーカーが出現した』
 →アークスにおける共通認識だった話題。今回の件があったため、調査が見直されることとなる。なお、現れた理由については上層部が何か知っている…?

『黒い仮面を被った人物』
 →謎の人物。ストーリーにおける重要なキーマン。正体は不明。ゲームでは主人公に対し、一方的な敵意を見せる。この物語ではリオンが対象。

『ゲッテムハルトって男とシーナって女の子』
 →リュランとリオンを助けた謎の二人組。正体はアークス一の危険人物。シーナはお供。二人の関係は色々と複雑で…?

『謎の少女』
 →前話でアランが助けた人物。何故そのようなところで倒れていたかは不明。とても可愛い子猫兼子犬系少女(笑)


第4話でした。
序章と第1章をかなり駆け足で進んだのですが如何だったでしょうか?
ゲームで体感したことを文字で表すって難しい…。
やっぱり、絵って重要だよね←

誤字脱字、原作との違いに関する質問、その他感想などお待ちしています。
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