投影魔術の始祖になりました   作:金属粘性生命体

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間桐雁夜

 

 

 あれから遠坂邸で一悶着あった後、間桐家の土地権利やら遺産やら、後は間桐鶴野及び慎二の対処やらをした後。桜の親権を移してから数日。冬木市に購入した別荘へ桜を招く為に今は遠坂邸へ歩いている最中である。なお別荘という名の元間桐家を購入しただけであるのだが……掃除に思った以上に時間がかかった。虫はもちろん様々な結界やら警報やらなんやらをひっぺがし、中身と外観が悪趣味だったので清涼感溢れるイギリス風に改造してたら数日経ったのだ。

 

「それよりもまぁ……なんとも怖い顔だ」

「お前が桜ちゃんのことを養子にしたという魔術師か?」

「そうだ、そんなことを言うお前さんは誰だ?」

「俺は間桐雁夜、お前が潰してくれた間桐家の次男だよ」

 

 やはりと言うべきか、既に帰ってきていた間桐雁夜が待ち伏せていた。こちらの事をまるで親の仇の如く睨んできている。ある意味親みたいなやつは殺したがこいつからすると感謝するべき事柄だろう。てことは、だ。こいつがこんな顔してるのは桜ちゃんを養子に出したことだろう。

 

「それで?そんな間桐家の次男様が何の用だ?まさか復讐じゃないだろうなぁ?」

「そんなことをするわけないだろう、あんな……あんなおぞましい家なんか潰れてくれてせいせいしたよ」

「じゃあ何の用だ、俺はそこまで暇じゃねぇんだ。手早く済ましてくれ」

「なら端的に言おう、桜ちゃんを遠坂家に返せ」

「無理だな」

 

 諸々の事情があってね……今回の話って割と桜の将来、人生。そして生き方が決まる訳だ。

 

「何故だ?別に彼女を養子に出さなきゃいけないわけでもあるのか?ないだろ──「あるんだよ」──なに?」

「まず一つ、遠坂家が養子として出したがっているのは知っているな?」

「それは遠坂時臣のみの判断だろう、葵さんと凛ちゃん、桜ちゃんも反対しているはずだ」

「誰から聞いたかは知らんがそれは事実だな。だが如何せん遠坂時臣は頑固者だ、あいつを納得させるだけの理由がないなら養子に出すことは取り消さんと思うぜ」

「それは俺が説得すればいいだろ」

 

 まぁそこに関しては当人同士が話してくれればいいのだが、この後の事情はそうはいかないんだよなぁ。

 

「第二に︎︎桜の魔術師としての才能が関わってくる」

「魔術師の才能だと?そんなくだらないものが理由になるわけがないだろ!」

「なるんだよバカが。桜の才能は魔術師としては最高峰を誇る。そんな彼女の力は放置していたらとんでもない事になりうる、もし知らずのうちに勝手に魔術を使ったら手がつけられなくなるくらいにな」

 

 知らずのうちに、例えば死にかけた時にだ。命の危機があれば人は本能的にそれが回避出来る手段をとる。なら魔術の才能を持つものが頼るのは魔術になるだろう。

 

「桜の魔術特性は虚数、術者の負の部分を露出させる特性であり、影を操る。その特性は余りにも厄介なんだよ、暴走したら何があるかわからねぇ」

「…………」

「第三に周囲の環境だ、これが一番重要だな」

「環境?」

「そうだなぁ、例えばだ。幼い純粋な少女が大量の遺産を持っていました、その周囲にはお金目当てのクズな大人達がいました。どうなるでしょーか」

「……搾取されるだけだ」

「純粋な少女を桜に、大量の遺産を魔術の才能、クズな大人たちを外道な魔術師とすればわかりやすいだろう?つまりはこのまま彼女を遠坂家が放置すれば彼女は良くて監禁、悪くて実験道具行きだな」

「は?ちょっ、ちょっと待て。実験道具だと?どういうことだ!?」

「そしてそれを防ぐために遠坂家は後ろ盾を求めている。遠坂時臣は確かに優れている魔術師ではあるが、遠坂家名物のうっかりのせいで子供たちを失うことを恐れて、俺に養子に出す事にしたんだ。ここまで聞いて、納得できない部分はあるか?」

「……確かに桜ちゃんのことを考えればそれが正しいのかもしれないが、お前のことは信用ならない。お前がさっき言った実験道具にしないなんて確証がないからな」

「まぁ確かにな、だが安心しろ。俺はそういったことが一番嫌いでね。彼女と同じ境遇の子や人物を保護している施設を作ってあるんだよ。お前も聞いたことがあるはずだぜ、ヴァイスロイ孤児院を」

「なっ……世界最大の孤児院か!まさかお前が……?」

「そうだよ、俺が経営者だ」

 

 ヴァイスロイ孤児院。それは俺が凡そ千年前、ヴァイスロイ家を作り上げた時に同時に設営した世界最古であり、世界最大の孤児院である。その規模は凄まじく、イギリスには本部を置き、アメリカや日本、インド、中国、ロシアなど世界各国に支部を持っている。それと同時に小学校から大学の役割を持っており毎年凄まじい才能を持つ人物が排出されている。

 

 そしてその実態は封印指定された魔術師や、育てきれなかった魔術の才能を持つ子供を保護し、配下に育てるためのヴァイスロイ家御用達の教育施設である。そのおかげか知らないが魔術協会ですら手を出せないほどの規模になっている、手を出したら俺が動くっていう理由もあるだろうが。これのおかげで元々は三大組織と呼ばれていた魔術協会、聖堂教会、アトラス院に新たに加わって四大組織と呼ばれるようになってたりする。

 

「それが事実なら確かにお前のことは信用できるな。なら……あー、お前の名前は?」

「俺の名前か?俺の名前は──適当にヴェルグとで呼んでくれ」

「さっきの話を信じて、俺はお前に桜ちゃんを託そうと思う。だが一度でも彼女を泣かしてみろ、俺のコネの全てを使ってでもお前を陥れてやるからな」

「分かってる。俺は人の幸せ(ハッピーエンド)が大好物なんでね。安心してくれや」

 

 密かに精神安定の魔術を使っていてよかった。冷静に考えてくれたようだ、下手したら洗脳しなきゃならなくなるからな。

 

 

 

 

 







なんかオリ鯖FGOを書いて欲しいって来たんで書いていいかどうかアンケ取りますね
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