「だァっもうあの阿呆が!怒り心頭だ、行くぞフォーリナー!」
「ぐっ、あの金ピカ嫌いなのだが、私が行かなくてもいいのでは」
「ダメだ、お前さん本人の実力知らんといかんだろうが。行くぞ」
征服王は名乗り上げた時、周りに隠れている奴ら……俺、ギルガメッシュ、フォーリナー、アサシン達に対して姿を現せと周りに啖呵をきった。
それに対して我らが王たるギルガメッシュは半ギレ状態で登場。案の定自身を知らない奴らにブチ切れた。
ケイネス?いつも通り征服王相手にバカにされガチ切れした。
「我が拝謁の栄に浴してなお、この面貌を見知らぬと申すなら、そのような愚昧は生かしておく価値すらない」
そうギルガメッシュが言った瞬間、そのまわりに金色の波紋が広がりそこから剣、槍など盛りだくさんの宝具が征服王達へ向けられた。
しかしその緊迫した状況で1人の美しい機械仕掛けの翼を持つ女が、フォーリナーが舞い降りた。
「……しばしその判断はお待ちいただけないだろうか、英雄王」
「貴様は……なるほど、ヴェルグのサーヴァントか」
「左様でございます」
その場に跪いた女は英雄王と呼ばれた男に具申をする。
「その怒り、私にぶつけていただければ鎮める事も出来ましょう」
「貴様が我の夜伽の相手をすると?」
「いえ、真なる勇者というものを見せましょう」
「…………」
金の波紋から出ている数々の宝具の矛先がフォーリナーへと向けられた。その宝具を向けられた相手は無感情にその様子を見て、その宝具を向けた王は愉悦に表情を歪める。
「よかろう、貴様が如何程のものか知らぬが、その大言壮語。現実のものとしてみせよ!」
「御意」
放たれる黄金の宝具達。だがその矛先は何者も貫かず、弾かれる。
それを行ったのが機械仕掛けの翼であり、ただのそのあまりにも強い風圧に周辺に置いてあったコンテナが歪んだ。
「なんという風圧か!というか坊主聞いておったかあの女の言葉を!」
「な、何がだよ!」
「
「……英雄王ギルガメッシュ!?」
放たれる宝具の一つ一つは一度当たれば即死であることは違わず。しかしそれを凌ぐフォーリナーの技量もその致死の嵐を生き延びるのには十分であった。
フォーリナーは眼前に迫る宝剣を腰から抜剣した金色の直剣で弾き飛ばす。しかしそれだけで終わらない、弾いた後も宝槍が迫っておりそれを羽の機械部分でたたき落とした。
「ほう、やるではないか。たかが大工がここまでの剣を扱えるとはな。どれ、どこまでやれるか試してやろう」
その言葉と同時に先程放った物とは違う、ワンランク上がった宝具が黄金の波紋を揺らし装填された。
「なんという数の宝具。流石は英雄王と言ったところか……しかし、あの女は何者だ?大工と呼ばれていたが、職人があのような剣技を扱えるか?どう思う坊主」
「蝋で出来た翼、大工、職人。これに該当する人物といえばイカロスかダイダロス辺りかもしれないけど……両者共に女ではなく男だし、機械部分があまりにも不可思議すぎる」
踏み込み、飛翔。数多の宝具を眼下に羽ばたくその姿はまさに神話の一節。その姿に英雄王は思わず笑みを深めた。
「というか彼奴のクラスはなんだ?ここにいないクラスと言うならばアサシン、キャスター、バーサーカーであろう。しかしどれに該当するか分からんな……ランサー、セイバー。お主らはどうだ?検討はつかぬか?」
「分からん、マスターはご存知ですか?」
『知らん』
「こちらも分からないな、アイリスフィール。あなたは?」
「ごめんなさい、ちょっと私も知りません」
流石にギルガメッシュと言えど空中に飛んだ者を攻撃するには地上からでは不利だと知っている。故にその黄金の波紋を揺らし、新たな宝具を取り出す。
「この我より上へ飛び気概。その姿に免じ、同じ土俵に上がってやろう」
【
「我を楽しませて見せよ、道化!」
そのままどこかへと飛び去っていく2人であった。
「まるで嵐であったなぁ……」
数々のコンテナがへし曲がったり、ちぎれ飛んだりしているその場所で3騎のサーヴァント達は妙に疲れ果てた姿を晒していた。
「うぅむ、しかしあの女。なかなかの戦士であったなぁ、勧誘しておくべきか……」
「ライダー!勧誘は程々にしておいてくれよ!」
「だがなぁ坊主」
「だけども案山子もあるもんか!とっとと帰るぞ!」
そうするか、と。再び戦う雰囲気でもないので解散しようとしたサーヴァント3人とそのマスターたち。
「ランサー、仕切り直しはまた今度としよう。次会うまでに退場してくれるなよ?」
「それはこちらのセリフだ、呆気なくやられるなよ」
「……」
「……」
「ではな」
「あぁ」
そこに突如として降ってきた矢が三本。サーヴァント達の前に突き刺さった。その矢には紙が付いており、それぞれクラス名で指名されていた。
「ほう?」
「ちょ、警戒しないでいいのかよ!」
最初にライダーが開く。そして、笑みを深める。その笑みは懐かしいものを見たと言ったものであり、友愛の笑みが含まれていた。
「ランサー、セイバー!その紙を開いた方がいいぞ、旧知の人物からの手紙だ!」
「何?」
「なんだと?」
その言葉にそそくさと矢を拾い紙を広げた2人は読み進めていく度にその表情を破顔させていった。
「何が書かれてるの?ランサー」
「アイリスフィール……これは生前の私が大変お世話になった人物からの手紙です。まだ生きていたとは……会えるのでしょうか」
セイバーはその手紙を持ち、マスターに叱責されたのか霊体化していく。
「では行きましょうアイリスフィール」
「ふふ、とても嬉しそうね?」
「えぇ、嬉しいですとも」
笑いながらアイリスフィールとランサーはその場から退避して行った。
「うんうん、手紙を送ったのは良かったか」
弓を取っていたヴェルグも帰っていく。