投影魔術の始祖になりました   作:金属粘性生命体

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なんかさ男の娘とTSモノを探してる人いたんだけどさ、それにこの作品が紹介されてたんだけど……え、この作品TSモノだっけ……?

え?



アジダハーカ爆☆殺

「ぐっ、流石は古代の神。低級な神性宝具では傷一つ付けられないか!」

 

 エミヤはひじょーに苦労していた。今眼前で飛んでいる邪竜であり、邪神であるアジダハーカにろくにダメージを与えられていないからである。ついでに飛んでくる魔術の量が文字通り桁違いだからである。

 

 それとかなーりイラついていた。何故かって?

 

 そりゃヴェルグとか名乗った野郎が働いてないからだ。

 

「なぜ!貴様は動かんのだ!?」

 

 そりゃもう激怒したとも、エミヤは正義の味方であるがその前にオカンでもある。働かざる者食うべからずという思考の持ち主でもあるが故に、働かない野郎にキレるのだ。

 

「なんでってー、言われてもー……ゲッシュのせい?」

「一体なんのゲッシュだ!」

「なんのって言われても、あいつ。アジダハーカを封印したスラエータオナに結ばされたんだよ」

 

 ゲッシュ又はギャサ、それは主にケルト神話に出てくる禁忌の意味を成す誓約。『守れば祝福、破れば破滅が訪れる』と言われるものであり、これをヴェルグは結んでいるのだという。

 

「その守れば祝福ってところに目をつけたスラエータオナは俺に『アジダハーカへ手を出さない』という誓約を結ばせたんだ。それを守る限り俺に祝福が……つまりはアジダハーカへ手を出さない限りはスラエータオナは生き残るという祝福が訪れる」

 

 逆にスラエータオナは『アジダハーカを絶対に殺す』というゲッシュを結んでおり、それに連なる行動は全て成功していたりする。

 

「なる……ほど。つまりは貴様は傍観者に徹するしかないのか」

「そういうことだ。まぁ補助程度なら見逃してくれるがな」

 

 というわけで下手するとこのままエミヤ単独でアジダハーカを相手にしないといけなくなるが、流石のエミヤでもそれは不可能である。確かに無限の武器がある、無限の魔力のバックアップがある。だが如何せんエミヤは決定打に欠けることが多い。ということで抑止力が介入を決意した。

 

「そら、エミヤ。増援だ……あれ?龍馬は?」

 

 別のとこでお仕事中です。

 

 

 

「エミヤ、沖田さんはあれを斬ればいいのか?」

「あ、あぁ……君は?」

「沖田さんは沖田さんだ。魔神でもあるぞ!」

「で、そっち……は……あー」

 

 沖田オルタ。今回の現界に伴うクラスはセイバー。抑止力により生み出された彼女が救援として現れ、もう1人の男を片手で襟を掴んで持っていた。

 

「アサシンだ、真名は言えな──」

「そいつの真名はエミヤキリツグ。別世界線の切嗣だ」

「!?」

「な!お前!」

 

 なんか隠そうとしていたらヴェルグが介入。さすがに隠すのはいけない。

 

「爺さん!?」

「くそっ!離れろ!僕に孫なんて居ないぞ!?」

「……どういうことだ?」

「衛宮士郎に会わなかった世界線だ。結末に関してはエミヤ、お前と似たようなもんだ。抑止力と契約して、死後を売り渡したんだよ」

「爺さん……」

「なんでお前は僕の真名が分かるんだ、どう考えてもここは僕が生きていた時代より昔だ。僕のことを知るものは居ないはずなのに……」

「千里眼舐めんな」

 

 最高位の千里眼持ちを見てきたのは伊達ではなかったようだ。こいつも恐らくグランドキャスター候補でもあるのだろう。思わず舌打ちを漏らしたエミヤ(アサシン)は不貞腐れている。

 

「とりあえずアイツ殺さないと話は進まないぞ」

「……仕方がない」

「話は終わったのか?じゃあ行くぞ〜!」

「ちょっ、僕を離せ──待て待て捨てるな!捨てようとするなぁ!」

 

 空を踏む技術を持ってるのか知らないが、沖田オルタは素早くヴィマーナから飛び降り空を走る。しかしその手に掴まれたエミヤ(アサシン)の存在を忘れていたのか、途中で気づき放り投げてしまった。

 

「ふざけるな!ふざけるな!バカヤロオオォォォォォォ……

 

 それを見て思わずエミヤは頭が痛いかのごとく頭を抑えており、ヴェルグは大爆笑しながらヴィマーナで回収した。

 

「ぶははははは!お前やっぱ死後の方が面白ぇなぁ!」

「うぐぐ……毎度のことだがあいつはなぜ僕の扱いが雑なんだ」

「なんだお前ら2人仕事仲間か。てことは……エミヤ、お前ハブられてたのか!アッハッハッハッハッ!」

「…………」

「ひぃー……ひぃー……とりあえずほら。さっさとアジダハーカ殺しに行けよ、このままだとこの世界の侵食が始まって現実世界が歪むぜ」

「!?それをなぜ早く言わん!」

「チィ!」

「お前ら空飛べんのだろ?これ使え。」

「これは絨毯(じゅうたん)?」

「ソロモン王の魔法の絨毯だ。空も飛べるし、飛行速度は音速以上。ある程度の魔術なら自動的に障壁を張ってくれる優れ物だ。一応言っとくがこれは投影品じゃなくて現品だ。壊すなよ?」

 

 とまぁそんな大事な物を投げ渡したヴェルグは静観に移った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやはや。エミヤ単体だとどうなるか分からなかったが、この分だと問題はなさそうだな」

 

 そもそもこの事態がなぜ起きたのか。Apocrypha世界線にしても、違ったとしてもなぜアジダハーカが出現したのかが不明だ。なんか理由があるのかもしれないが俺には分からない……ムーンセルのデータを見れば判明するのだがな。

 

「それか元々こういう世界線だったのかもな。アジダハーカの後ろには明らかにアンリマユが居るしな……しかも神の方じゃなくて村人の方」

 

 何者にもなれない贄の少年。それが現在アジダハーカに魔力供給をしている。

 解析してわかったことがひとつあるとしたら、アジダハーカはある意味サーヴァントみたいな存在であること。本体ではなく分体だということだ。

 

「……抑止力がアジダハーカを抑えられなかったらアンリマユ。抑えれたら天草四郎が顕現する」

 

 そういうことなのだろうか。それもやはり分からない、全てが不明。俺自身が知っているのはFateとして描かれた世界と設定集のみであること。それ以外は知らない……もはや物語ではこの世界では俺の知識はほとんど役に立たない可能性もあるのだ。

 

「誰だよこんなめんどくさい世界作ったやつ……きのこめ」

 

 

 そんなつぶやきと同時にアジダハーカは爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 






【ソロモン王の魔法の絨毯】
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~50
最大補足:4万人
由来:旧約聖書『列王記』

 製作者たるソロモン王により制作された黄金の刺繍の入った空飛ぶ絨毯。通常は3m×3mのサイズだが最大まで行くと縦横約90キロにまで到る超巨大宝具。
 これに王がひとたび乗ると凄まじい速度で飛ぶことが出来る。風を自在に操ることが出来て、ソロモン王が絨毯をひとたび振るうだけで4万人もの人を殺すことが出来る。
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