古代にて
唐突だが俺は型月世界に転生した。
まぁその時点で軽く俺は絶望したわけだが……いや、分かるだろ。異形のヤツらが沢山いる世界だぞ。しかも現代じゃなくて紀元前……多分二千年前。断定できた理由はここがウルクと呼ばれている都市だからだ。はい、つまりここにはかの英雄王たるギルガメッシュが居るのだ。
……転生したこと速攻バレたけどな。さすがは英雄王、その慧眼恐ロシア。
というかね、環境が既に意地悪だった。この時ほど神様を恨んだ覚えはない。んで、どんな環境だったかって?
「貴様、我の仕事を放り出しどこへ行っていた!」
目の前の玉座に座ってる賢王の姿見てため息をつく。
「ギル、お前が依頼してきた仕事を処理してきただけだが──」
「ええい!それは前にやらなくても良いと言ったでは無いか!」
「そうだったか?だが、原因はギルにあると思う。なんなのだあの依頼の数々は」
「くっ……此奴の記憶能力を過信していたか……今度から貴様には粘土板で依頼する」
「そうして貰えるとありがたい」
ぶっちゃければ俺はいわゆるギルガメッシュの幼馴染である。え?じゃあ賢王と一緒に育ってきたのかって?
はい、その通り。俺はギルガメッシュとともに育ってきている為気安い関係である。なおギルガメッシュが百歳を超えている為俺も百歳を超えていたりする。ギルガメッシュはそれだけ生きても不思議ではないだろうがなぜ俺も生きてるかと言われると……まぁその話は産まれる前の話と同時にできるからそっちも話そうか。
まず俺が転生した時だ。まぁぶっちゃければ神様転生という神様の手によって転生させられた。その時に俺はひょんなことから神様に願いをいくつか叶えてもいいとお許しを貰い、そして同時に俺は願った。
──投影魔術を自由自在に扱ってみたい
──不老でありたい
まぁ願いのうちの2つがこんなものであったはずだ。それで投影魔術を自由自在に扱ってみたい……そういった願いのせいで俺は型月世界に転生したわけだ。いや、ぶっちゃけそれ以外にも願ったことはあるし、叶えられている。
まぁそのままなんやかんやあってギルガメッシュがエルキドゥと遭遇したり、エルキドゥが死んだり、ギルガメッシュが一時的に居なくなったウルクを支えるために俺が過労死しかけたりしたが……まぁなかなかに楽しい生活を過していたら……ついにその時がきた。
ギルガメッシュの死である。
それはギルガメッシュ在位から126年が経つところであった。
「……ついにこの時が来た、か」
「そうだな」
「さして死が怖い訳ではないが……ふむ、だが如何せん周りに貴様らがそのような顔をしているとなると……容易く逝けんな」
その言葉に思わず笑ってしまったが、ギルガメッシュが横たわっているベッドを囲む者達に思いっきり睨まれた。彼らの表情は誰もが悲しみに満ちており、ギルガメッシュがどれだけ慕われていたかが分かる。
「死に際でも変わらんなお前は」
「フハハ、当たり前よ。我はウルクの王……民の前で弱みなぞ見せぬ」
まぁいいさ。
「だからそんな顔をする──」
「今日この時くらいは素直になったらどうだ?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……いや、無理だな」
「そうか」
ならもうあとは聞くことは無い。こいつがそう決めたのなら、もう変わることは無いのは知っている。
「じゃあな、ギル」
「ふん……」
俺は部屋を退出し、しばらく歩いていると後ろから大勢が泣く声が聞こえた。
それからの俺は旅に出ることにした。それは俺の能力である投影魔術を強化するために様々なものを見たいが為だ。俺の投影魔術はエミヤと違い剣限定ではなく、ありとあらゆるものを本物と全く同じものを投影するというチートっぷりであるのだ。そのため俺は様々なものを見聞きすることにより投影魔術の選択の幅を広げたかった。
それからというもの旅を始めた頃は気楽だったのだが……今は神話の時代ということを失念していた。今、この世は幻想種なんて至る所に腐るほど存在するし、この時代の戦士なんてもう馬鹿みたいに強い。盗賊がまさか音速並に動くとか誰が想像できるかよ。まぁもちろん生き残りますがね……仮にもギルガメッシュ相手に模擬戦が成り立つ強さなんだ、英雄王相手に戦えるのに高々音速程度じゃあ俺にゃ勝てんよ。
とまぁそういうわけで色々と忙しなく旅をした訳だが……うん、おそらくと言うべきか多分千年近くは旅したと思う……それでもまだ紀元前の模様。んでたどり着いた場所だが……確かイェルサレムとかいう場所だったか。そこでしばらく休憩することにしたら……
いつの間にか四百年経ってたって言ったら怒る?
いや、ね?当初の予定は数年近く休んでから次はイギリスに行こうかなーって思ってたんだよ?そうなんだよ。だけどさ、イェルサレムと言えばさ、かの魔術王であるソロモンが産まれる土地なんだよ?だからそいつを一目見てから行こーかなーって思ってたらこんだけ時間経っちゃったんだよ。うん……うん。ね?ぶっちゃけトロイア戦争とか中東、エジプトとか色々と行ってきたんだぜ?アーラシュは相も変わらずイケメンだったぜ……おっと話がズレたがついに、ついにだがソロモン王が現れた。そしてその時に俺ははるか昔の、転生する前の記憶を思い出した。
──そういえばソロモン王って神様の傀儡じゃなかったっけ?それでたしかソロモンの悪魔達がソロモンを恨んでたような……
どうやらそれは合ってたようでしばらくすると街の雰囲気が最悪に。ソロモン王が執る全ての行いが残忍かつ冷酷な指示になって行っているのだ。ダビデは何してんねんっ!って突っ込みたいけど流石に無理である。あの男はソロモンには愛以外の全てを与えただけで、それ以降は神様から役目を奪われている。クォレハ……
……これならまだトロイアにいた方が良かったなー。流石に人々の表情が死んでくのは見てらんねぇや。元々俺も執務側の人間だったし……
さぁってと、中国とかアイルランドとか行くかー。リアルクーフーリンとか虜美人と会いたいねぇ……虜美人に関しては今後のために、ね?