年代【????】
「……おうおう、まぁたこんな湿気た場所にいて」
「貴公か、何用だ」
「なーに……今代のハサンはどうなのか、聞きに来ただけだ」
静謐のハサン。そう呼ばれている強力な毒を持つ少女の様子を見る山の翁の横に座る。それと懐から酒を取り出し呷る。
「飲むか?」
「要らん……彼奴は確かにハサンとしてしっかりとした道を歩んでいる、だが……暗殺教団としての主とは言えん」
「てーことはなんだい、またやるのか」
「……」
「まぁ程々にな、また来るからよ。この酒はお前さんにやるよ」
────じゃあな。
暗殺教団ってーのはなんだろうねぇ。確かに狂信者の集団なんだろうが……しっかりとした規律を守ってるから他の宗教の奴らよりましなんだが……如何せん人殺しってぇのがねぇ?別に俺は気にしちゃいないんだけども、だからといって正しいかと問われると……生物としては悪だよねぇ。
「人殺しをどう思ってるのか……今のお前さんに問い質したいよ」
『何を訳の分からないことを!貴様も奴らと同じように私を殺しに来たのか!?』
「そうだねぇ……流石にちょいと自由にやりすぎって感じだぜ、あんちゃん」
死徒。その存在は俺の使い魔たる朱い月──ブリュンスタッドとかいう名前だったなと思い出した──の眷属だが、如何せんこいつらは自由にやりすぎである。しかも神秘の秘匿のひの字すらない感じに大暴れ、確かにお前さんは強いんだろうがねぇ……
「ルールを守らんやつは粛清されるってぇ事よな」
『だぁまぁれぇ!!』
「ほんじゃ仕事と行きましょうかね」
投影、黒鍵と呼ばれる物を聖書ごと複製&改造を施した投擲用ではなく近接用の剣を作り出す。黒鍵だけど黒鍵じゃない武器ってことだな……そいつを構え、眼前に迫る大暴れしていた死徒、及びその支配下にある屍人を見据え宣言する。
「人理の代行者たるヴェルグが執行する」
『グルルゥァァァ!!!』
「浄滅せよ」
一刀両断で南無三ってな。
「帰ったぞー」
「! おかえりなさい先生!」
イギリス、そこに構える俺の家へと帰ってきた。この家はいわゆる魔術系の家であり、今後の布石のための家である。既にできてから3世代ほど経過してるため、ここら一体の地主みたいな感じになっている。このまま千年近く経過することになるからかなーり古い家となり、魔術協会の奴らさえ手出し出来ん家にする予定だ。まぁそんなところで当主というか初代である俺は今何しているかと言うと……初代だということを隠して4代目となる子供を育てている。
「さて、早速授業に移ろうか」
「はい!」
「では昨日出した宿題であるフライパンの投影は出来るかい?」
勿論ウチの魔術刻印は投影魔術が基本であり、それを補助できるように強化、解析を中心に固定化した。なお、俺自身の物ではなく、俺の子供が作りあげたもののため俺の投影魔術とはかなり違う。その為教えているのは基礎的なものになる。
投影魔術の基本はエミヤに習って「創造理念」、「基本骨子」、「構成材質」、「製作技術」、「憑依経験」、「蓄積年月」を中心に構成している。まぁこれを知らなければならないという訳では無いが、あった方がかなりクオリティが高い投影品ができ、なおかつ憑依経験が活きる。つまり初見の品でもある程度扱うことが出来るのだ。
だが、ここから先の結果が違う。工程は全く同じだから別にいいとして、違う部分はまず投影品が残るか残らないか。俺が作ったものはもちろんこの世に残る、抑止力さえ手を出せない実物となる。だが俺の子孫が作ったものは魔力の込め具合により数分から数十分、凄い時なんか数日残るが最終的には消えてしまう。まぁ普通の投影魔術は数分しか残らないからこの時点でなかなか規格外ではなかろうか。
次に違う点をあげるとすれば宝具の投影具合である。俺はもちろん本物と全く同じ、基本骨子、構成物質から製作技術、憑依経験に蓄積年月、それら全てが本物同様なのだ。だが、子孫が作るとかなり劣化する、多分良くて2~3ランクは下がる。ここまで来ると神秘さえ再現できないためもはや宝具ではなく魔術礼装クラスになる……まぁそれはそれで普通の魔術師も扱えるようになるので一概に悪い訳では無いが。
とまぁここまで違うところを羅列したが一番違う所がひとつある。魔力消費量である。まぁぶっちゃければ俺が使う投影魔術ってアホみたいに効率が悪いのだ、人が扱うもんじゃないよね。聖杯使ってやっと召喚出来るやつが持つサーヴァントの武器だもの、当たり前か……
「それで──」
「ではこれは?」
「あー、これは構成物質の部分が甘いな。少し強度が下がっている、その代わりしなやかさが追加されているが……包丁にしなやかさって必要だと思う?」
「要りませんね」
「場合によっちゃ必要かもしれんが、これは普通の包丁だ。やり直しだな」
「うへー」
人が扱うレベルの投影魔術と言えど妥協は出来んと曾孫であるジャスパー・ヴァイスロイ──もちろん俺の名前にも苗字であるヴァイスロイがついている──にキチンと教えていく。その後ろには他の授業の教師役である彼の父親、つまり俺の孫が和やかにこちらを見ている。
──今、俺は久々に平和というものを味わっている。
こりゃ確かに……平和の方がいいわなぁ。正義の味方が生まれるのも仕方がない、のかねぇ?
主人公がやった事(1部抜粋)
・ギルガメッシュは幼なじみ
・エルキドゥは親友
・ニトクリスとオジマンディウスに気に入られる
・アーラシュの弓の練習に付き合い、弓の扱いを教えて貰った
・アキレウスと速さ比べして同等の速度だったことに驚く
・ヘクトールとの友誼の関係で1度だけアキレウスとタイマンした
・ペンテシレイアに目をつけられる
・スカサハと不老仲間になる、不死ではないのが残念そうだがそいつ実質的に不死だぞ
・ロムルスが建国する時に一緒にいた
・クー・フーリンの最期を看取る(その後色々な場所の英雄の死を見届けることになる)
・抑止力の守護者代行になった(エミヤくん酷使しすぎた結果精神すり減ったからその対処)
・家を興す(後にとんでも一家になる)
・山の翁と交流を持つ
・安倍晴明が盟友になる
・酒呑童子に気に入られる
・源頼光に目をつけられた
・シャルルマーニュの奴らに気に入られる
・三蔵法師の旅を見守る(仏に頼まれて監視してた)
・ベオウルフとタイマンして戦友となる
・ブリテン組と交友を持つ
──────
ギルガメッシュ領事詩を原典とし、後々様々な神話に登場するヴェルグという男。この男の姿形はどの神話でも変わらずフードを被り、腰に常に剣を、背中に巨大な弓を背負った姿で描かれる。これはギルガメッシュとともに戦っていた時から変わらず、フードを被っているせいかギルガメッシュ領事詩以外では顔の描写がなく、多くの人物は彼のことを【死神】と呼んだ。
それは正しく、神の手により作られた彼は不老であり世界各地を旅していたそうだが、その全てが英雄の最期を看取るものであったという。そのため彼が訪れた土地では必ず1人英雄が死ぬと噂され、彼はある種の伝説となった。それと同時に彼はいくつもの英雄の武具を持つが、その全てが死した英雄の武具であり、彼のことをハイエナと呼ぶ者もいたようだ。