ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

1 / 256
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
再アニメ化すると聞いて、出来心で、つい。



第一巻編
一話「初めての星空」


「はぁ」

 

 見上げれば宝石を散りばめたような星空が広がり木々の梢を夜風が揺らす。俺の月並みすぎる比喩表現はさておき、こんなに綺麗な星空を見たのはいつぶりだろうか。

 

「家族で旅行して高原に行った時かな?」

 

 確かシーズンオフのスキー場に横たわって星を見るイベントに参加した時仰いだ空がこんなだった気がする。

 

「まぁ、状況は全然違うけどな」

 

 そうつぶやいたつもりでも、知覚できる言語としてはただメラメラ言ってるだけ。真夜中だというのに俺の周囲は俺自身に照らされて、結構明るく。それでいて昼の様にと言うほどでもない。俺は燃えていた。

 

「と言うか、燃えているでいいんだろうか、これ?」

 

 気が付いたらオレンジ色の人魂モンスターになっていた。きっと転生と言うやつだとおもふ。

 

「アンデッドモンスターになったのを転生って言っていいのかはびみょうだけどな」

 

 俺の知る限り、このモンスターが登場するゲームでは、ナンバリングによって能力どころか種族も違ったりしていたので、アンデッドと断定するのは早計かもしれないけれど。

 

「メラゴースト」

 

 それが今の俺のモンスターとしての名称だ。ゲーム内ではモンスター一の物理攻撃力の低さを誇り、名前に冠してもいる「メラ」と言う炎の球を飛ばす最弱攻撃呪文を一度だけ放てる程度の精神力を持つだけの一発屋。群れに囲まれれば、駆け出しの冒険者なら命を落とすこともあるかもしれないが、俺は一人ぼっち。

 

「とりあえず、メラゴーストってことはこの世界はドラクエの世界のどれかなんだろうけれどさ」

 

 詰んでね、と問うた筈の独言もただ、メラメラという音に変わるだけだった。

 

◇◆◇

 

「と言う訳で、そのヒントを得るためにもまず検証していこう」

 

 メラゴーストと言うモンスターは登場するゲームによって能力が異なる。個人的に一番優遇されていると俺の思うナンバリングで4作目、初登場の時は、直接攻撃を奇妙なジャンプで回避したり、躱した上で分裂して増えるなんてビックリ能力を持っていた。

 

「しかも増えた方は精神力がフル回復してるんだよなぁ」

 

 もし仮に俺が呪文を放ってしまって精神力が尽きて打ち止めだったとしても、分裂した俺はまだ一発メラの呪文が放てる。

 

「もし、この能力持ってた上で協力者がいること前提だけどさ」

 

 わざと手加減して殴ってもらって分裂で増殖し続ければ、いくら雑魚でも数で押せる状況も作れるのではないだろうか。

 

「だとすれば少しぐらいは活路が見えてくるかも……なんてね」

 

 うん、判ってる穴だらけだ。

 

「どこから協力者調達するんだよって話だよな」

 

 現状、ぼっちだし。

 

「だいたい、俺と言うモンスターが存在する時点で、この辺には他にもモンスターが居る可能性がある訳で」

 

 それが俺に対して友好的かどうかもわからない。

 

「ただ、モンスターも指標ではあるんだよ」

 

 ゲームのナンバリングによって出てくるモンスターと出てこないモンスターが居る。だから他の魔物と遭遇するだけでも判断基準になるのだ。

 

「後は人間の旅人とか見かけて盗み聞きするとかだけど」

 

 俺の身体は燃える人魂。

 

「どうやって盗み聞きしろって言うんだよ!」

 

 目立つってレベルじゃねぇ。

 

「と言うか、よく考えたらこんなことしてる場合ナッシングじゃん!」

 

 夜の人魂なんてひたすら目立つ。俺自身の明かりを見つけて誰かが近寄ってくるかもしれない。

 

「ど、どうしよ」

 

 慌てて周囲を見回し不意に目についたのは、地面に落ちた枝。

 

「そうだ――」

 

 追いつめられた時こそ人は真価を発揮できるとでも言うのだろうか。俺はとっさの思い付きをすぐさま実行に移した。

 




次回、二話「それで、ここはどこ?」に続きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。