ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね 作:闇谷 紅
ここから元六巻編となります。
また、時間軸がフレイザード撃破、原作でカールが滅亡した日の翌日までさかのぼります、ご注意ください。
プロローグ「新たな問題(ダイ視点)」
「う~ん」
おれとポップは営業を再開した武器屋の前で腕を組んで唸っていた。近くには隅の塗装が剥げた看板にいくつかの武器の名前と値段がかかれ、下の方にあるモノに品切と書いた札が貼り付けられていた。
「なんだよ、こりゃ……これじゃあロモスの王宮で貰った武器のほうがまだ攻撃力が高いぜ……」
ポップはこっちを見てぼやくけど、おれにそんなこと言われても困るんだけど。
「おじさん、もっとすごい武器を見せてよ」
そう武器屋のおじさんに話しかけ、お金ならもうちょっとあるからさと続けて見せたけど、お金の問題じゃなかったらしい。姫様を救っていただいた英雄からお金をとるなんてとヒラヒラ手を振ってから、おじさんは申し訳なさそうに言ったんだ。
「なにしろ、まだ国が立なおりつつある時なので……満足な品物が揃わないんです」
と。
「『どたまかなづち』、当店で一番強力な武器ですよ……!!」
その後でおじさんは箱の中をごそごそして鉄の兜に短い柱がくっついたようなモノを出してきたけれど、自分が使うところを想像すると何とも言えない程に格好悪く、おれは苦笑いしながら要らないことを伝えてそのお店を後にした。
「あ~あ、まいったな~。ま、おれやメラ公なんかは魔法使いだから武器や防具がなくてもたいして困らねえけど……」
ため息をついて腕を頭の後ろで組んだまま空を仰いだポップの声が、急に途切れた。
「ポップ?」
「いや、メラ公今何してるんだろうなって思ってよ。フレイザードとの戦いの時、協力してくれたのはあいつの分裂したヤツだったろ?」
「あ、うん」
どうしたのかと思ったおれに説明をするポップの言葉でおれは思い出す。メラゴースト君のかわりにおれ達に協力してくれたのは、A3っていう名前のメラゴーストだったけれど。
『パプニカの人たちは不死騎団との戦いでメラゴーストと戦ってるからさ』
そう言って、有事の際には出してと魔法の筒に引っ込んでしまって、最初の戦いはよりによってフレイザードとの一回目の戦い。既に戦いが始まってるところに乗りこんだわけだから、レオナたちにメラゴースト君のことを説明する暇なんてなくて、とてもじゃないけど筒から出せなかった。その後マァムに気絶させられたらしいおれが意識を取り戻したのはマトリフって先生の仲間が暮らしてた洞窟で。
(助けてくれたマトリフさんといろいろ話したがって、モシャスの呪文で姿を変えたらマトリフさんが興味を持ったみたいで)
その後のA3君はポップと自分に修行をつけてくれるようにお願いして、おれ達とは別行動になったけれど、ルーラの呪文を覚える特訓の途中、ネイルの村に立ち寄った時にメラゴースト君が新しく分裂で増やしたメラゴーストに会ったってポップが話してくれたのも覚えている。
「分裂した個体ごとに別の職業の修行をした上で合体して何でもこなせるようになるとか、あいつの頭ン中どうなってんだよ!」
とも言っていた気がするけど、分裂合体ができるメラゴースト君だからこその修行法だよなあとも思った。
「ダイ?」
「え? あ、ごめん。あのA3君のこと思い出してて」
ぼーっとしてたからだろう、ポップに声をかけられたおれは慌てて謝って。
「あー、あいつな」
名を口にしたらポップが酷く遠くを見た。
「ポップ?」
「いや、あいつって使える呪文がかなり多いだろ? んで、修行は俺と一緒だったもんだからよ……『同じアバンの元で修行しといて、どうしてこうも差がつくのかね』ってな」
「あー」
メラゴ―スト君とポップは受けてた修行のコースが違うから仕方ないとおれは思うんだけど、ポップはそう思わなかったんだろう、ただ。
「もっとも、おれだってルーラは覚えたからよ、これで先生やメラ公、あいつみたいにおまえらを連れて行けるぜ」
ポップだって立ち止まってるわけじゃない。得意そうに胸をそらし。
「……って、よくよく考えたら、あのA3だったか? あいつに色々連れていって貰えればおれも飛べるところが増えたよな」
「あっ」
続けた言葉におれは声を上げた。言われてみればもっともだったからだ。
「他にいける場所が増えたならおまえの武器の問題も何とかなったかもしれねえってのに……おれ、なんであの時引き留めなかったんだよ」
「いや、けど止めなかったのはおれもだし……『戦いに勝ったことをAや他の仲間にも伝えたいから』って言われたらさ」
フレイザードとの戦いが終わって、パプニカの人たちが勝利を祝うための宴会を開く前にA3君は去っていった。ルーラの呪文での移動だったから、今どこに居るかもわからないけど。
ダイだけあってダイジェスト。(ぼそっ)
次回、番外13「回想は続く(ダイ視点)」に続くメラ。