ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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番外14「新たな武器を求めて(ダイ視点)」

 

「あのさあ……レオナ、ちょっと相談があるんだけど……」

 

 レオナの居るところに向かう途中で、国を復興中のレオナは忙しいんじゃないかって気づいたおれはレオナの居る部屋に恐る恐る顔を出したんだけど、おれの予想と違ってレオナはやけに機嫌がよかった。

 

「あ~ら~? な~に、ダイく~ん?」

 

 笑顔でこっちに手を振ると、今の話はまた今度って居合わせた他の人たちに言ってこっちに来てくれたけど、良かったのかなあとちょっと不安になる。

 

(ポップはポップで、マトリフさんのところに寄りたいからってそっちにいっちゃったし)

 

 こういう時にメラゴースト君がいたらなあとも思うけど、A3君にしても他のメラゴースト君の分裂したメラゴーストにしても、パプニカの人たちの集まるところは避けてる。

 

(ただの愚痴にしかならないよなあ)

 

 諦めておれはレオナに今の剣が寿命だから新しい武器を求めるのも兼ねてどこかに出かければいいんじゃないかとポップと話していたことを説明して。

 

「それなら、なんたってベンガーナ王国よ! ベンガーナにはね、デパートまであるんだから!!」

「デパート……!? なにそれ!!?」

 

 出来ればカールに行きたかったんだけど、レオナが勧めてきたのはポップが口にしてたもう一つの国の名前で、加えて知らない言葉を口にしてたから問い返したところ、ベンガーナにはたくさんのお店が入ったお城みたいに大きな建物があるって言う。

 

「あたし小さい頃に一度だけお父さまに連れていってもらったんだ。広くって大きくって薬草でも服でも武器でもなんでも売ってんだから……!!」

 

 そう説明されると、すっげーなーとしか言いようがなかった。

 

「ダイ君、行きたい!?」

「うんっ!! 行きたいっ!!」

 

 興味もあるし、何より武器を手に入れないとこれからの戦いを乗り越えられない。カールのことはまだ気になるけど、なんでかレオナも嬉しそうだし。

 

(ま、いっか)

 

 武器を手に入れてからカールに行ってもいいかなとおれは思いなおしたんだけど。

 

「えっ」

 

 屋上に向かったレオナが睡眠呪文でそこに居た兵士のひとたちを眠らせたあたりで驚いて。

 

「ったく、ルーラの着地地点にちょうどいいと思ってたが、まさかこんな現場に出くわすとはなあ」

「ポップ?! いつの間に」

「いーや、生憎だけどおれはポップじゃねえよ、偽物のほうさ」

 

 突然の声に驚いて振り返れば、腕を組んで立っていたポップはヒラヒラと手を振った。

 

「偽物?」

「ほら、ここのお城じゃモンスターの姿のままだとちょっとな」

「モンスター? まさか」

 

 そこまで言われれば目の前のポップがどういう人なのかは気づく。

 

「そう、お前さんがいうとこのメラゴースト君の一番新しい分体さ。この格好してる時が多かったもんだから『偽ポップ』って呼ばれてたな」 

「偽……」

 

 その呼び方はどうかと思ったけど、この偽ポップ君も思うところはあるんだと思う。話す時はどこか遠くを見ていたし。

 

「ま、それはそれとしてだ。何かあると拙いし、どこか出かけんだろ? 見たとこ定員には遠そうだし、おれもついてゆくぜ? ルーラでいける場所も増やしておきたかったしな」

「……どうするの、レオナ?」

「はぁ、見られてしまったなら仕方ないわ。ここで時間を食えば」

 

 ため息をついたレオナがちらっとおれ達の出てきた入り口を見た時だった。

 

「姫ッ……!!?」

「っ、思ったより早かったわね。ダイ君、急いで!」

「え、あ、うん」

 

 三賢者のマリンさんやアポロさんにバダックさん、さっきレオナと一緒に居た人たちが次々現れて、おれはレオナの勢いに押されて気球のカゴの縁をまたぎ。

 

「いいわ、連れていってあげる」

「よしっ、じゃ、よろしくな」

 

 偽ポップ君もレオナの言葉でお城の屋上を蹴ると、ぶら下がったロープを掴み。

 

「ごめんねえ、みんな! すぐ戻るから心配しないでね~~っ!!」

 

 片手を口元に近づけたレオナの見る先でおれ達を見上げた人たちの姿がどんどん小さくなってゆく。

 

「いいのかい!? これって泥棒なんじゃないの」

「王宮のものをあたしが使ってなんで泥棒なのよ、いーじゃない!!」

 

 おれが口にした疑問は、腕を組んだレオナにそう言われると反論のしようもなく。

 

「それとさ、本物のポップは連れてかないの?」

「本物!?」

 

 話題を変えたおれの問いにちらりと偽ポップ君の方を見たレオナはああと声を上げ。

 

「別にいいんじゃない? 偽物でももうここに一人いるわけだし、それになんかちょっとたよりなさそうだし」

「えーとな、姫さん。そのたよりなさそうにモシャスしてるおれにも立場ってモノがあってだな」

「あら、ごめんなさい。けど、その姿も仮のものでしょ?」

「仮のものってとこはまあ間違っちゃいないが」

 

 何とも複雑そうな顔で偽ポップ君は気球のカゴの下を指す。

 

「本物、ついてきてるぜ」

「「えっ」」

 

 おれ達が驚きの声を上げる中、かごの縁にかかったのは確かにポップの手で。その後の空の旅はちょっと気拙いものになった。

 




番外15「ベンガ-ナ」に続くメラ。
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