ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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番外20「おう、さっきの落とし前どうつけてくれるんじゃワレェ(A7視点)」

「それで、どこまで説明してくれたの?」

 

 未来の可能性から思考を切り替えて俺が尋ねたのは、レオナ姫を人質にして逃げた先ほどの顛末についてのことだった。

 

「それは、おおよそ話しちゃったわよ。納得してもらわないとここまで来てもらえなかったでしょうし」

「ああ、えっとごめんなさい」

 

 半分はこっちもちという話になってたけど、ダイ達が納得できなければさっきみたいな反応もないか。顔見るなりどういうことかと尋ねてきたはずだ。だからさすがに申し訳なくて俺はレオナ姫に頭を下げ。

 

「けどA7君も災難だったよね。騒ぎにならないようにわざわざ呪文で変身してたんだろ?」

「ううん、どちらかと言えば俺はおまけで着いてきたようなものだし、買い物邪魔しちゃったみたいでこっちの方が心苦しいかな」

 

 鎧をガショガショ言わせつつ気を使って声をかけてくるダイにも俺は頭を振る。俺がもっとしっかりしてればメルルのことは予想できたはずなのだ。だから口にするのは気が引けたが、今後の行動にもかかわる手前、黙すことも出来ず。

 

「それで、手間かけさせちゃった俺が言うのもあれなんだけど、ドラゴンキラーはどうするの?」

「ドラゴンキラー? ああ、オークションね。あれなら中止になったわよ」

「え゛」

 

 投げた問いに返ってきた答えに俺は固まった。

 

(……オークションが中止? いや、まあ、デパートに魔王軍が入り込んでお客を人質にするような事件があれば、延期か中止は妥当な判断だろうけどさ)

 

 よもや、あの場を被害を出さないように離脱したことで更に原作の流れをぶっ壊してたなんて、思っても居なかった。聞かされた今なら、考えればすぐ思い至りそうな気もするけれども。

 

「じゃ、じゃあダイの装備は?」

「それなんだけどさ、おれあんな高い武器じゃなくても、普通の武器でいいかなって」

「あたしはあんな連中にみすみす立派な武器を渡しちゃうのはもったいないと思ったのだけど、オークション再開までここに滞在するわけにもいかないでしょ?」

 

 恐る恐る聞けば、ダイの方はケロッとしていたがレオナ姫の方は明らかに不満げで。

 

「あたしたちが使った方が絶対有意義なのに……」

「そりゃ言えるな。どう見ても正義の味方って顔してなかったもんな、あいつら」

「でも無理してまで買うことないと思うよ。それにどんなに安い武器使ったって敵に勝ちゃいいんだろ?」

 

 未練を引っ張るレオナ姫にポップが同意する一方で、肩にゴメちゃんを乗せたダイがフォローに回る。

 

「うーん、分裂した俺が一人ローテーションで滞在してれば、ドラゴンキラー何とかなるかもしれないんだけどな」

 

 埋め合わせしようにもやはりあのメルルという少女が居ればここに滞在するのは難しく。居なかったとしても、デパートは一度魔王軍に侵入されてることになってるのだ。モシャスの潜入を防ぐ手段を編み出すことも考えられる。

 

「A7君、大丈夫だって」

「とはいうもののなぁ、何か穴埋めが出来たら……あ、そういえばあの俺を人じゃないって言った娘はどうなった?」

 

 考えていてふいに思い出した俺は顔をあげて尋ね。

 

「ああ、あの子ね。自分が指摘したからあたしが人質に取られたと思ったみたいで、デパートの中に戻ったら謝りに来たわよ」

「あー、まぁ確かに不用意って言えば不用意か、それで?」

「やけに気にするのね?」

 

 食いついてくる俺が不思議だったのだろうか、訪ねてくるレオナ姫に俺はだってと言い。

 

「モシャスで化けてた俺を看破したのって普通にすごいでしょ? 見たところ占い師っぽい感じだったし、こう『迷惑かけたお詫びに知りたいこと占って』とか持ち掛けたらどうかなって。強い武器が手に入る場所とか聞いてもいいけど……そういえばちょっと気になってたんだけどさ、こう、ダイの額に紋章みたいなのが浮かぶけど、あれって何なのかなって」

 

 ああいうわからないことを聞いてみるのもいいかもねと俺は主張してみる。こう、誘導があからさまかもしれないけれど、それはそれだ。

 

「そっか、言われてみればこいつのモシャスを見破ったってのは確かにすげえな」

「そうそう、案外高名な占い師とかだったりするかもしれないし」

 

 ポンと手をうつ本物のポップの言葉に俺は頷いてから、残る面々を見回して視線と表情で同意を求め。

 

「そうね。言われてみれば、変身を見抜いたのは確かに凄いかも。ドラゴンキラーはもう無理でしょうし、それなら他に収穫が有った方がいいわよね」

 

 レオナ姫が納得した様子なのを見て、俺は胸中で秘かに胸をなでおろし。

 

「ただ、問題は俺達のことちゃんと話してないと、一緒に行くのが難しいんだよね」

「あ」

「まあ、そうだな」

「だからさ、俺達はここでこのまま留守番してるよ」

 

 残留すべくもっともらしい言い訳を作ったのは、相手が占い師とその見習いだからだ。

 

(ここでこっちの心の中とかを見透かされたら、シャレにならないもんね)

 

 原作知識とかを知られることは避けないといけない。そういう意味であの少女は俺達にとって最大の地雷だろう。

 

(まさか戦闘力以外の問題で会いたくない相手が存在するなんて)

 

 俺は心の中で空を仰いだのだった。

 




ふぅ、何とかメルル達に会いに行かせる流れに修正できたメラ。

次回、番外21「待ちぼうけ(A7視点)」に続くメラ。
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