ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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十一話「問いへの答え」

『バランを探す。あの時逃げたから、まだ生きてるかもしれない。そのままにすれば、カールやダイの元に現れるかもしれないし』

 

 大魔王の部下になることに頷いたのも、バランを撃退したのも俺だ。

 

『責任を取るなんて言わせてもらえるとは思ってない。けど』

 

 ここで投げ出すわけにもいかない。大魔王との話だっていまさらなしよとはいかないだろう。

 

『魔王軍に所属することで、内からできることがあるって俺はB達に教わった、だから』

『はぁ……』

 

 最後まで言うより早く返ってきた反応は、ため息一つ。

 

『どうこう言っても無駄そうなのはわかった。あと、黒の核晶だが……Aが思ってるほど気軽にバーンは使わないと思うが?』

『え?』

『地上消し飛ばしてもそのあと天界に喧嘩売るんじゃなかったか? その時の戦力にバランは期待できないだろ。その戦力をどうするかという話で大魔王はお前に目を付けたんじゃないかと思うんだが』

『え? え?』

 

 分体曰く、俺は爆破しようとするとしてももっと追い込まれてからだと思うと言い。

 

『爆破する前に声をかけておこう、ではなくてちょうどソロだし、A5を蘇生させられるかもと言えば乗って来るのではと思って声をかけたんじゃないか?』

『それって』

『おまえの読み違えだな。もっとも、俺もバーンじゃない。お前の読みの方が正しい可能性だって0ではない』

 

 呆然とする俺に至極冷静に分体は言い。

 

『いずれにしても、だ。時計の針を逆に動かすことなんて、どこかの魔法の砂時計でもなければできない。こうなった以上、本物ンケルを俺は追って合流し、ダイ達の元に引き返させる。あっちにも俺はいるだろうからな。情報を伝えたのち、俺もそっちに魔王軍入りする。それで魔王軍が見ていた場合の、さっきの追跡劇の説明にする』

『あ、うん』

『おまえはバランを探しておけ、A。非常に頭が痛いが、ここまで原作とずれてしまった以上、俺は原作の流れに戻すのは諦めた』

 

 じゃあなと言い残して分体はモシャスを唱えると鳥の魔物に戻って飛び立って行く。俺はしばらくその姿を見守り。

 

『あっちゃあ』

 

 あれが他の俺の総意ではないだろう。だが、一人に匙を投げさせたのは確かで。

 

『バラン、探そう……』

 

 俺は再び変身呪文を唱え、ひくいどりの姿で空へと舞い上がる。

 

(こう、他の俺に会ったらまたダメ出しとかされそうだけど、今は忘れよう)

 

 ただ、バランを探すことにだけ集中する。

 

(最有力候補は原作にあった何とかって岬だよな)

 

 詳細な位置はわからないが、岬と名がついている以上、海岸線をなぞっていけばたどり着けるはずで。

 

(漁村とかあったら聞き込みが出来ればいいんだけど)

 

 炎の闘気を纏ってる時点でこれは不可能だろう。

 

(レムオルで闘気だけ透明にできれば話は別だけど)

 

 レムオルは1パーティーに効果のある呪文なのだ。俺と合体した闘気の方をパーティーに所属してない別のモノとして扱うのは難しいと思う。

 

(となると、燃費は悪いけど透明になって盗み聞きか)

 

 効率は悪いが他に手もない。

 

(人がいるところを見つけたら軽く会話を立ち聞きして、収穫がなければ移動するって感じかな。魔法力の都合、あんまり長居出来ないし)

 

 ここまで複数回モシャスの呪文を使っているのだから。炎の闘気の分の魔法力があるからこそ今も動けているが、なかったらここまでくるにもどこかで休息は必須だっただろう。

 

(って、よくよく考えたらまだいくらか呪文が使える程度まで魔法力が減ったなら一度休息した方がいいか)

 

 バランは確か回復呪文が使えた筈。傷が癒えていて、発見後即戦闘なんてことになった場合、魔法力不足で返り討ちってこともありうる。

 

(適当なところで切り上げて休息を取ろう)

 

 メラゴーストに戻ってしまえば夜は目立つが、洞穴など雨露をしのいで隠れられる場所だってどこかにあるかもしれないし。

 

(ないならないで切り上げた場所の景色を覚えてからルーラで休めるところまで飛んだっていいし)

 

 確かカールに来るときに立ち寄った放棄された灯台は無人だった筈だ。あそこだって良い。

 

(……と、切り上げようと思ってると、漁村が見つかるとかね)

 

 空を飛びつつつい胸中で愚痴を漏らしたのは視線の先、海岸の近くに何軒かの家が建ち並び網らしきモノが干してあるのが見えたからだ。

 

(仕方ない、透明になってちらっと覗いて、有力な情報がなければルーラで戻ろう)

 

 収穫なんてないとは思うが、切り上げる理由にはなる。俺は地面に降り変身を解くべく進路を変えて降下し始めたのだった。

 





次回、番外23「再会(バラン視点)」に続くメラ。
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