ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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十四話「帰還」

「さてと、大魔王……戻ったらそこからはバーンさまって呼ばなきゃダメなんだろうけど、これから魔王軍の本拠地に戻ることになる、それはいいよね?」

 

 俺の確認にうむとバランが頷く。

 

「で、これから話すことはその後の予定だけど――」

 

 大魔王を通してのモノではないため予定変更があることは先に伝えておく。

 

「その上で、バランには勇者ダイ一行の元に威力偵察に向かってもらうつもりで俺は居る」

 

 そう口で言いつつ、思念波の方でお子さんに会いに行きたいでしょと囁く。

 

《当然だけどおれが魔王軍についたことは伏せてもらうし、勇者一行に重傷者や死人は出さないようにね? おれの考えは話したと思うけど、もしバーンがおれ達を欺いてたなら、大魔王を倒す必要が出てくる。勇者一行はその時、おれ達の力になると思うんだ。目的は大魔王の撃破で共通してるし》

《むぅ》

 

 加えて、魔王軍と戦ってゆく運命にあるダイ達は強くなっていかなければ今後の戦闘を生き残れない。

 

《ぶっちゃけちゃうと、バランにはお子さんとそのお友達を鍛えてほしいってことになるのかな》

《鍛える、か……確か今の勇者一行にはこちらを裏切ったヒュンケルやクロコダインも居るのだったな》

《うん》

 

 思念で肯定しつつ、俺はああそっかと一人で納得する。この世界のバランは勇者ダイ一行とまだ戦っていない。今のところ勇者一行の強さを計れるモノサシはモシャスで複数の良いところ取りをした偽ダイの俺を除くと、裏切り者の軍団長二人と言うことになるんだろう。

 

「手に余りそう? それなら、こっちで追加の戦力も出すけど」

 

 とはいえ真意を伝えた上で協力者に出すとなると、空の追いかけっこをしたあの分体くらいしかいない訳だが。

 

「不要だ」

 

 そう答えたバランに俺は原作知識から側近の三人を呼ぶんだろうなと密かに思う。

 

(これで、なくなりかけてたバランとの戦闘はタイミングが少し遅いけど埋め合わせは出来たとして)

 

 ハドラーが何か言ってきそうな気もするが、そこはダイ達と唯一ぶつかっていないバランをぶつけてどうなるかを確認したいと言うつもりだ。

 

《ああ、そうそう。たぶんお子さんは断ると思うけど、今の段階でこっちにスカウトするつもりなら、それは止めない》

《ほう》

《手心を加えて相手を殺さない理由づけに使えると思うから、さ》

 

 生き別れの息子で仲間になるかもしれないので殺しませんでした、とするなら大魔王側への言い訳にもなるだろう。それから俺は思念波でバランと幾らか言葉を交わし。

 

「なら、戻るとしよっか。この後のこと色々考えてたけど、おれ達だけじゃ決められないこともあるし」

 

 そう言ってからちらりと俺は先ほどの漁村を見た。思念波でこのまま去っていいのかと確認をとったが、戻って別れを告げるつもりはないらしく。

 

(まぁ、ダイ達への威力偵察も細かい指定はしてないしな)

 

 途中で立ち寄って話すことぐらいはできるだろうし、深く立ち入るようなモノでもないだろう、俺は部外者だし。

 

「それじゃ、行こう。ルーラッ!」

 

 直接移動できない以上、俺が飛べるのはキルバーンに送ってもらった場所までだが、魔王軍の監視の目が届いているなら迎えを長々待つ必要もないだろう。

 

◇◆◇

 

「やあ、早いおかえりだねェ」

 

 そして、俺の予想は的中した。着地すれば死神がすぐに姿を見せ。

 

「首尾はどうなんて聞く必要もないみたいだね」

「あー、うん」

 

 俺とバランが揃っているところを見れば一目瞭然だろう。

 

「ウッフフ、戻ってきたキミとバラン君を見た時のハドラー君の表情はちょっと楽しみだよ」

 

 どことなく楽し気に笑うキルバーンの言にハドラーの顔芸を思い出すが、まぁ、仕方ない。

 

(魔軍司令、か)

 

 正直自分がそうなる可能性なんて全く予想してなかった。師匠に弟子入りしてダイ達と修行して、最終的に勇者一行の仲間として大魔王戦に参戦する方がまだ想像できていただろう。

 

(その前にフェードアウトする気だったんだけど)

 

 何がどうしてこうなったんだろうか。

 

「バーンさまをお待たせするわけにはいかないし」

 

 そう前置きしてキルバーンは俺達を大魔王のところまで連れて行くと言い。

 

「うん。どのみち報告に戻ってきたんだから、おれに文句はないよ」

 

 覇者の剣が未だカールに預けっぱなしになってるわけだが、それはそれ。武器があるからこそ、カールはまだ襲われないだろうし、今はあちらに剣があった方がありがたく。

 

「ただし、ご案内は一人ずつに分けさせてもらうよ。リリルーラはルーラ程大人数を連れていけないからねェ」

「それ、先におれだけ連れていって、あとでバランを連れてきた時ハドラーがどんな表情をするか見たいだけだったりしない?」

「かもねェ、フッフフ」

 

 条件を付けた死神にもしやと思って尋ねれば、キルバーンは誤魔化すように笑い。そして俺は大魔王の元へといざなわれるのだった。

 




次回、十五話「顔芸再び」に続くメラ。

ここで、残念なお知らせをしないといけません。

闇谷の参照できる原作ですが、実は6巻までなのです。正確に言うなら、6巻までと11から14巻、16から最終巻までなのですが。

7巻はバラン戦の後半でして、ここを参照できないということはバランとダイの戦いを書くにあたって致命的なものとなりえます。

古本屋も回ったのですが、再アニメ化によって売れてしまってるのか、見つからず。連載を止めざるを得ないのです。

が、続きを読みたいと言われる方もいらっしゃるかもしれませんので、次回、アンケートを用意する予定でいます。

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