ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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番外27「抜かれた剣(ポップ視点)」

「バランが剣を……、って、おい! なにやってんだよ、ダイッ!」

 

 ダイがヒュンケルの野郎の技を放ったのは驚きだった。だが、まぁ、そいつあいい。いつの間にとかよりによって何であいつの技をなんてあのバランってのを相手にしてる今聞く様なことじゃねえ。それより問題なのは、技を放ったと思ったらダイが呆けたように動きを止めてしまったことの方だ。

 

「あっ」

 

 おれの言葉で我に返ったんだろう、すぐに突き出した剣を引き戻すダイの向こうに鞘から剣を引き抜いたバランが見えた、見えたんだが。

 

「刀身が折れて、る?!」

 

 短い刀身の剣だ、なんてのはありえねえ。鞘と剣の長さが一致しねえし、一応これでも武器屋の倅だしな。見間違いでもねえはずだ、けど。

 

「ぬうううううん!!!!」

「げぇっ?! お、折れた剣でうけとめやがった……!!!」

 

 俺が知らない間に使えるようになったとは言え、あのヒュンケルの技に電撃呪文まで乗っけてるってのに。

 

「剣で電撃呪文のエネルギーを吸収してるわっ!!」

 

 姫さんがダイの技を受け止めた理由の一部を語ってくれるが、折れてるにもかかわらずそんなこと出来るなんて、どんな剣と持ち手だってんだ。

 

「そ、そんな……」

「く、よもや治らぬこの剣を使うことになるとはな」

 

 衝撃を受けている様子のダイだったが、折れた刀身を見て微かに顔をしかめた辺り、剣を使ったのはバランの方にも不本意だったってことか。

 

「威力に間合い……その技、まだ覚えて間もないものと見た。でなくては、さしもの私も折れたこの真魔剛竜剣で受け止めるのは厳しかったはずだ。虚を突こうとして慣れぬ技を使ったのは失敗だったな」

 

 そう言いつつもバランはだがと続けた。

 

「よくぞここまで竜の力をあやつった……!! 普通、竜の騎士は成人するまで己の意思で紋章の力をコントロールできないものだが……よほど良い師、良い戦にめぐまれたのだな……!!」

「っ」

 

 ただ褒める、認めるだけなら別にいい。だが、バランは言いつつ折れた剣を振りかぶろうとしていて。

 

「その闘気と敵の虚を突く機転に免じて……見せてやろう! 折れた剣と言えど、真の竜の騎士が天をあやつった時の力がどれほどすさまじいかをなっ!!!」

「っ、ダイ! やべえっ――」

 

 おれにだってわかる、ダイの一撃を受け止めやがったあいつの本気の一撃ってなりゃ、とんでもない一撃になることは。それに。

 

「あいつ、剣が折れてることとかその一撃で強引に誤魔化すつも」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、ポップ君!!」

「っと、悪ぃ」

 

 俺がもっともだと姫さんに謝った直後だった。ギガデインと叫んだバランの剣に雷が落ち。

 

「ああああっ!?」

「うおおおおおーッ!!!」

「ちいっ、メラゾーマッ!」

 

 驚くダイの元へ地を蹴ったバランが迫るのを見て、俺はとっさに呪文を放つが。

 

「無駄だッ」

「な、全く効い」

「ギガブレイク!!!!」

 

 効いていねえと言うまもない。呪文の炎から無傷で姿を現したバランの一撃がダイの防具を砕き、足元で生じた爆発がダイの身体を空高く打ち上げた。

 

「ダイッ?! バッ、バケモノめ! よくもダイをやりやがったな……」

 

 ちくしょう、さっきのメラゾーマで些少なりとも勢いを弱めるくらい出来てたら。

 

「こっ、こうなったらダメでもともと……ありったけの呪文を……!!」

 

 考えりゃ、竜の騎士って言うくらいだドラゴンが吹くような炎に強い耐性を持ってるのかもしれねえ。ヒュンケルの野郎の鎧にだって電撃呪文は効いたんだ。手当たり次第呪文を使やあ、弱点を突ける可能性だってあるかもしれねえ。おれがそう思って進み出ようとした時だった。

 

「待てっ!!!」

 

 おれの背後から影が差し。

 

「早まるなポップ。その男の相手はオレがする!!!」

「あああっ……!!?」

 

 聞き覚えのある声に振り返ったおれの顔が緩んだのもきっとむりはないはずだ。

 

「獣王クロコダイン!!!」

 

 苦戦していたところに力強い援軍が来てくれたんだ。

 

「あっ、ありがてェッ! クロコダインのおっさんよぉっ!!」

 

 嬉しさのあまりおれはクロコダインのおっさんに歩み寄り。

 

「ヤバイとこだったんだ。あんたが来てくれりゃあ百人」

 

 掴もうとその手へ両手を伸ばし、触れて気づく。

 

「お、おっさん……ふ、ふるえてるのかよ……!!?」

 

 思わず顔を上げると見えたのは、無言のまま険しい顔をした姿で。

 

「……クロコダインか。いかに貴様でもこの私と戦ったらどうなるかわかっていると思うが……」

「……死ぬ、だろうな」

「えっ」

 

 だがそんなことは覚悟の上と言うおっさんの告白はまさに衝撃だった。

 




「……クロコダインか。いかに貴様でもこの私と戦ったらどうなるかわかっていると思うが……」
「……『ぐわああああーッ』する、だろうな」
「……おっさん、何だよ『ぐわああああーッ』するって!!」

 あと打ち間違えに総ツッコミ頂いたので、直したうえでこっちにコピペしておきますね。(白目)

「お、おっさん……ふ、ふえてるのかよ……!!?」
「この季節になるとな」

次回、番外28「戦慄!! 竜闘気!!!(ポップ視点)」に続くメラ。


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