ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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番外28「戦慄!! 竜闘気!!!(ポップ視点)」

『メラメラ、メラ、メラメラ』

 

 そして、その直後に聞こえた声は、何と言うかタイミングが最悪だった。こう、おれが鬼みてえ強えクロコダインのおっさんがビビって死まで覚悟するほどって聞いて、あのバランってのが一体どのくらい強いんだって戦慄したとこだってのに、緊張感が半分くらいどっかに飛んでっちまった。

 

「いや、わかんねえよ!」

『メララ?』

 

 ったく、ダイといいヒュンケルの野郎と言い、どうやってこれを理解してんだ。おれだってメラ公とはダイより一緒に居た期間は長えってのに、何言ってんのかさっぱりわからねえ。

 

「まあ、状況からすると、『遅くなった』とか『大丈夫か?』とかそんなとこなんだろうけどよ」

 

 それはそれとして、メラ公の分裂した一人だろうこいつの加勢もありがてえ。

 

「おれも戦うぜ! おっさん!!」

 

 そう申し出てからおれは後ろを振り返る。

 

「姫さんはダイを頼む、メラ公の分体のコイツもモシャスすりゃ、回復呪文はつかえるだろうけど、どうしても一手かかるし、モシャスしたとしても、水ん中に行けってのはな」

 

 ダイが吹っ飛んだ先は湖だった。水柱も上がったし、水の中に入らないといけねえとなると、流石に本性が炎の身体のメラゴーストにゃ頼みづれえ。

 

「わ、わかったわ」

「頼むぜ。えっと、メラ公の分体のお前にゃおれと一緒におっさんの加勢を」

「ムダだ!」

「えっ?!」

 

 頼むぜと言う前におっさん自身が口にした否定におれは驚きの声を上げる。

 

「……どういう理屈かは知らんが……この男には呪文のたぐいが全く通じないのだ!」

「ああ、それでさっきのメラゾーマは……」

 

 言われて思い出したのは、おれがさっき牽制に放った呪文だ。確かにあれも全く効いちゃいなかった。

 

「そうか、既に呪文をぶつけていたか。とにかくそう言うことのようなのだ。素手か武器による直接攻撃以外はおそらくダメージを与えられまい!!」

「……さすが獣王、見抜いていたか……」

 

 そしておっさんの推測を肯定するようなことをバランが口にし。

 

『メララ! ふぅ、つまり……直接攻撃できる姿なら加勢も問題あるまい?」

 

 ポンと煙を生じてメラ公の分体はヒュンケルの野郎そっくりに姿を変えた。

 

「……戦力外はおれだけかよ」

 

 メラ公みてえにモシャスの呪文が使えるようになりゃ。どうしてもそう思っちまう、が。

 

「……ダイをたのむ」

「わ、わかったよ」

 

 今は悩んだり悔やんでる場合じゃねえ。ダイのことだって気がかりだ。クロコダインのおっさんに背中を押されておれは姫さんの後を追いかけ。走る間、後ろからおっさんとバランの会話が断片的に聞こえていた。なんでこっちにおっさんが味方するのかをバランは問い、それにクロコダインのおっさんが答える。だいたいそんな感じだろう。

 

「待っててくれよ、おっさん」

 

 別におっさんがあっさりやられると思った訳じゃねえ。あっちにはメラ公の分体だっているんだ。

 

「一刻も早くダイを助ける」

 

 それがおれ達のやるべきことだとわかっていた。だから、何があっても振り返らず湖に向かうつもりだったってのに、気になっちまったからだろう。湖の縁まで来たところで、おれはつい振り返って。

 

「く……首を吹っ飛ばしたあッ!?」

 

 目にしたのはおっさんの斧がバランの首に命中した光景。だからつい叫んじまったが、バランの足元に音を立てて落ちたのはおっさんの斧の欠片で。

 

「な、なんだ!? 斧とバランの間に光り輝く気流のようなものが見える……!!」

「これぞ竜の騎士最強の秘密……竜闘気!!!」

「「竜闘気!!?」」

 

 初めて聞く単語におれやおっさんが声を上げる一方。

 

「オレを忘れて貰っては困るッ!」

「ぬんッ!」

 

 一人驚愕に付き合わず斬りかかったメラ公の分体にバランは腕を振るって剣をはね上げた。

 

「っ、素手で剣を、ぐああッ!!」

 

 そのまま流れるように剣を弾いた腕でクロコダインのおっさんを突いて吹っ飛ばし。

 

「ちいっ」

「この竜の紋章が輝くと私の身体は竜闘気と呼ばれる生命エネルギーの気流におおわれるのだ」

 

 拙いと見て後方に飛んだメラ公の分体を一睨みしてから始めたのは、まさに自分の力への説明だった。

 

「全身を鋼鉄の様に強化しあらゆる呪文をはね返すぅ?!」

 

 とんでもねえ効果だ。しかも、魔法使いのおれにとっちゃ敵に回したら最悪の能力じゃねえか。

 

「……そしてこの竜闘気を全開にし、その威力をもって戦えば……」

「っ、やべえ、おっさん!」

 

 反撃に転じる気だ、そう思って声を上げたおれの予想は正しく、バランは地を蹴るとおっさん目掛けて襲いかかっていったのだった。

 

 




本作主人公とかですが、普通の人間がしゃべってるところ聞くとあんな感じです。

次回、八話「ただいま」に続くメラ。
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