ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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四話「信賞必罰2」

「ダメ元でもやってみるものね」

 

 などとはとても口には出せなかったが、蘇生が成功したモンスターが出たのは驚きだった。勿論ザオラルの方ではなく、俺の血によっての蘇生だ。

 

「モシャスが解けたら効果も切れるとかだとまずいもの」

 

 そう主張して復活した魔物たちは傷一つ残らないぐらいに回復呪文をかけておいた。

 

「この度は生命をお助け頂きましたこと、感謝にたえません」

「この御恩は忘れませんっ」

 

 前世の土下座に近い恰好で俺に感謝の意を伝えるのは、短剣と鞭を持ったサタンパピーという種の魔物が一体、杖を持ったようじゅつしという術士系の魔物が一体だ。竜の血で生き返ることが出来たのはこの二体というか二人だけで、レオナ姫にモシャスしたシロコダインのザオラルで生き返ったのが、きとうし、まじゅつし、バルログが各一人とそれにサタンパピーがもう一人。血が効果のなかったモンスター全てにザオラルをかけているので、蘇生率は40%前後といったところだろうか。

 

「やあねぇ、同じ魔王軍でしょ? 蘇生手段があったらアナタたちだって同じことをしたでしょうに」

 

 恩に着せるつもりはあるが、あからさまにそんなことをする気はさらさらないので、表面上は気にしてないよと言うポーズを俺は取り。

 

「く、こんなお方が魔軍司令でよかった。ではせめてこれをお持ちください。我が家に伝わる帽子です」

 

 感極まった様子で悪魔の一人が差し出してきたのは、やたら目玉の付いたとんがり帽子。不思議な帽子という奴だろう。

 

「あ」

「どうかなされましたか?」

「ううん、なんでもないわ」

 

 そういえばゲームだとコイツ帽子目当てで乱獲されるんだっけと思い出したのだが、流石にそれを当人の前でいう訳にはいかない。

 

「ただ、その帽子については気持ちだけもらっておくわねぇん? ホラ、アタシの正体って炎みたいなモノだから」

 

 モシャスが解けた時にうっかり燃やしてしまっては申し訳ない。そんな理由で献上品は断った上で、俺は話は変わるけど、と切り出す。

 

「アナタたちはこの後どうする?」

「どうする、と申されますと?」

「アナタたちの所属って妖魔師団じゃない? だからこのまま戻るならザボエラ殿のところになるんだろうけれど……今、この辺りは悪魔の目玉を結界で追っ払ってるから、アナタたちが生き返ったことを知ってるのは、アタシとそこに居る鏡面衆の二人だけなのよぉん。だから、今なら魔王軍を抜けて故郷に帰ったりすることもできるし、自分の生き方は自分で決められるんだけど」

 

 俺だったら、ザボエラの元に戻るのは御免だ。魔軍司令が脱走しても見逃すよと仄めかしたなら、恩に感じつつここで脱走を選ぶだろう。死んだとみなされてるから追っ手もかからないわけだし。

 

「ならばトゥース様、貴方に仕えさせていただきたい」

「私も」

「自分もです」

 

 だが、モンスター達はあっさり俺の下につきたいと言い出した。

 

「アラ、いいの? アタシ、割と人使い……モンスター使い荒いわよ?」

「「構いません、どこまでもお供します」」

 

 チョロすぎて怖いというか、ちょっと引くレベルというか、忠誠心が高いというべきか。

 

「そう、だったら……貴方たちは魔王軍からももう存在を認知されてない集団、虚影衆とでもしておきましょうか。虚影衆としてこれから動いてもらうわ」

「「はっ」」

「良い返事ね」

 

 表面上は平静を取り繕う俺だったが、ぶっちゃけ彼らにやらせることはまだ決まっておらず。

 

「それじゃ、貴方たちに最初に言い渡す任務は、魔王軍からの離反と雌伏、そして修行よ」

「は?」

「んー、やっぱりそれだけじゃわからないわよねぇん? 魔王軍から認識されてない特性を最大限に活かすために魔王軍とは独立した勢力としておきたいのよ、その上で存在を暫く秘匿しておきたい。加えて、行動するにあたって貴方たちにはもっと実力をつけて欲しいのよ。最低目標で一つは極大呪文が使えるぐらいに」

 

 独自戦力として動かそうにも流石に申し訳ないが、今の彼らは力不足なのだ。最強格であろうサタンパピーはメラゾーマとベホマラーが使えるという意味で及第点に近いが、他の面々は、うん。

 

「きょ、極大?!」

「わ、われわれに……我々にできるのでしょうか?」

「不安に思うのはわかるわ」

 

 正直ギラくらいしか使えない最弱のモンスターにはきつい気もする。

 

「けど、それを言うなら、アタシなんてメラゴーストなのにベギラゴンとかイオナズンが使えるのよ?」

「っ、すみませんでしたっ」

「私達が間違ってました」

 

 説得力があったのか、あっさり謝ってくる彼らを見る俺はちょっと複雑だった。

 




次回、五話「信賞必罰3」に続くメラ。
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