ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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 そう言えば時折誤字報告で「生命→命」のような誤字報告を見かけますが、これ原作リスペクトなので敢えて削除してます。

*原作では「いのち」を「生命」、「きせき」を「奇蹟」と表記するので、本作もそれに準じてるのです。(命になったりしてる部分があったとしたら、そっちの方が作者のうっかり)



十一話「女王様と一緒」

「はぁ……」

 

 何にせよ想定外のところで時間を浪費してしまったこともあり、加えてこの魔改造アルビナスを野放しにしてゆく訳にはゆかず、俺は嘆息しつつもこの新たな部下を従えて、ザボエラの元へと歩き出していた。

 

「強くはあるんだけどなぁ、うん」

 

 そんなことを口に出したら調子に乗りそうな気がするから伏せておくが、はっきり言って新しいこの部下はシャレにならないくらい強い。まず、三人が合体してることで魔法力は合計で分体三人分の上にその魔法力を融通しあえるのだ。ただ胸がでかいだけじゃなく、魔法力の増強タンクのようなモノでもあり、総合的な魔法力はA5の分も使える俺をしのぐ。

 

「しかもなあ」

 

 胸自体が先ほどしゃべっていたことからもわかる通り、左右の胸の膨らみがそれぞれ呪文を使えるため、一度に三つの呪文を唱えることが可能。どこかの大魔導士の弟子が寿命を代償に一度に三発のメラゾーマを原作では放ってたが、あれを代償なしで使えるわけだ。その上オリハルコンのボディだから効く呪文は殆どなく、呪文の撃ち合いになった場合これほど嫌な相手はそう居ないだろう。俺の分体であるから当然反射呪文にいくつかの補助呪文も使えるわけで、反射呪文のマホカンタと防御力増加呪文のスカラと攻撃力倍加呪文のバイキルトをほぼ同時に使えるというぶっ壊れ性能の持ち主でもある。

 

「おーっほっほっほ、どうなさいまして、トゥース様?」

「いや、何でこうも女王の駒にだけ人気が集中したのかなって思ってさ」

 

 女王の駒へ注ぎ込まれることに比べると他の駒を希望する分体は凄まじく少なかった。

 

『ナイト? ああ、俺マホカンタは自前で唱えられるし、その』

 

 原作知識を大ぴらにできないからこそその先は言わなかったが女王の駒注入争奪に負けたその分体の口の動きから続きを察すると、どうも馬面はちょっと、ということらしい。

 

「他の駒もオリハルコンだし、悪くないと思うんだけど」

「おーっほっほっほっほ、何を気にしておられるかと思えば、理由は色々ありますけれど、一つはこれ、ですわ」

 

 そう言って女王がこれ見よがしに持ち上げたのは、大きい大きい胸の膨らみだった。

 

「胸?」

「そうですわ。皆様同じ分体だけあって、発想は同じだったようですのよね。一つの駒に複数の自分が注入されるにはどうすればいいか。厳密に言うならば、一つの駒に複数の自分が入ってどうすれば不自然に思われないか、ですけれど……元を正せばトゥース様ですのよ」

「おれ?!」

 

 思わず聞き返した俺に女王の駒は語る。発想の元は合体した俺とA5だと。

 

「通常の吸収合体とは違うイレギュラーな合体によるパワーアップ。トゥース様のような事例は生命がけの上に成功する保証はない。それと比べるなら、駒へ複数の自分を注ぎこむ方は、比較的安全」

「まさか……」

「そう、趣味や趣向で女王を選んだのではなく、他の駒では合体した他の方が自然に宿れそうな場所が思いつきませんでしたのよ」

「ちょ」

 

 まぁ、言われてみれば他の駒の親衛隊になった姿の一部が異常に膨らんでいたら、不自然ではあるし、見た目としてもよろしくないだろう。しいて言うなら城塞の肩アーマー部分くらいだろうが、好き好んで鎧なんて真っ先に攻撃の当たる部分に宿りたい奴もいないだろう、俺の分体ならば。

 

「しかも、胸と言うのがまた素晴らしい。ジロジロ見られればそれを非難する理由がありますもの。これを用いれば、胸が別の意思をもって自立行動をさせることができるということの発覚をギリギリまで遅らせることも難しくなくてよ」

「へ、へぇ……」

 

 得意げに語る女王の言に俺の視線はどんどん遠くなる。

 

「とりあえず、バーンさまにはその解説しないようにね」

 

 大魔王は強い者を尊敬する人物だったと思うが、強くなる為に別の自分をおっぱいに宿したこいつを見てどう思うかまでは予測できないし、この話を聞いた魔王軍上層部の面々が俺を見る視線を想像したくない。もっとも、大魔王の元から離反し戦うことになることも視野に入れるならこいつのぶっ飛んだ能力のいくつかは秘匿しておきたいというのもあるが。

 

「よろしくてよ、トゥース様がそうおっしゃるのでしたら」

「……これ、希望者の少なかった駒は普通に作るべきだろうか」

 

 いちいち全部作ってると時間がかかりすぎると無駄に人気のあった女王だけ先行して作り上げてみたわけだが、女王がコレなのだ。

 

「とはいえ、作るのが俺となるとなぁ」

 

 原作のハドラー親衛隊のような性格にはならないだろう。鏡面衆のアレ具合からしても、元が俺でも環境次第ではどうしてこうなったとしか言いようもない変貌を遂げても、もう俺は驚けない。

 




と、言う訳で実は原作よりぶっちぎりで強いアルビナスの能力一部公開の巻でした。

ただ、自重が増したことで素早さだけはオリジナルに大きく劣ります。

次回、十二話「ザボエラとの交渉」に続くメラ。
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