ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

202 / 256
十五話「合流」

「本来なら新たな部下を全員そろえてお目にかけたいところですが、何分勇者一行の動きも気がかりでして、まず女王が完成したことだけでも報告させていただきたく」

 

 原作のハドラーなら五人そろえてからお披露目と言う方をとっていたが、状況が状況だ。俺は大魔王の元を訪れると、左右にミストバーンとキルバーンを控えさせた大魔王へ頭を下げ、後ろでかしづく魔改造アルビナスを一人目の新たな部下であると告げる。

 

「……ふむ」

 

 大魔王が声を発すまでに短い沈黙が有ったのは、やっぱりアルビナスの胸が原因だろうか。

 

「この女王・アルビナスはハドラー殿から教授された禁呪法とおれ独自の発想を合わせて作ったものです。大きな胸部についても相応の理由があり……アルビナス」

「承知いたしましたわ」

 

 俺の声にアルビナス、厳密に言えばセンターアルビナスが応じると、左右の胸の膨らみが同時に変身呪文を唱え。

 

「……へえ」

「……ほう」

 

 変身呪文を使用した時特有の煙を発生させ突如二人目の前の人物が増えてもあまり動じた様子を見せなかったのは、さすが死神と大魔王と言うべきか。ミストバーンに関しては、声すら発さず顔も見えないので、驚いているかどうかの判別は付きづらく。

 

「三位一体、先行して女王のみの完成となった理由もこれにあります」

「なるほど、一人で三人分の戦力となれば、真っ先にお主が完成させたのも頷ける」

 

 実際は、作った後ででっち上げた後だしジャンケンみたいな理由だったのだが、理にかなっていたからか、大魔王には納得してもらえたらしい。

 

「想定外の理由で途中帰還することになったおれとしては、バラン殿のところにも戻らねばなりませんし」

「ふむ、そう言えばお主は勇者一行にヒュンケルの姿がないことを疑問に思い、所在を知るために戻って来たのだったな」

「はい、ザボエラ殿と協力し、ヒュンケルも捕らえましたので、もう後顧の憂いはありません」

 

 実際はヒュンケルをどうやってどのタイミングで逃すかとか問題は色々あるのだが、魔王軍から見た場合残りの駒から部下を作る件くらいなので、敢えてそう言い。

 

「ああ、それから。実はヒュンケルを捕らえた件でザボエラ殿と話をしたところ、ザボエラ殿が独自の呪文を伝授してくれるということになりまして……この呪文、一見の価値がある素晴らしい呪文と思いましたので、出来ればバーンさまの前で披露させていただきたく」

 

 ザボエラに言っていた呪文のデモンストレーションについてもきっちりと報告しておく。俺がダイ達に頼らず大魔王を討つなら、あのマホプラウスは必須の呪文なのだ。もっとも、原作にない使い方をするので、うまく行くかどうかの検証は必須だが。

 

「ほう、お主がそこまで言うほどの呪文があるか」

「はい。ただ、現状ではどれほどの破壊力になるかがまだ分かりませんので念の為、空に向けて放たせていただきたく」

 

 死の大地を消し飛ばしてバーンパレスに損害を出すわけにはいかないし、バーンをどこかに連れだして披露するという訳にもいかない。後者については、人間の城に試し撃ちしてみろとか言われないだろうから俺にとっても都合がいいのだけれど、それはそれ。

 

「よかろう。余も興味がわいた」

「ありがとうございます。先行して鏡面衆の一人に伝授して貰う様ザボエラ殿には要請しておりますので、早ければ次に帰還した時にはお目にかけることが叶うかと」

 

 大魔王が頷くのを見て、これでザボエラももう拒めないだろうと密かに安堵し、そこから大魔王と二言三言交わしてから、俺は大魔王の前から退出する。

 

「次はドラゴンキラーの加工、となるともう一度確認とっておく必要があるな」

 

 文官達の仕事場経由で分体達に誰かドラゴンキラーと一体化してくれないか、と聞くわけだが。

 

『じゃあ、俺が協力するよ』

 

 希望者はあっさり見つかった。

 

「いいの?」

『合体も分裂もできなくはなるけど、メラゴーストのままより強くなれるのは確かだし、それに――』

 

 そこから先を希望者である分体は濁し。

 

「じゃあ、悪いけどすぐにとりかかるよ。こっちもバラン殿の元に戻らないといけないし」

 

 断りを入れてその分体を連れていった先は、先にハドラーに禁呪法を教授された部屋で、俺が逃げ出したからかハドラーはもうおらず。

 

「もう一度聞くけど、本当にいいの?」

『うん』

 

 頷いたその分体が、ヒュンケルの部下だったメラゴーストから別れた固体だったことを辛うじて聞き取れる程度の声で明かしたのは、この時で。

 

「そっか」

 

 団長の側に居たいというのであれば、理由としても頷けたし、止める理由もなかった。

 

「ふぅ、二度目ともなればまぁ、こんなものか」

 

 女王を作ったときよりははるかに楽に完成させた新たな魔法生命体を俺は拾い上げる。

 

「言うまでもないと思うけど、きみはドラゴンキラーそのものにもこうして姿を変えられるから」

 

 武器に話しかける姿はシュールだが、武器に化けられるというこの能力、割と使い勝手は良いのではないかと声に出さず自画自賛する。

 

「ただ、名前は思いつかなかったから適当に自分で決めておいて。プレイハードにでも伝えておいてくれればこっちにも伝わり次第その名前で呼ぶし」

 

 ネーミングセンスに自信が無いというのもあるが、申し訳ないことに今の俺はそんなことに時間を割いてる余裕がないのだ。バランと合流すれば、すぐダイ達をどうするのかと言う問題と直面するのだから。

 




ぎゃああ、合流まで行けんかったーっ!

次回、十六話「迫られる選択」に続くメラ。

あ、ドラゴンキラーな新人の名前は読者のみなさんから公募しようかと考えてます。

たぶん活動報告の方にでも出番が来る前に記事作成して、迷ったらそこから候補搾ってアンケートの流れかな?

べっ、別にいい名前が思いつかなくて匙投げたとかじゃないんだからねっ

と言う訳で、名前の応募は活動報告の方の記事にお願いします。
(感想のガイドラインに抵触するかもしれないので)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。