ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね 作:闇谷 紅
「おーっほっほっほっほっほ」
俺は、高笑いを続けていた。バランとレオナ、そしてクロコダインや兵士達の視線を一身に浴びて。視線を受ける中で、介入するタイミングを間違えたかなと思い始めていたが、後にはひけない。
「わたくしの突然過ぎる登場に言葉もないようですわね。ですが、許して差し上げてよ」
ここは敢えて唯我独尊で行くべきと回りの目を気にするそぶりは見せず、俺は自然な歩き方で脇に退く。槍を向けた兵士がバランにずんばらりんされるのを座視できなかったがために、おれが着地したのはバランとレオナたちのちょうど中間だったのだ。
「アル……ビナス?」
「クロコダイン、知ってるの?」
「いえ」
今の俺の姿の名を反芻する獣王にレオナが尋ねるもクロコダインはすぐさま頭を振り。
「き、貴様は何奴だ?」
顔をこわばらせた兵士がこちらに槍を向けるのを見て、俺は胸中でしめたと笑む。
「わたくしに槍を向けましたわね」
介入理由には十分すぎる程だった。
「がっ」
「ぐはっ」
石畳を蹴って肉薄すると、一応手加減した左右の腕の一撃で殺さないように注意しつつ兵士を倒し。
「「な」」
「わたくし、手出しするつもりはありませんでしたけれど、そちらが戦うつもりなら話は別ですわよ」
わずかな間の出来事に目を見張るクロコダインとレオナにそう告げると、俺は意識を失った兵士たちに触れたままルーラの呪文を唱える。目的地は城の屋上だ。そこで倒した兵たちを横たわらせ、再び瞬間移動呪文で城の前へと戻る。
「ふぅ、お待たせしましたわ」
「アルビナスと言ったな……」
「ええ」
着地するなり声をかけてきたバランに俺は頷きで応じた。
「先ほども言ったとおり、わたくしはただの見物人。こちらに武器でも向けられなければ、どちらかに加勢するつもりはございませんわ。あの兵士たちも捨ててきましたけれど、命まではとってなくてよ?」
「そうか、ただ見ているだけなら構わん。すきにするがいい」
巻き添えになりそうな兵士は隔離できたし、俺としてもこれ以上介入する理由はない。
「ディーノを渡してもらおうか」
「……いやよ!!」
向き直るバランの視線を受けてレオナが拒絶し。
「フム……たった二人で私をはばめると思っているとしたら、これまでの戦いがまるで教訓になっとらんということか……それとも」
何か策でも出来たかと問うバランにクロコダインは笑んだ。
「まあ、一応な」
「何?」
『おまたせ』
『あー、やっぱ始まってる』
微かに眉を動かしたバランの背後とクロコダイン達の背後に現れたのは、俺の分体が一人ずつ。
「くっ」
バランの顔が歪んで後方の分体を気にするが、前に愛剣の刀身の一部を消失させられているのだ。警戒するなと言う方が無理であり。
「よもやこんな策を……そう言えば策で思い出したが、来る途中あの時も見かけた魔法使いの少年が足止めに来たな。竜騎衆に任せ一足先に来たが……」
「ま、まさか……!!」
「ポップ!!」
わざと嫌われて一人足止めに向かったポップのことをレオナとクロコダインはバランの言で漸く知る、そこは原作通りの流れで、だがこの場にはいくつかの差異がある。
「あなた達、悪いけどどっちかポップ君の加勢に」
一瞬、レオナの視線が俺の分体に向いたのはそう言いかけたのだろう。
『モシャス。姫様安心して、ポップには他の俺に念の為尾行してもらっておいたから」
「え」
「師匠の弟子ってだいたいそんなだからさ」
姿を変えた俺の分体は苦笑しつつ肩をすくめ。
「ワ~ッハッハッハッハッ!!!」
「なるほど、想定通りだったという訳か」
堪えきらないように笑い出した獣王にバランが若干顔を渋くするが、横目で見たクロコダインの目にうっすら涙がにじんでいるところを見ると、原作同様ポップを誤解したことへの自嘲と助っ人が向かったと聞いての安堵があったんだと思う。
「バラン!! 勝負だっ!!!」
ならばここからは自分の番だとでも言うかのように獣王は斧を構え。
『スカラ』
小声でクロコダインの後ろの分体が呪文を唱えたのを俺は見た。ただでさえタフなクロコダインに防御力増強呪文をかける。つまり凄まじい壁の誕生であった。
「ぬおおおおおーッ!」
「ムウッ!!!」
振るわれたクロコダインの斧とそれを遮るバランの剣が激しくぶつかり、強い踏み込みが石畳の表面を砕いた。
原作と比べるとぬるめの絶望感、そして見物人が一人。
こっそり補助呪文とか卑怯。
次回、四話「我が身を盾に2」に続くメラ。
尚、募集してた新キャラの名前についてのアンケートを開始しました。
登場までお話が進んだ時点で最も得票数の高かった名前で登場することになります。
(同得票数複数の場合はこちらでその中から決めますが)
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