ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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十話N&C「勇者一行の敗北」

《息子さんが巻き添えになるかもしれないからこのまま暫く相手をする》

 

 竜魔人状態のバランに通じるかは疑問も残ったが、思念波でもそう伝えたところこちらの行動理由については了解した旨の答えがバランから思念派で返ってきた。そも、原作の方でも竜魔人になってからも会話は成立していたし、戦闘に関する部分以外に頭が働かないという訳ではないのだろう。戦闘に関係した部分が反射的に敵を全員皆殺しするモードに入っているようなモノで、この状態のバランとやり合っても殺されなければ会話は可能であると。

 

「まぁ、言葉が交わせて……もっ、当人も身体が戦うのを止められないんじゃ、どうしようもないわねぇん」

 

 独り言を口にする間にもバランの拳や蹴りが俺を襲い、気の休まる暇なんてない。それを俺自身無限に抑え込める自信なんて皆無だから、言うしかないのだ。

 

「連れてくる気はないってことでいいのかしらん?」

 

 と。そして、見切りをつけて去るべきだ、魔軍司令であり続けるなら。今ここで魔王軍から離反しようものなら鏡面衆や文官を手伝う分体達も苦しい立場に置かれる上、ヒュンケルを逃がすことも厳しくなるし、勇者一行以上の脅威が誕生したとなれば、原作でダイ達に差し向けられたのとは比較にならない戦力が俺に向けられることもありうる。

 

「でぇいッ!」

「ぐっ」

 

 先の未来に思考を傾ける間もバランの攻撃は止まらない。振り下ろされた手刀の一撃を受け止めると抜ける衝撃に俺の顔は歪み。

 

「拙っ」

 

 バランの額が輝いて慌てて身体をそらすと殺傷力を持つ光が左の肩を掠めて行く。

 

「くうぅっ、アンタたち、どーすんのか早く決めなさいよ!」

「くっ……くそっ……!」

 

 あちらとしても葛藤してるのは解かるが、どうしても声は荒くなる。だが、それで決意が決まったのかポップの声に続く足音が門の方へと遠ざかり始め。

 

「これで、バランも止められる」

 

 俺は少しだけほっとした。状況の打開策は見つかっていないが、バランがダイの顔を見れば、少なくともこのままバランの相手をしなくてよくなるのだ。防御に思考を割かなくていい分、起死回生とでも言うべき案を思いつけるのではと思ったのだ、そして。

 

「……ディーノ!」

 

 ポップが再び城門から姿を見せた時、俺を殴っていたバランの動きが止まった。バランの視線はダイに向いたまま、俺を無視して城門の方へ降りて行き。

 

「ルーラッ」

「は?」

 

 バランがダイの元にたどり着くより早くポップは瞬間移動呪文でダイと共に空へ舞い上がった。

 

「ポップ君?!」

「ポップ?!」

 

 レオナもクロコダインも驚きの声を上げて飛び去る軌跡を目で追ってるところからすると、今のルーラはポップの独断。そして、少し遅れてその意図も理解する。

 

「なる程ね、ダイちゃんが居なくなったら、パプニカには用もない、ってとこかしら」

 

 殆ど反射であろうが、バランが再び飛び立ってポップ達を追いかけている光景を認めた俺も慌てて後を追う。そう言えば原作のポップはクロコダインにダイを連れて逃げろと言われて城門へ近づこうとしたところへバランの紋章閃を受けて倒れていた気がする。こちらでも獣王が同じことを言ったなら、連れて逃げたことに不思議はないし、バランと俺が自分たちを追いかけて来れば残された面々は助かると思ったんじゃないだろうか。少なくとも町やお城の被害はこれ以上でないであろうし。

 

「ともあれ」

 

 バランもダイ達も放置できないので、一応ポップの目論見どおりになったと言っても良いとは思う。だが、問題はここからだ。ポップが俺達に追いつかれた場合、どう動くかが未知数なのだ。俺の到着が遅れた場合、バラン相手に自己犠牲呪文を使うかもしれないが。

 

「見えた!」

 

 俺がポップ達の後を追ったのは、バランが飛び立って十数秒後。だからまだ戦闘にはなっておらず。

 

「……おじさんなの? ぼくを呼んだのは……」

「……そうだ」

 

 俺はダイとバランが言葉を交わす様子を視界に収めつつ、少し前で着地すると、物陰に隠れた。同じ格好の俺があそこに混ざるとややこしいというのもあるが、半端なところでモシャスが切れそうな気がしたというのも理由の一つであり。

 

「あっ、まさか――」

 

 少なくともダイ達の会話で少しは時間が稼げると物陰に引っ込みモシャスをかけなおすつもりでいた俺は、とあることに気付いて物陰から顔を出し、確認してしまった。本来ならいつも一緒に居る金ぴか有翼スライムが二人の側に居ないのだ。おそらくは原作同様バランの紋章に反応したダイの無自覚の竜闘気に気絶させられてしまい、気が付いてダイ達の元に向かう前にポップがルーラで城門前を離脱してしまったからだろう。このままではポップが自己犠牲呪文を使った場合、原作で起きた奇蹟が起こらない。

 

「あっちゃあ」

 

 声には出さず胸中で漏らす。どうやら俺はポップの自己犠牲呪文を防がなくてはならないようだった。

 




どんどん拙い方向に話は進む、どうする主人公?

次回、十一話N&C「勇者一行の敗北2」に続くメラ。

ドラゴンキラーをベースにした新キャラの名前は?

  • スレイフ
  • ムンク
  • ラゴロス
  • メラトス
  • シェル
  • ラゴニア
  • メキーラ
  • ラゴウ
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