ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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十九話C「親衛隊、揃う2」

「そりゃ、待たせたのも無断で出かけたのも悪かったけどさぁ」

 

 なんて言い訳すれば再び袋叩きにされるのは目に見えて居たので、俺は黙って親衛隊作成の準備をしていた。分体達は合体と分裂をもう終えて、僧侶の呪文を会得した上、武闘家の戦い方もある程度覚えたらしい。原作でもチートだった一発でも当たれば過剰回復で相手の身体をぶっ壊してくって原作マァムの使ってた奥義はさすがに会得できなかったみたいだが、元々魔法使いである俺からすれば、接近戦でも普通に戦えるようになった分体達はちょっと羨ましくあったりもする。

 

「とりあえず、作成を始めていこう……ええと、順番どうしよう?」

『ほぼメンバーも決まってますし、兵士から順番に作っていけばいいのでは?』

「それもそっか」

 

 分体の言葉に納得して、最初に手掛けることにしたのは兵士の駒。シンプルであるが故に一番困った駒でもある、駄洒落ではなく。

 

「こう、特性がないからこそ女体化、もとい三位一体させるなら筆頭候補なんだけど……」

 

 兵士に立候補した分体が外見上の性転換に難色を示したため、兵士の駒はシンプルに分体を一人注入する方針で話は進んだ。合体によって武闘家と僧侶の修行分の成長を手に入れた分体達は実質的に武闘家として立ち回れる賢者のようなモノだ。確認を取ったところザオリクとベホマラーを習得していると聞いたので、分体たちにおける回復面での不安が吹っ飛んだと見ていいだろう。つまり、ポーンの親衛隊もオリハルコンの身体を活かした格闘戦と魔法使い及び僧侶の呪文が使用可能な万能型になった訳だ。ボディデザインは普通に原作のを丸パクリスペクトしたので、おそらく原作のポーンが使っていた技ものちに取得したもの以外は使えると見ていい。

 

「名前はヒムでいいよね?」

「おう、トゥースさまの呼びやすい奴でかまわねえよ」

 

 そう作りたてのポーン自身も言ってくれたことで、ポーンの名はヒムとし。

 

「で、ナイトはシグマ、と」

 

 続いて製作した乳牛の頭部をもつナイトを一瞥すると、俺は視線を次の駒へと向け。

 

「スルーすんなぁぁぁ!」

「おべっ』

 

 側頭部をオリハルコンの手で叩かれた俺はモシャスが解け、メラゴーストに戻る。

 

『痛ぅ、なにすん』

「何するのかもなにもあるか! 現実逃避のボケかと思ったら本当に乳牛とはどういうことだ!」

 

 オリハルコン製で熱くないのかガッと俺を掴んだナイトことシグマの胸には、アルビナスのモノと同じ大きさの胸部の膨らみがお前本当にオリハルコンかよと問いただしたくなる程ぽよんぽよん跳ねていた。

 

『だって、馬面が嫌って話だったから、人の顔に変形する機構つけるっていったら三人も希望者が出ちゃったんだもの』

 

 内二人が胸部でよいと妥協してくれたので、親衛隊二人目の女性隊士が誕生したという訳だ。

 

「だものではない! 確かに胸部に二人くっつくことは同意したが、この頭部でナイトを名乗ったら絶対言われるだろう、『乳牛の間違いなのでは』と!」

『そ、そこはほら、変形させれば』

 

 一応俺としては人の顔に変形する機構はちゃんと搭載した。牛の頭部が上にせり上がって兜の様になり、その下に女性の顔が現れるという自信作だ。加えて原作にはない機構なので女性の顔部分はこの上なく全力で取り組んだ。乳牛フェイスとのギャップも考え、凛々しくありながらもかわいらしさを失わない人間でいうところの十六歳前後の少女をイメージして作り上げた顔は、後になって自分の好みを反映しまくってることに気づいたのだが。

 

『トニカク、ソッチ ノ カオ ハ ジシンサク ナンダカラ、イイ ジャナイカ』

「何故カタコトなのだ?!」

 

 できればそこには突っ込まないで欲しいと俺は切に思う。ともあれ、そんな風に一部脱線しつつも親衛隊の作成は進んでゆき。

 

 ◇◆◇

 

『ふぅ、終わった』

「っと」

 

 全員作り終えたところで俺は疲労と消耗から床に倒れ込み。ポーンのヒムが掴んでくれなければ、床にうつ伏せの姿勢となっていたと思う。

 

『僧正・フェンブレン……そして城兵・ブロック。これで全員が揃った……』

 

 大柄な城兵と全身が刃で出来た僧正、見た目だけなら残りの二人に外見上の変化は全くない、原作通りの姿だ。ただし、色々ギミックを詰め込んだり分体を注入しているのであくまで似ているのはガワだけだろうが。

 

『こう、何とも言えない気分だ……』

 

 一人だけ美少女の顔の方でシグマだけが何故か仏頂面だったが、ともあれ、こうして大魔王打倒のための戦力はほぼそろった。後はマホプラウスのお披露目の時に大魔王の様子を見て、決戦に挑むタイミングを決める。分体をダイに変え、俺自身がバランなっておけば思念派である程度近い距離なら内密な意思疎通は可能。これにハンドサインのようなモノを決めて組み込めば意思疎通面での失敗はおそらくない。

 

『じゃあ、モシャスをかけ直したらお披露目に行こう』

 

 流石に駒の提供者に見せない訳にはいかず、親衛隊からの声が揃う中、シグマだけはまだ腑に落ちない顔をしていた。

 




シグマは犠牲になったのだ、主人公のボケの犠牲にな。

次回、二十話C「決戦の足音」に続くメラ。
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