ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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短めです、済みませぬ。


二十一話C「読めない思惑」

「ザボエラ殿、居る?」

 

 ひょっとしたら途中で襲撃があるのではと少し警戒もしたのだが、何事もなく俺達はニュンケルをザボエラに預けた時訪れた場所にたどり着いていた。

 

「おお、これはトゥース様」

「あ、居た。親衛隊のみんなをお披露目してきたんだけどぉ、これであとは呪文のお披露目とザボエラ殿をメインに据えた作戦を残すのみでしょ?」

 

 間違いが有ってはいけないという態で、ザボエラには打ち合わせに来たと話しつつ、ところでと話題を変えて、他に手掛けてることはないかと聞いてみる。

 

「ヒョ、他にですと?」

「なければいいのよ。当日までに打ち合わせをするにしても他のことで手が離せないって時にお邪魔する訳にも行かないでしょ?」

 

 むろんそれは表向きの話で、俺がザボエラの技術を賞賛したことでバーンが見方を変え、ザボエラに何かの開発を命じていないかを探るためのモノでもあったのだが、ザボエラは本当に覚えもないのか、いえと首を横に振り。

 

「そう。なら、お披露目の時にどれだけ協力してくれる術者を割くかと……念のために試し撃ちもしておいた方がいいわよねぇん。想定以上の威力が出て、余波が何かを巻き込んだらことでしょうし、おおよそどれくらいの威力になるかの目算は必要なんじゃないかしら?」

「たしかに、そうですな」

「ただ、試し撃ちの状況をバーンさまに知られてしまうと、お披露目の時にあちらにも威力について想像がついてしまってお披露目の意味が半減しちゃいそうなのだけど、どこか人目につかなくて大威力の呪文を撃てそうなところってないかしら?」

「むぅ」

 

 相づちを打ったザボエラに提案するとザボエラは少し考えこんで。

 

「悪魔の目玉はワシの管轄ですし、一時的に監視の及ばない場所をここから離れた場所に用意するのは可能ですじゃ」

「まぁ、素敵♪ だったら、それを利用させてもらいましょうか」

 

 表向きの打ち合わせは恐ろしくスムーズに進んだ。ザボエラと居るからか、襲撃らしい襲撃もなく。

 

◇◆◇

 

「うーん」

 

 あっさりと打ち合わせは終わり、何もなく出てこれてしまったからこそ、俺はつい唸る。用済みだと始末にかかるという懸念が間違っていたのか、死神やミストバーンが俺たちの元に姿を見せることはなく、ここまで来れてしまった。

 

「トゥース様?」

「いや、好事魔が多しだっけ? すんなりいくときこそ足元を取られかねないって言うからさ。こう、何事もないのが逆に気になってさ」

 

 何か見落としてるのではという疑心暗鬼にかられる、と言うのは言い過ぎか。実際何か見落としているのかもしれない訳だし。

 

「とりあえず……あ」

 

 動いてみようと言いかけてふと思い至る。

 

「トゥース様、今度はどうなさいまして?」

「うん、バラン殿のところ……家族水入らずにしておこうと思ったんだけど」

 

 ザボエラのところへ行く途中でキルバーンのみで襲撃してくるなら各個撃破の第一号にするだけと考えたが、バーンも各個撃破を考え、バランも俺たちの仲間とみなしているとしたら。

 

「拙い」

 

 そう声には出さなかったが、確認しておく必要がある。ダイとバランの戦いがやらせで、捕虜と記憶を失ったふりのダイをバーンパレスに連れてきて内からパレスを攻略しようと考えているとか大魔王が俺たちの行動を見たとしたら、プレイハードと俺のふりをした分体のいる牢より記憶喪失のダイを連れただけのバランの方が明らかに倒しやすい。バランは強いが、記憶を失ったダイは足手まとい以外のなにものでもないのだ。加えて、そういえばハドラーの姿を謁見の間で見ていなかった気もする。先日のハドラーの先走りは俺の誤解だったが、大魔王の意を受けてハドラーがバランたちの排除に動いたとすると話は変わる。

 

「お披露目のこととか、連絡しないといけないことは色々あるからさ。使い魔とかでもいい気はするんだけど、記憶喪失中のダイに怯えられる可能性もあるから、あちらの状況確認も鑑みて、ね」

 

 表向きはそういう名目で俺はパレスの外に向かう。悪い方の想像が当たらないように秘かに願いながら。

 




次回、二十二話C「嫌な想像の先」に続くメラ。
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