ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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二十九話C「かくかくしかじかで終わるなら」

「まぁ、そう言う訳でこのキルバーンはこちらについてくれたのだけど……」

 

 体内に黒の核晶を持ってる相手が実はもう一人いるのよと俺は言う。

 

「はぁ?!」

「なんだと?! それは一体――」

 

 ただでさえシャレにならない威力の爆弾があると聞かされたところにアレだが、これについては話しておかないと拙い。ポップ達が目を見張る中、俺は口を開いた。

 

「前の魔軍司令、ハドラー殿よ。その当人も自分の身体にそんなモノが仕掛けられてるとは知らない訳だけど」

「ま、待てよ! おれたち、ハドラーとは何度かやり合ってんだぞ?」

「そうね。そして、ハドラー殿は倒されたこともあるけど大魔王の力によって復活している」

 

 原作でハドラーの体内にあった黒の核晶の場所は、心臓の位置。バルジ島でヒュンケルがハドラーの心臓を貫いて倒してることを鑑みるなら、あの時点で黒の核晶は埋め込まれていなかった筈だ。声の若干震えるポップにそこまで親切丁寧に説明はしないが、デルムリン島とバルジ島のハドラーはまだ黒の核晶は埋め込まれていなかったと思う。

 

「なるほど、話はわかったがハドラーに黒の核晶が埋め込まれていると何故わかった?」

「それは……半分は勘ね。いえ、違和感と言った方が良いかしら? アタシたちはモシャスで他者の姿と力を写し取って戦ってる。だから、ハドラー殿に変身することもあるし、力を十全に活用する為にこっそり観察してたりもするのだけど、これに味方になったキルバーンから核晶やら大魔王の目的やらについての情報を得た結果、至った結論よ」

 

 原作知識で知っていると言えない俺の苦しい言い訳ではあるが、調子がおかしそうだったからハドラーにモシャスして調べた結果と言うことにした。

 

「当人の身体を切り開いたわけじゃないから、100%そうだとは言えないけど、アタシの推測が当たっててもし核晶に強力な攻撃が当たってしまったら最悪の事態を招くかもしれないもの。もう大魔王と、魔王軍との戦いは避けられない今、これだけは伝えておかないといけないと思って――」

 

 大魔王の元にハドラーが居る可能性を全く考慮しなかったわけではないし、いくつかの対策も思い浮かんではいる。だが、そのどれもがハドラーに埋め込まれた核晶のことを知らない味方によって爆発させられるケースは想定していない。

 

「大魔王の目的についてはキルバーンの主人がバラン殿へ得意げに話してたのをアタシも幾らか聞いてたんだけど、大魔王の目的の一つはこの地上を消滅させることらしいわ」

「なっ、なにぃ?! 地上を消滅させるぅ?!」

「そう。で、どうやって消滅させる気なのかについて考えようとしたところで知ったのは、黒の核晶なんてとんでもない爆弾の存在。ヴェルザーはあまりの威力に二度と使わなかったそうだけど、地上を消滅させるとなるとうってつけの兵器よね。ただ、一個二個じゃ流石に地上を完全に消し飛ばすのは厳しいわ」

 

 だから大魔王は黒の核晶をいくつも持っていると思われると俺は推論を披露し。

 

「バーン側の核晶についてはどうにかする策がいくつかあるわ」

 

 この内いくつかはキルバーンの人形がこちらについてくれたからこそ可能な方法だ。

 

「ただ、ここは大魔王の居城。どこに目や耳が要るかわからないから、詳細は伏せさせてもらうわ。ただ、こちらに策があることだけ覚えておいてくれればいいわ。特にバラン殿」

「私か?」

「ええ。この中で黒の核晶の爆発を準備無しでどうにかできそうなのはバラン殿くらいだと思うのよね。それでも生命を犠牲にしてって前提で」

 

 こっちにいくらか対処手段があるというのに原作の様に誰かを守って犠牲になって貰っては困るのだ。

 

「さて、懸念事項についてはこれぐらいね。大魔王はアタシやバラン殿を排除しようとしてるし、地上を消そうともしている。だから、大魔王を放っておけないという意味では目的は一致してる筈よ。アタシたちは大魔王を倒しに行く、ついてきたいなら連れて行ってあげてもいいわ。生命を落としたら自己責任だけど、それでも来る?  勇者一行のお二人さん?」

 

 正直この二人の強さでは足手まといでしかないが、かやの外も拙いと言うのと、大魔王を倒してパレスが崩壊するようなことになった時、巻き込まれる可能性もあるのではという懸念からそう話を振り。

 

「ポップ」

 

 口を開いたヒュンケルは返事ではなく弟弟子の名を呼んだ。どうするかという問いでもあったのだろう、だから。

 

「……おれは、おれは行くぜ! おまえのことは先生から頼まれてんだ。逃げる訳にゃいかねえ!」

「え゛」

 

 答えの途中でポップに睨みつけられて、俺は固まった。

 

「おまえな、あの話の流れで何でバレねえと思ってんだ、メラ公? 先生の故郷に行くって言って出てって、新魔軍司令は人間側に立ってこのバランと戦ってた、その上でおまえの部下がメラゴーストに戻るとこ、おれは見てんだぞ?」 

「あー、それは、その……って、アナタの言うメラ公ならそこにいるじゃない」

 

 救いを求めて周囲を見回した俺は居心地悪そうに佇んでる分体を見つけて指さすも。

 

「こいつはメラ公じゃねえ」

 

 ポップはすぐさま被りを振った。

 

「メラ公はもっとドジなんだよ。同じ牢に暫く入ってたけど、ここまで落ち着いてねえ」

「それってどういう意……あ゛」

 

 自信ありげに断言するポップに叫び返しかけ、気づいた時にはもう手遅れだった。

 




流石にバレるかなと思いましたが、やっぱりバレました。
次回、三十話C「いざ決戦へ」に続くメラ。
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