ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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短めですが、ちょっと他にやらないといけないことが多いので投下します。
(加筆するかは未定)


三十二話C「秘策2」

「ここまでこれた、と言うのはアレだけど」

 

 魔軍司令として動いていたのだ、バーンパレスの中を歩くのも自由だった身としては、天魔の塔を登ってきたと言っても達成感を覚えるには微妙過ぎ。それでも緊張感があるのは、倒すべき敵としてのバーンが待ち構えていることを俺自身理解しているからだろう。

 

「来たか。トゥース、そしてバランよ」

 

 案の定、こちらの動きは筒抜けだったらしくドーム状になった円盤内部に突入しようとしたところで、内から声がした。

 

「バーン」

 

 口を開いたのは、名を呼ばれなかったヒュンケル。声だけならば聞いたこともあったのだろう。

 

「鍵はかけておらぬ、入ってくるがいい」

 

 かけたところで無駄と見たのか、別の理由でか。

 

「いくよ」

 

 一度だけ振り向いた俺に視界へ入った幾人かが頷き。俺は扉を開けた。

 

「な」

 

 中に居るのがバーンだけではないことは予想していた。実際、キングを頂点としたオリハルコン製のチェスモチーフの魔物リビングピース、ヒュンケル達に掃除屋と説明した連中がここには居たし、そこまでは予想通りだった、だが。

 

「ハド……ラー?!」

 

 リビングピースの王であるマキシマムの横に立つ元魔軍司令は、マントを羽織り兜を被ることで 顔以外を隠していたのだ。

 

「それは」

「ふっ、オレはパワーアップを果たしたのだ。これでもはやおまえに遅れは取らん」

 

 嫌な予感を覚える俺にハドラーはそう言い放ち。

 

「パ、パワーアップだって!!? 変な兜かぶってるだけでどこも変わってねえじゃないか!!!」

「……貴様は、ダイと共に居た魔法使いの小僧……ヒュンケルも……そうか。いや、バーンさまに手向かうなら元の鞘、アバンの使徒に立ち返るのも当然か」

 

 ポップの指摘を無視して、ポップとヒュンケルの存在に気づいたハドラーは勝手に推測、自己完結する。

 

「立ち返ったって言えるかどうかには疑問の余地があるけどね……それより、パワーアップとかおれは聞いてないんだけど?」

「まあ、そうだろうな。おまえがあちこち飛び回ってる折、大魔王さまから助言をいただいたのがことの始まりだ。『このままでいいのか、ハドラーよ』と。そして、おまえが高く評価しているザボエラの息子を紹介していただいたのだ。『親に余の見逃した見るべきところがあるのであれば、子もなにかをもっているかもしれん』とな」

「っ」

 

 ザボエラが何も知らないようだったから大丈夫だと思っていたのに、ザボエラを飛び越してその息子に話が持っていかれたというのか。原作でその技術がもともとザボエラの息子のモノだったことを知っている俺にはもう先の展開が読めていた。超魔生物、複数の種族の力を結集して生み出す人造モンスターであり。原作では息子の研究を引き継いだザボエラが効果を高めハドラーをこれに改造するのだが。

 

「あれ?」

 

 そこまで考えて、ふと気づく。原作では超魔生物はロモスの武闘会で竜の騎士のデータを採取したことで研究が進んだのではなかったかと。

 

「どうした? まあ、いい。ここに至って一から十まで話すつもりもオレにはない、新たに得たこの力、試させてもらうぞ!!!」

 

 俺が立ち尽くしている間にハドラーはマントを脱ぎ捨て。

 

「なっ」

「なっ、なんだとォ?!」

「なんだありゃ?!」

 

 その下から出てきたのは超魔生物の身体ではなかった。マントを脱ぎ捨てるや否や、ハドラーの身体を包んだのは赤と青、おそらくは炎と氷の闘気。

 

「トゥース、おまえのその炎の闘気とオリハルコン製の部下に着想を得たオレはフレイザードをもう一度作り上げ、その身に宿したのだ!」

「話すつもりはないとか言っておいてきっちり説明してるじゃないか……」

 

 衝撃のあまり、俺は気づけばツッコミを入れていた。だが、そうか。この世界ではダイより俺が脅威だったが故に、竜の騎士ではなく俺の強化をモチーフにした改造が行われたわけだ。

 

 




次回、三十三話C「秘策3」に続くメラ。
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