ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

253 / 256
三十四話CA「大魔王バーン」

「けど、それなりにやり合えることは解かった」

 

 原作知識や見分して得たバーンの力の一端は知ってはいても、実際ぶつかったのは、これが初めてだ。対応策を要したとはいえ、机上の空論で実際戦ったら役に立たなかった何て最悪に近い事態になることだって考えられたのだ。だからこそ、少しだけ安心し。

 

「お主がよもやここまでやるとはな、トゥースよ。余の半身を滅したことも余の想定をはるかに超えておった」

 

 半身を消滅させたのだから激怒していても良い筈だというのに、やけに平静なのが俺には気になり。

 

「……この大魔王バーン、天地魔界に恐るるものなしと自負してはおるが、予測不可能なものだけは悩殺しておく必要がある……!!」

 

 バーンが再び口を開いたとき、俺は耳を疑った。聞き間違いではとも思った。

 

「のうさつ……?」

 

 抹殺じゃないのかそう思ったのだが、俺のつぶやきを大魔王はスルーしてもろ肌を脱ぎ。

 

「故に踊る!! 余の『せくしーだんす』を目に焼き付けるがいい!!!」

「え゛」

 

 俺は思わず固まった。だが、その前に飛び出した人物が居た。

 

「ひゅ……ンケル?」

「オ、オレの鎧ならば若干こらえられるはず……!!! いっ、今の内に反げっ」

 

 最後まで言葉を続けられず、ヒュンケルが鼻血を吹いた。その間も大魔王はぐいんぐいん腰を振り、キレッキレに踊っていた。

 

「……初心なことだ……気にいらんな。昔のおまえはもっと魅力的だったぞ、ヒュンケル」

「……くっ!!」

 

 いや、くっじゃねぇよとツッコミを入れては駄目なんだろうか、これ。

 

「みっ、みんなァァッ!! 攻撃だああッ!!! 攻めないとこのまま全滅しちまうっ!!!」

 

 ポップの焦った声がドームの中に響くが、これ全滅するのは腹筋ではないだろうか。

 

「どうした、余はまだ本気ではないぞ? それはこれからだ……」

 

 何人かがポップに何でお前が仕切ってるの的な視線を向ける中、虚空に手をつき出した大魔王は生じた時空の歪みに手を突っ込み。

 

「では、使わせてもらうとしよう。愛用の……伝説の武器をな……!!」

「う……うそだろ、おい……!!」

 

 ポップが口元を微かに引きつらせるが、同感だ。

 

「武器ってさっきバランに襲いかかったときに既に使ってたもんな」

「だあっ?!」

 

 だが、同意した俺の言葉にポップはずっこけて。

 

「んなこと言っとる場合か!! 大魔王が本気を出すってんだぞ?!!」

「……その通り」

 

 がばっと起き上がったポップの叫び声にバーンが乗っかった。

 

「余がこの『光魔の杖』を使った時、おまえ達は更なる絶望を味わうこととなる」

「ぐっ」

「更なる絶望だとぉ?!」

 

 鼻を押さえつつ起き上がって叫ぶヒュンケルを暫く眺めた後、大魔王は問うた。

 

「おまえ達は知っておるか? 『ポールダンス』と言うものを」

「ちょ」

 

 何をするのかを察したが、杖の製作者のロンベルクが明らかにブチ切れる案件だった。いや、ブチ切れるで済むレベルだろうか。

 

「両腕ぶっ壊れても奥義放ってきたっておれは驚けないんだけど」

 

 何がどうしてこうなったというのか。

 

「……吸えッ!! 我が魔法力をっ……!! そして自らをライトアップするのだっ!!」

 

 俺が呆然としている間にバーンは杖からはえた尾のような器官を自らの腕に絡ませて言う。そんな機能ついてるのかは知らんが。

 

「めっ、メラ公、やばいぜ!!」

「あ、うん」

 

 ヤバいのは解かる。あまりにぶっ飛んだ事態に俺の語彙も半分くらい冒険の旅に出てしまっていた、だが。

 

「……『せくしーだんす』がおまえだけのものだって思ってもらっちゃ困るよ」

「……なに?」

 

 口を開いた俺にバーンが眉を動かす。だが、俺は一切かまわずバーンに背を向け。

 

「ポップ」

 

 兄弟子の肩を叩く。

 

「任せた」

「んなっ、任せたじゃねぇッ!! おれに『せくしーだんす』なんか踊れるかぁッ!!」

「いや、だって……分体達に振るとその場でボコボコにされそうだし」

「おまっ、オリジナルなんだろ、おまえ!!」

 

 確かにそうではある。だが、力関係のピラミッドでは最底辺なのだ。

 

「なにやら揉めているようだったが、それが過ちだったな」

「へっ」

 

 後方からの声に振り返ったのは、反射的なモノ、だが。

 

「見よ、これが余のポールダン――」

 

 あまりの光景に俺の意識は一瞬で吹っ飛び。

 

◇◆◇

 

「はっ?! 今、何かものすごく恐ろしい光景を見たような……」

 

 起き上がって周囲を見回すと、そこはバーンパレスの一室。俺用にあてがわれた部屋だった。ご丁寧に可燃物は全く置いてなく、備え付けられたカレンダーも石板に数字などを彫りこんだもので。

 

「四月一日」

 

 日付はそう記載されていた。

 




……なにが……なにが『エイプリルフール』だッ!!!
この進行速度ならエイプリルフールに差し替える話が四月一日の前に来てしまうのは、当たり前……!!!(フルフル)
……オレはっ……自らの出番が出オチで終わってもう出番もなさそうだというのにっ……!!!
ウオオオオオォーッ!!!!

と言う訳で、残念ながらエイプリルフール前に到達してしまった今年のエイプリルフール回がこちらです。(前魔軍司令の慟哭から目を背けつつ)

うんエイプリルフールまで更新お休みするか迷ったんですよね。
流石にそれは拙いかと思いまして。
フライングは平にご容赦を。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。