ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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こっちが本物の三十四話Cです。
あと数日だったんだけどなー。
流石にここから新しいエイプリルフールネタを仕込む余裕もなかったし、没にするのも勿体なくてああなったんですが。



三十四話C「大魔王バーン」

「けど、それなりにやり合えることは解かった」

 

 原作知識や見分して得たバーンの力の一端は知ってはいても、実際ぶつかったのは、これが初めてだ。対応策を要したとはいえ、机上の空論で実際戦ったら役に立たなかった何て最悪に近い事態になることだって考えられたのだ。だからこそ、少しだけ安心し。

 

「お主がよもやここまでやるとはな、トゥースよ。余の半身を滅したことも余の想定をはるかに超えておった。そして、よくぞここまでやってくれたものだ」

 

 褒めているわけがない。大魔王は怒りを押し殺し、言葉を紡ぎながら俺を観察していた。無理もないことだとは思う。ある意味増長かもしれないが、バーンは若さを隔離した半身を失った。これによって分かたれた半身と一体となり真の力を振るうことができなくなったのだ。原作では鬼眼と呼ばれる第三の目の力を引き出し、バケモノと化してもダイに勝とうとした大魔王だが、半身を失った状態でそれができるかは未知数であるものの、自身の肉体を変質させてのパワーアップと考えるなら、変身できたとしても原作よりははるかに劣った能力しか持ちえないだろう。そも、そのバケモノへの変身も最後の手段だった筈だ。

 

「ハドラー殿が居なくなったのが、痛かったね」

 

 黒の核晶が埋め込まれたハドラーと同じ戦場に大魔王が居る。バーンがこちらを観察しているからこそこちらもその理由を考えてみたが、導き出される答えは一つ。自身を囮にこのドーム内に俺側の戦力を集め、ハドラー諸共黒の核晶の爆発で消し飛ばすつもりだったのではないだろうか。ハドラーの黒の核晶の起爆はバーンの意思次第で可能。適当に戦いつつ機を見計らい、衝撃波なり何なりで壁を破壊しそこから脱出するか、リリルーラのような合流呪文で離脱し、自分だけ爆発から逃れる。それなら、邪魔ものである俺達を纏めて倒せるかもしれず、代償は無理な改造と身体に黒の核晶を埋め込まれていることでそう長くは生きられないであろうハドラーとオリハルコン製だが頭は残念なチェスの王を始めたとした駒のモンスターだけで済む。ザボエラ親子はこの場にいないから無事だし、ザボエラの技術で戦力の補充を図ろうと考えて居たなら、ハドラーがキルバーンによってどこかに連れ去られたのは痛恨の極みだった筈。

 

「バラン殿や他のみんなをあのオリハルコンの王様で抑え込むのは不可能。だから――」

 

 最後の策さえなれば、バーンは倒せる。その為にも、暫くの間、大魔王は俺が押さえておかないといけない。

 

「フェンブレン、悪いけどつきあってね。流石にあの杖相手に素手は無理だ」

 

 と言っておいて、その実プラスとマイナスの魔法力の剣なら充分通用すると思うが、敢えてそう言っておく。大魔王にも原作で日の目を見なかった切り札があるかもしれないのだから。

 

「ふん、よく言う。そう思わせておいて隠し札でもあるのであろう? 余に慢心も油断もない。おまえが余の予想を超えてくることはもはや想定済みだ」

「っ、買い被りだっていいたいとこだけど」

 

 ミストバーン、いや、バーンにとって大切な半身を失わされれば最大限警戒するには充分か。その警戒をしておいてあっさりハドラーを攫われたのだから。

 

「はぁ……まぁ、その杖と打ち合ってフェンブレンが折れちゃったら取り返しもつかないか。フェンブレン、人型で俺の援護を」

「やはり何か隠しておったか、侮れぬ」

「それはこっちのセリフだよ。もう少し騙されてくれると思ったんだけど」

 

 俺がぼやけば、真顔でぬかせと大魔王が返す。

 

「なら、遠慮なく」

 

 これで決まってもいいと言う気持ちで俺は右手にマイナスの魔法力を集め、左手は纏う炎の闘気がプラスの魔法力を集める。

 

「思えば」

 

 これをあの氷炎ハドラーに見せなくて良かったと今になって思う。見せて会得でもされたら目も当てられなかった。

 

「呪文は任せるよ、フェンブレン」

 

 剣の時に施したマホカンタはまだ有効の筈、だからこそ俺はそう声をかけ。

 

「来るか」

「ああ。メドラ……ブレェェェドッ!」

 

 両手もちの形で巨大剣が出現する。

 

「くっ、やはりか」

「行くぞ、バーンッ! はあああっ!」

 

 一瞬脳裏に浮かんだ「ご愛読ありがとうございました」という文字を振り払って俺はバーンへ斬りかかったのだった。

 




次回、最終話C「決着、最終決戦」に続……えっ?
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