ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

33 / 256
五話「筒ん中ブルース」

(さてと、これはうまく行ったというべきか)

 

 ザボエラもモシャスの呪文の使い手、他に手も無かったとはいえ偽装がばれることもあるかもしれないとは思ったが、疑われることもなく俺は筒の中に入れられ。

 

(筒の中からじゃ、外の様子は窺い知ることもできない、と)

 

 原作では中からの叫び声が外に出ていた気がするので、気を抜いて声を出してしまうのは禁物だが。

 

(しかし、こうなってしまうともう出来ることと言うと瞑想か今後のことを考えることぐらいだしなぁ)

 

 別の筒とはいえ形状が同じため、見慣れた光景となってしまった筒の内部を見ながら俺は原作の流れを脳内でおさらいする。

 

(デルムリン島を出たダイ達は、ダイの前にキメラにぶら下がってロモスに向かった時に「空から見たから」ってのを根拠に地図なしでロモスのお城に向かおうとして、手前の森で迷う)

 

 この時森にある村の迷子がモンスターに襲われそうになってるのと出くわして戦闘。戦いの詰めが甘くモンスターから反撃されそうになったところで迷子を捜しに来ていた村の少女で俺達の姉弟子に当たる後の旅の仲間、マァムと出会う。

 

(この時、ポップとマァムが口論になってポップが意地になりマァムに頼らず森を抜けようとし、この時二人は荷物を忘れるか何かしてそれがマァムに回収され、マァムの村に運ばれ――)

 

 中身が確かめられた時に、荷物に入ってついてきたゴメちゃんが見つかって騒ぎになる。

 

(とはいえ、原作ではゴメちゃんは確か危害を加えられずに済んでいた筈)

 

 昨晩俺が魔法の筒から出されたのがこの後だ。

 

(原作通りなら村が予期せぬ珍客に微妙な空気になったところで、場面はこの地域を担当する魔王軍の軍団長、獣王クロコダインの拠点に切り替わって)

 

 ハドラーがダイによって手傷を負ったことを明かしつつ脅威になるからとダイの始末を依頼するのだ。これによってピンクのワニな獣人で種族的にはリザードマンのクロコダインがダイの元に刺客として現れ、戦いになるのだが。

 

(後のドラクエのナンバリングに出てくるリザードマンと姿が全然違う上に、あっちはドラゴン族何だよなぁ)

 

 種族まで違うことで俺としては少し困惑してしまうのだが、ぶっちゃけこれは今は関係ないので脇に置くとして。ともあれ、確か、その戦いの余波か何かで森の異変に気付いたマァムがクロコダインとの戦いの場に合流、ダイはクロコダインへ最終的に手傷を追わせて片目を奪い、撃退に成功する。

 

(ザボエラがデルムリン島に来てブラスを攫ったのが、この後。つまり今の俺がブラスの代わりに居るのがここ、と)

 

 ザボエラはこの後負傷したクロコダインに魔法の筒に入った人質を差し出し、それを使うように唆す。島の外に出てしまったブラスは魔王の意思の影響を受け、魔王軍の言いなりになってしまうのだから人質だけでなく戦力にもなる訳だが。

 

(問題はその中身が俺ってことだな)

 

 俺専用のアバンのしるしはそのままである為、俺が魔王軍の言いなりになることはない。とはいえ、卑怯な手を使ってもいいのかという葛藤と苦悩がこの後クロコダインが魔王軍を離反するきっかけになることを考えると、かかったな馬鹿めとばかりに俺が正体を現してダイたちに加勢すると、原作をブレイクしてしまうことになる。

 

(一応、メダパニもメラミも原作でブラスの使った呪文は使えるから、操られたブラスのフリをすることは出来るものの、バレたらいろんな方向からの信頼を失うし)

 

 よくよく考えると、切り抜けられたのが島での一件だけの様な気がしてしまうから不思議だ。

 

(はっはっはっはっは……どうしよう)

 

 こうして俺は筒の中で頭を抱える。現状を打破する案は、これっぽっちも浮かび上がっては来なかった。

 




次回、六話「追いつめられた俺」に続くメラ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。