ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね 作:闇谷 紅
「ポップ、あなたの方が兄弟子なのですから……メラゴースト君のこと、よろしく頼みますよ」
時折、先生のあの時残した言葉がおれの脳裏をよぎる。
「メラ公は本当に危なっかしい奴だからな」
ことあるごとに失敗して凹んでいた昔のこともあるけどよ、あの日の戦いで自分を犠牲にしてあのハドラーって奴に深手を負わせた一件でおれとダイは共通の見解を持つに至った。メラ公は自分の身を投げうって他の奴を守れるが逆に言うなら自身のことを顧みない奴でもある、と。
「ねぇ、ポップ。メラゴースト君はまた強敵が現れたら自分を犠牲にしてでもあの呪文を使おうとする気がするんだ」
「かも、な。おれには何でそんなことができるのかわかんねーけど」
おれたちの為に自己犠牲呪文を使った先生。あいつは先生に一番近いところに居るんだろうか。
「それで、さ。前に聞いたけど、メラゴースト君は移動する時魔法の筒に入ってたんだろ?」
「ん? まぁな。お前に言うのはちょっと気が引けるが、モンスターってだけで普通の村人とかは怖がったりするもんだし、実際、以前モンスターの被害を受けたって奴もいるからな」
騒ぎにならないようにと筒の中にいれてたメラ公には窮屈な思いをさせたが、あいつの身体はそれだけでなく夜になると明るくて目立つ。
「ロモスのお城なら、島のみんなを連れていったこともあるし、大丈夫だと思うけど」
「そうだな」
二人で話し合って、メラ公には悪いが筒の中にいてもらうことにして、おれたちは小舟でデルムリン島を後に海を越え陸地にたどり着いた。
◇◆◇
「その後も大変だったよな」
上陸してから三日も同じところをぐるぐる回ることになるわ。あれはダイが描いたいい加減な地図のせいだったか。
「モンスターに襲われそうになってる子供をカッコよく助けたのは良かったけどよ」
倒しきれてなかったモンスターに反撃をくらいかけるわ、俺の呪文にいちゃもんつけて来た女に顔を叩かれるわ。
「ライオンヘッドなんて生まれて始めて見るモンスターには出くわしたかと思えば、その後に出てきたピンクのワニ野郎……」
ハドラーの下っ端かと思えば、とんでもねぇ強さで敵わねぇと逃げた先でライオンヘッドの尻尾を踏んじまって今度はライオンヘッドに追いかけられるわ。本当にあの日はついてなかった。
「で、逃げ回った先で再び出会ったあの女が、おれ達と同じ先生の弟子だったって知って」
ダイの元に戻ってあのワニ野郎を退けた俺達はその女の村に向かった訳だが。
「ええっ、メラゴースト君が?!」
合流出来たのはダイがゴメちゃんって呼んでる羽の生えた金ぴかのスライムのみ。メラ公は村のガキが筒から出しちまって、移動呪文でどこかに消えちまったとおれ達は聞かされ。
「ダイ、どうするよ?」
「うーん、メラゴースト君のことは村の人たちに説明したから、ルーラで戻ってきてももう大丈夫なんだけど、ロモスのお城のことも気になるし」
くわえて、メラ公がどこに飛んでいっちまったかもわからない。
「一晩過ごして、それでもメラゴースト君が来なかったら、ロモスに行こう。メラゴースト君は人の話すことは解かるから、村の人に伝言を残しておけばいいし」
ダイの奴も後ろ髪を引かれる思いだったみたいだが、入れ違いになっても拙い。あの女の家族が魔王を倒す旅での先生の仲間だったと知ったり、語る話から先生がその村でも慕われてたことを知ったり。
「合流したら色々説明しねぇとな」
本当に色々あったが、一番に説明しねぇといけねぇのは、あの女、マァムがおれたちの旅の仲間に加わったことだろう。ただ、この時のおれはメラ公との再会があんな形になるなんて思っちゃいなかった。
うう、筒の中に居た間のダイジェストだけで結構文字数行ってしまった。
と言う訳で、まだロモスまで行けてませんが前後編に分けます、すみませぬ。
次回、番外3「勇者とは・後(ポップ視点)」に続くメラ。