ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね   作:闇谷 紅

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前倒し(略)


番外5「攫われたあとで(???視点)」

『俺達と言うイレギュラーが居ることで原作外の方向に話が転がることは多々ある』

 

 オリジナルを送り出した後、俺達不死騎団所属のメラゴースト達は、今後のことについて話し合った。

 

『A、つまりオリジナルがまた何かやらかすんじゃって恐れもあるが、それを差っ引いても俺達が戦いに介入した場合、ダイ達と団長の戦いの行方がどうなるかはわからない』

『原作の通り団長が勝ってダイ達が逃げ伸びるのが最良だな。そしてマァムを捕虜にできれば原作の流れをたどればいいから修正に頭を悩ませたり手間がかかったりもしない。もっとも――』

 

 クロコダインの乱入は時間的に間に合わなくなり、苦肉の策でオリジナルをメラゴダインにして突っ込んだわけだが。

 

『これで、クロコダインが団長に与えてくれる影響部分はどこかで埋め合わせないといけなくなった。クロコダインが団長の窮地を救うって未来の部分は俺達が分担して担えばいいし』

 

 だからこそ問題はダイとの戦いで団長が苦戦したり負けてしまった場合だ。

 

『苦戦した場合は俺達が増援になって状況をひっくり返す、負けた場合は……考えたくないが、団長を捕縛して俺達の誰かが成り代わる、かな。確かこの後、ハドラーが視察に来たはずだし。そのハドラーって本来全軍でダイ達を総攻撃するつもりだったと思うからさ』

『ここで団長が苦戦とか負けたなんて何が何でも知らせられないもんな』

 

 上手く原作の流れに戻すにはどうすべきか。いくつかのパターンに対応できるよう考えておこうと俺達は案を出し合い。

 

◇◆◇

 

(団長が攫われた今に至る、と)

 

 オリジナルは次に顔を合わせたら、バイキルトの呪文で攻撃力を二倍にしてから助走をつけてぶん殴ろうと思う、なぜなら。

 

「何故俺が団長役なんだ……いや、ローテーションだからオレだけではないが……」

 

 出来ることなら、バレないかハラハラする様なところは担当したくなかった。そう心の中で愚痴りつつ、ヒュンケル団長にモシャスで姿を変えた俺は、鈴の音が聞こえてくるのを待つ。

 

(モルグ、か。ヒュンケル団長の執事を務める、くさった死体系のモンスターだったよな)

 

 鈴を鳴らしつつ現れるであろうかのモンスターへ原作ではマァムを預け倒れたクロコダインの傷の手当てを手配させたはずだ。

 

(元の姿の俺はマァムの身体を触ると火傷させてしまうからな)

 

 一応マァムを運ぶとか、逃亡を阻止するために骸骨剣士にモシャスした別の俺が率いたモンスターに紛れ込んでいたのだが、マァムを突き飛ばして代わりにルーラで運ばれたからここにはおらず。

 

(あ)

 

 ようやく聞こえてきた鈴の音に俺は振り返る。

 

「ヒョッヒョッヒョ……」

 

 そこに居たのは、件の鈴を持ったモンスター。

 

「……モルグか」

「いかがなされましたかヒュンケルさま……」

 

 ばれては元も子もない。この女を連れ帰れと俺はマァムを示し。

 

「何者です?」

「人質だ。牢屋に放りこんどけ」

 

 訝しんだモルグの問いに答えるとすぐに踵を返す。

 

「先に戻っているぞ、地底魔城にな……」

 

 不死騎団所属の俺にとって、地底魔城は拠点。道を間違えようもない。

 

(はぁ、心臓に悪かった……いや、心臓ないけど)

 

 何とか乗り切ったことに胸をなで下ろし、地底魔城にたどり着いた俺は別の俺と団長役を交代することとなる。モルグや他の不死騎団のモンスターに疑われることもなく役目を果たせた達成感と一番神経を使う時期にヒュンケル団長をやらずに済む安堵。

 

(ハドラー視察時の担当になった俺には悪いと思うけど)

 

 そう、原作の通りなら近く魔軍司令であるハドラーが地底魔城を訪れるのだ。

 

(勇者ダイ抹殺を魔王軍の総力を結集して行おうとした男――)

 

 もしうちの軍がダイとの戦いに苦戦を強いられてると見たなら、これ幸いと大魔王に訴えてダイ達への総攻撃を試みようとするだろう。

 

(軍団長が負けて攫われましただなんて知られるわけにはいかない)

 

 だから、俺達がヒュンケル団長になり替わり、原作の通りダイ達に勝ち、今も優勢であるということにしなくてはならないのだ。

 

(それもこれも半分以上Aのせいな訳だが)

 

 思い出すとこう、どうしても殴りたくなってくる。

 

(と、いけないいけない。今は冷静でいないと)

 

 うろ覚え故にハドラーが訪れるタイミングは解からないが、Aがハドラーに深手を負わせたと言う一点だけ見ても俺達同じメラゴーストがハドラーの目につくところに居るのは拙い。

 

(Aのパプニカ到着が早かったから団長との戦いは前倒しになったけど、視察まで前倒しになる理由にはならないだろうから、早くても明日か明後日ぐらいか? って、あれそれって――)

 

 そこまで考えて俺はふと気が付く。視察が俺の最初の想定より先なら、視察の時に俺が団長役になる可能性が残っていると言うことに。

 

(何とか休暇……とれないかな)

 

 そしてルーラで逃げたあん畜生を殴りたい。俺は心からそう思ったのだった。

 




加筆して視察部分まで書くかもしれませんが、とりあえずアップ。

次回、九話「捕虜と俺と」に続くメラ。
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