ダイの大冒険でメラゴースト転生って無理ゲーじゃね 作:闇谷 紅
ただし、いつもの6割程度の文章量しかなく短めです。ご了承ください。
『……死ぬかと思った』
俺はオーザムの城、謁見の間で一人、安堵の息をついていた。
(北の勇者ノヴァとか、覚えてるかよ本当に)
オーザム奪還を試みる人間達を追い払うべく配置していた部隊がいくつも壊滅し、生き残りからの報告を受け取った俺は即座に確保していた王族を盾に取ることで、窮地を何とか乗り切った。その時忌々し気に俺を睨んだ若い男が居たのだが、周囲の人間の言ったことを統合すると、リンガイアからオーザム奪還の援軍に来た人物で、ノヴァと言う名であるらしい。
(そこまで聞いてようやく俺も思い出したんだけどさ。と言うか)
原作だとオーザムが壊滅し生存者がゼロだったから奪還の軍勢に加わって姿を見せるという展開がなかったのだろう。
『「リンガイアには魔王軍最強格の軍団が進行中なのに、こんなところに居ていいのか」的なことを部下を介して聞かせたら、帰っていったけど……うん』
たぶんリンガイアも今頃その最強格の軍団によって滅んでいることだろう。だから、先のノヴァなる男がこっちに再び攻めてくることはないと思うが。
(危なかった。C3が王族盾にしようって提案してなかったら、フレイザードの留守を預かってる部隊は俺含めて完全に全滅してたわ)
難民と化した国民を押し付けた上、他の魔王軍の軍団に襲われているかもうすぐ襲われる各国に滅んだ国を助ける余裕などないだろうと、今オーザムにはわずかな戦力しか残されていない。
(フレイザードがパプニカ攻略とダイ抹殺に動いてるってのもあるんだけどさ)
他のCから始まる識別名の俺達も駆り出され、このオーザムに残ってるメラゴーストは俺とC3の二体だけだ。
(フレイザードについていった方の俺達がAと接触して事情を伝えて、フレイザードがダイ達に討たれれば俺達も自由の身。それまでの辛抱だ)
原作は確か大魔王討伐までに数か月しかかからない駆け足の大冒険であったと俺は記憶している。
(C3が難民押し付けて食料事情とかを悪化させてやろうなんて提案したのもその辺が理由なんだよな、おそらく)
大量の難民が各国の食料を食い潰して食糧難を起こす前に魔王軍との戦いに決着がついてしまうのだ。戦いが長期化するなら相当の被害が出ていたであろうが、フレイザードはもうすぐダイ達とぶつかる筈であり。
(ダイ達がフレイザードを討ったなら、俺達がここから逃げ出してオーザムは奪還され、国民が戻ってきて難民も消滅する)
たぶんC3はそこまで図面を引いてフレイザードに献策していたはずだ。
(魔王軍の軍団もダイ達に順調に撃破されて減って行くはずだし、オーザムが奪還された場合懸念材料はただ一つ……か。アレについてもどうするか話し合う必要はあるんだろうな)
もっとも俺は脆弱なメラゴーストでしかない。謎の大活躍と言うかやらかしをしてるAみたいな強さもないのだ。きっともうお役御免であろう。
(Aみたいにアバンに鍛えられた訳じゃないし、弱いのは不安だけどさ)
強くなる方法がないというのは、戦いから遠ざかれると考えるなら悪くないのかもしれない。
(もう少し、もう少しの辛抱だ)
そうして俺は待ちわびる。自由を手にする日を。
尚、作者は原作12巻読んで慌てて書き上げた模様。
次回、八話「後は任せた」に今度こそ続くメラ。