本作は概要欄にもあるとうりグレ響が学園都市に来たらというお話です。あらかじめご了承ください。
それではどうぞ。
歩いているだけで汗が流れる時期は本当に辛い。
東京都西部に位置する完全独立教育研究機関もしくは、科学の最先端都市等の名前で呼ばれているここ『学園都市』はジャングルの木々のように高層建築物やコンクリート製の建物が建ち並んでいる。その有様は比喩抜きでコンクリートジャングルと言っての過言ではないほどのものである。
(暑い・・・)
ただその最先端の技術は夏場のクソ暑いアスファルトを冷したりすることはなく、食料、医療、軍事、さらには
そんな不可思議な街を夏用のパーカーに身を包み歩く少女がいた。少女の名は立花響。総人口約230万人、その約八割を閉める学生達の中の一人である。
明るめの茶髪と黄色に近い琥珀色の瞳、美しいという言葉よりかわいいの方が似合う顔たちではあるが、気怠そうな表情と無口な性格からか、少し誤解を受けやすい女の子である。だが彼女を知る人物からすれば思いやりがあり、人助けをする姿が度々目撃される優しい女の子なのだ。
さてあと少しで終わる夏休みため学生達は、楽しい思い出を作りに励もうと繁華街の方へ行く中、彼女はそれとは逆の方向にある学生寮の方へ向かっていた。
そうこう歩いていていると目的の場所に着いた。そこは古い男子の学生寮であった。オートロックはついてあるが、寮生の許可した相手にだけ送ることが出来るQRコードを見せれば誰でも入ることが出来る、すこしだけセキュリティが弱い安物の寮である。
ちなみに立花が住んでいる寮はここのオートロックよりもきちんとした物であり、男子が入った時点で警報が鳴り、寮の管理人がいる完璧な場所であった。
閑話休題。備え付けられてエレベーターに乗り込み目的の階層のボタンをおす。夏のエレベーターはサウナのように蒸し暑く万が一にでも壊れれば、修理業者が来る前に確実に脱水症状になってしまうレベルのものであった。
チーン、という音が鳴り目的階層に着く。エレベータを出て、端の方まで歩いたところが目的の部屋であった。インターホンを鳴らし、来たことをしらせる。そして、ドタバタ!と騒がしい音がこちらに近づき、鍵が外された音が聞こえた。扉を開けたのは男子専用の寮にはふさわしくない、
「あ!ひびきなんだよ。いらっしゃーーーい!」
「・・・インデックス、前にも言ったけどインターホンならしたらここの穴で誰が来たか確認でしょ。全部覚えられる記憶力あるのに何やってんだか・・・・・」
「今日はひびきが遊びに来てくれるってとうまが言ってたからつい・・・」
えへへ、と可愛らしい笑顔を向けてくるせいこれ以上お説教はできないなと諦める。
少女の名はインデックス。和名で表すと禁書目録になるらしく、初見、というか今でも偽名ではないかと疑うが、本人曰くれっきとした本名(?)との事である。イギリスにある魔術結社(!?)『
ただ、現在はとある事情により、魔術からは1番離れている
そして本来の家主は、一学期の遅れを取り戻すため、夏休み返上の補習中であった。
そんな彼の代わりにインデックスは、まるでおもちゃ屋に来た子供のように立花の手を引っ張り家へ招き始めた。
立花を適当な場所に座らせ、ここの家主から『お客さんが来たら冷蔵庫のお茶出すんだぞ』と言われたので、彼の言う通り冷蔵庫の中にあるキンキンに冷えたお茶ポットとコップを持ち出し彼女にお茶を注いであげた。
基本的に表に表情をださない彼女でも、さすがにこの暑さには堪えたのか、コップに入ったお茶を一気飲みし、至福の表情になっていた。
「すごく気持ちよさそうな顔になってるよ、ひびき」
「それだけこの冷えた部屋と冷たいお茶が居心地いい場所になってるって事だよ・・・。それで今日は何するの?」
彼女がここに来る理由の一つとして、彼女に家事や電化製品の使い方を教えることが挙げられる。
とある事情で、社会的常識がかなり欠如しているため、本来なら家主の少年が教えるべきだが、補習や怪我による入院のせいで一日中家にいることが少ないため、代わりに彼女が教えにやってくることがあるのだ。
ただし、今日はそう言った内容ではなかったようだ。
インデックスはイイ笑顔で立花を見て、
「あのね、とうまとひびきが出会ったときの話が聞きたい!」
ブブーーーッッ!!思わず口にしていた二杯目のお茶を口から噴き出してしまった。茶色なのに虹色のアーチがかかる。
「は、はぁっ!?何で急に・・・!?」
「ひびきっていつからとうまの友達になったのかなって聞いたら、『あいつから聞いた方がいいぞ』って言われたから聞いてみたんだよ」
(・・・あの馬鹿、こっちに面倒事押しつけたな・・・!?)
「ねえ教えて、教えて!!」
立花の服を引っ張り駄々をこねるインデックス。自身の魅力を最大限利用した交渉は成功したようで、立花は心の中でヤレヤレと思いながら話す決心をした。
「分かった、分かったから服引っ張るの止めて。やめないと、私と上条の話しないよ」
「うん、分かった!」
服を引っ張るのをやめたインデックスは、立花の膝の上に乗り、自分膝の上には飼い猫のスフィンクスを乗せていた。
「・・・あのさぁ・・・・」
「ここで聞いちゃだめ?」
目を潤ませて再度おねだり交渉に持ち込み、またしても立花はインデックスのおねだりに負けてたのであった。
スフィンクスも一緒に聞こうねー、と話しかけるが、ニャーという返事が返ってくるだけだった。
「それじゃあ、始めるよ」
「うん!」
元気な返事と共に、一度聞いたことを忘れない記憶力を持つ少女は話を聞く体勢になっていた。
少女は去年の起きた出来事を思いだしながら話を始めた。
今日みたいな暑い夏の日に起きた、とある少女のお話を。
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