転生したら霜男だった件 それいけジャックフロスト   作:機関銃くん

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26話《改めまして極悪霜男です》

 

 と先日晴れて覚醒魔王となることとなった俺ことヨクル=ライフでしたが。

 進化に伴いまたしてもスキルが変わっておりました。

 

 そのもっとも足る物が双子之王(ヘンゼルとグレーテル)ですねー。

 

 リムルさんへの挨拶を済ませた俺は自室に戻ると俺にそっくりな双子之王ことアダムに向き合い、手を組むと。

 

「さて………説明を求む」

 

 うん、説明を求めた。

 だって、仕方無いじゃん!?進化したらしい俺自身何が何やら良くわからんし、理解する努力なんかしてる暇あれば分かる奴に聞いた方が早いわけで。

 いやいや、思考の放棄だって?まぁまぁ、待つんだ。

 

 それの何が悪いのかな?

 

 てな感じで開き直りな俺は現状の説明をアダムに求めた。

 するとアダムも素直に説明に入ってくれた。あれれ?進化して性格も進化したのか?

 多少煽って来るのかと思いきや、ヨクルさん驚き。

 

 何て事もバレてるのだろうか、アダムは額を押さえ天を仰ぎつつ話し出す。

 

 

「だな。先ずは主さんの種族が変わってるな、前は霜男(ジャックフロスト)だったが今は極悪霜男(ジャアクフロスト)だな」

 

 極悪!?

 マジか、てことは他のスキルも変わってたりすんのかな?

 

 実際自身に解析を掛けてみた結果。

 

 雪花之女王(シンデレラ)双子之王(ヘンゼルとグレーテル)・脈動回復・大自然・魔力感知。

 各種耐性。

 状態異常・精神異常・全属耐性等々。

 

 数は減ったけど纏まって進化したスキル達。

 

「ちな双子之王(ヘンゼルとグレーテル)がもっとも優れているのは多重存在が含まれている所だ。同じ空間、時間に同じ存在を作れるスキル。一対多数を強制的に作れる。このスキルのお陰で俺も存在している」

 

 わぁお。

 詳しく見てみればなぁにこれ?

 

 双子之王(ヘンゼルとグレーテル)

 ・森羅万象

 ・多重存在

 ・並列高速演算

 ・解析

 ・理想の君

 ・守護

 

 雪花之女王(シンデレラ)

 ・絶対零度

 ・氷細工

 ・灰雪被り

 ・幻想

 

 前に見たことがあるスキルもあるが、真新しいのもチラホラあるな。

 特に雪花之女王(シンデレラ)

 

 これまで凍結、氷結、停止、奪取等の氷由来の力。

 その全てが合体し強化されたであろう名前をしている絶対零度。

 実際に使ってみないと効果の程はわからないが、絶対強いでしょ!

 

 そして灰雪被り。

 そう、正しく雪花之女王(シンデレラ)なスキル。

 詳細はまだ分からず、後々の確認になるだろうが、何処まで行っても俺は俺、雪と氷と寄り添う存在。

 今になって思う、俺ってそんなに冷たい人間だったのだろうかと。

 ……いかんいかん、なんか思考が脱線してしまっている。

 

「てか何故に童話縛りの名前なんかねー。リムルさんなんか天使とか悪魔の名前なのにな。まぁいいか、強くなったのは確実なんだろうし……はぁ……俺は一体何処に向かっているのやら……」

 

「……だな。いいんじゃねぇの?後々目的地なんて決めればよ。それはそうと……ヴェルドラそろそろ復活すっかもよ?」

 

「………マジ?」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「………マジだー」

 

 アダムの言葉通りにヴェルドラは見事復活を果たした訳だ、何故か人形態で。

 金髪で均等の取れた筋肉質な長身、まるでヤンキー待った無し。

 しかしながら周りは皆魔物な訳で俺自身も魔王で魔物であるから、見た目なんぞは今更感が半端ない。

 

 だが、こうして改めてヴェルドラの信頼というか寧ろ信仰みたいな物は絶大だったのだと思い知る。

 誰も彼もがヴェルドラの復活に歓喜し歓声をあげ、皆で喜びを分かち合うお祭り状態で。

 

 俺は人の波に飲まれ、ドラム洗濯機の如く目を回しながらどうにかヴェルドラ並びにリムルさんの所へたどり着く。

 

 既に息は絶え絶えだがな!

 

 それにしても近くで見ると尚ヤンキーだな。俺はマジマジとヴェルドラの周りを歩きながら観察する。

 

「なんだ、なんだっ!我が友よ!感動の再開だなっ!」

 

「………うぐっ!?は、離せっ!」

 

 高身長から繰り出される激しい抱擁は俺に逃げる余裕を与える間もなく低身長を愚弄するかの如く抱き潰され。

 まるで潰れたカエルのよう。

 

 離せと言うのに、この馬鹿力のドラゴンは一向に力を緩める様子は無く。寧ろ強める始末。

 

「………このやろ……」

 

「ワハハハ!!戯れは楽しいなっ!」

 

 ならもっと楽しませてやろう!

 こっそり雪花之女王(シンデレラ)の絶対零度を発動させ、すこし腕の力を停止させてやろうと思ったんだけども……。

 

「…………ありゃ?」

 

 蓋を開けてみれば、停止させるだけのつもりが。

 ヴェルドラの腕がまるでガラス細工の様な氷になり、何故か氷が覆っている腕は完全にその機能を停止させていた。

 そう力を入れると言う機能ではなく、腕としての機能を止めていた。

 

「……やべ……解除、解除」

 

 そっと氷に触れると共に蒸気を吹きながらガラスが割れるようにもともとあった腕に戻っていた。

 

「うむ、ヨクルも強くなったな!我は誇らしいぞっ!」

 

 自身の腕が無くなったも同義だと言うのに。懐が広いのか、そもそも気に止める事でもなかったのかヴェルドラは変わらず豪快な笑みを浮かべていた。

 

「さいですか。俺も会えて嬉しいよ、友達に」

 

「友達……くぅ~!!なんと良い響きかっ!ではっヨクルよ!我は街を散策して参る!リムルの中で楽しげか場所には目星をつけていたからな!ワハハハ!!」

 

 そう振り向き様に言い残すと脱兎の如く走り出していた。全くもって落ち着き無く、辺りを巻き込み颯爽と去っていく正に……。

 

「……暴風だな」

 

「終わったか?」

 

 既に見えなくなったヴェルドラを見送った後、建物の影から現れたアダム。

 久々の再開だからと気を聞かせてくれたのだろうか。

 

 いや、違うな。

 こいつ絡まれるであろう事を予期して隠れて過ごしていたな。

 

「一応、顔見せは終わったのか。てかお前隠れてやり過ごしやがっただろ、今度ヴェルドラの前に突きだしてやる。俺の苦労を味わえ」

 

「勘弁しろよ……」

 

 こうして、リムル並び俺は覚醒魔王と呼ばれる存在に進化したのだった。

 事の結末は人間国への落とし前。やられたからやり返した結果の進化だった訳ではあるのだが。

 しかし、そうなんだー、へー。

 と流してくれる訳もなく、以前から存在し猛威、威光を示していた魔王連中は誰もが突然現れた魔王に興味をあらわにして行く。

 

 魔王となった。

 数日後、魔王達からお茶に誘われちゃった-w-w

 

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