ペルソナ THE PHANTOM ELEVENS ~心の怪盗団と革命の風~   作:ヒビキ7991

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Act.00/高校生 松風天馬

ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

 

 

『本日もご利用下さいまして、ありがとうございます。この電車は各駅停車、中央林間行きです。』

 

 

20XX年4月2日、土曜日。ある一人の少年が電車に揺られ移動していた。

 

 

天馬

「明後日から遂に高校生かぁ。何だか楽しみだなぁ。」

 

 

少年の名は「松風天馬」。中学一年で雷門中サッカー部キャプテンを勤め、チームをホーリーロード優勝へと導いた。更に過去と未来にタイムスリップ、宇宙に飛び立ち異星人との交流と、常人には理解出来ない様々な体験をした男である。そんな彼も三年間の中学校生活を終え、晴れて明後日から高校生としてのスタートを切る事となった。

 

 

『次は、四軒茶屋。四軒茶屋です。』

 

 

天馬

「そろそろ降りる準備しなきゃ。」

 

 

キキイイィィ! プシュー

 

 

電車は目的の駅「四軒茶屋駅」に到着し、ドアが開いた。天馬は網棚に載せていた荷物を取り、電車を降りた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~四軒茶屋 路地~

 

 

電車を降りた天馬は駅を出て、地図を頼りに路地を歩いていた。

 

 

天馬

「え~っと、ルブランルブラン……あ、あった!」

 

 

到着したのは、裏路地にヒッソリと佇むレトロ感漂う小さな喫茶店《ルブラン》。

 

 

カランカラン

 

 

天馬はドアを開け店内に入る。店内ではエプロンと眼鏡をしたマスターとおぼしき中年の男が居た。

 

 

天馬

「あのー、すみません…」

 

マスター

「………」

 

 

マスターは天馬に気付かず、新聞を睨んでいる。天馬がソッと近づき何を見ているのかと顔を覗かすと、マスターが見ていたのはクロスワードパズルだった。

 

 

マスター

「え~っと、二文字でヒントが『防御する物』か…」

 

天馬

「『盾』じゃないですか?」

 

マスター

「いや横だよ………お?」

 

 

天馬が答えを言った事で、マスターは初めて天馬に気づいた。

 

 

マスター

「お前、もしかして天馬か?」

 

天馬

「はい。じゃあ、貴方が秋姐の話してくれた佐倉さんですか?」

 

マスター

「おう。」

 

 

マスターは新聞を畳み、立ち上がる。

 

 

マスター

「初めまして、此処のマスター《佐倉 惣治郎》だ。秋ちゃんから話は聞いてると思うが、今日からお前の面倒を見ることになってる。」

 

天馬

「松風天馬です。今日からお世話になります。」

 

 

天馬は惣治郎に頭を下げる。天馬は高校進学するにあたり稲妻町を離れ、秋の知り合いである惣治郎が経営するルブランに居候する事になったのだ。

 

 

惣治郎

「早速だが、ちょっとついて来い。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~ルブラン 屋根裏部屋~

 

 

惣治郎は天馬をルブランの屋根裏部屋に案内した。

 

 

惣治郎

「悪いんだが、お前に貸せる部屋は此処しか無くてな………」

 

天馬

「はぁ………」

 

 

部屋には使わなくなった様々な道具等が置かれており、部屋と言うより物置きと言った方が正しい状態だ。

 

 

惣治郎

「それから………これは急に決まった事なんだが、来週にもう一人居候に来ることになった。」

 

天馬

「もう一人?」

 

惣治郎

「要するに相部屋になるって事だよ。ホンと急で決まった事で悪いんだが、大丈夫か?」

 

天馬

「構いません。むしろそっちの方が楽しそうです。」

 

惣治郎

「あまり期待するなよ?地元でヤラかして前科が付いて、退学食らったガキらしいからな。」

 

 

と、惣治郎は天馬に鍵を渡した。

 

 

惣治郎

「この店の鍵だ。夜は店閉めて引き上げる。くれぐれも面倒な事は起こさないでくれよ?」

 

天馬

「分かりました。」

 

惣治郎

「届いた荷物はそこに置いてある。後は自分で片付けな。」

 

 

そう言うと、惣治郎は屋根裏部屋から去っていった。

 

 

天馬

「さてと、それじゃ………」

 

 

天馬は荷物を下ろし、早速屋根裏部屋を片付け始めた。棚に無造作に積まれていた古本を箱に詰め、部屋の一角に纏められていた道具等を移動させ、部屋中に積もっていた埃を綺麗に落とし、床を箒とモップで綺麗にした。そして夜………

 

 

天馬

「ふぅ、取り合えずコレで良いかな?」

 

 

屋根裏部屋は綺麗に片付き、部屋の片隅には偶然見つけた綺麗な古いタンス、窓際にはビールケースとベニヤ板で作った簡易ベッドまで置かれていた。その後天馬は届いた荷物を箱から出し、衣類はタンスの中に納め、棚には自身の思い出の品を置いた。初めて参加したホーリーロード全国大会優勝記念で撮った雷門中サッカー部の集合写真と、イナズマジャパン兼アースイレブンの集合写真。サッカー部時代に愛用していたスパイク。自分がサッカーをするキッカケとなった思い出のサッカーボール。そして壁にはサッカー部時代に使っていたユニフォームと、イナズマジャパン時代に使っていたユニフォームが架けられていた。

 

 

天馬

「そうだ、秋姐に連絡入れないと。」

 

 

天馬はスマホを取り出し、画面を立ち上げる。

 

 

天馬

「…ん?」

 

 

すると、ホーム画面に見慣れないアプリが入っていた。赤い目玉の不気味なアプリだ。

 

 

天馬

「何だろう?こんなアプリ入れた覚え無いけど…」

 

 

天馬はアプリを起動しようとするが、肝心のアプリは全く起動しない。天馬は仕方なくアプリを消去し、秋に電話を入れた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ルブラン 店内~

 

 

二日後、4月4日、月曜日の朝。ルブランの店内では惣治郎が朝のニュースを見ながら開店の準備をしていた。そこへ………

 

 

天馬

「おはようございます!」

 

 

屋根裏部屋から新しい高校の制服姿の天馬がやって来た。制服は黒と赤のチェック柄のズボンと白いYシャツと黒いブレザーで構成されており、ジャケットには赤いボタンが目立ち、左胸に学校の校章ワッペンと学年章ピンズがしてあった。

 

 

惣治郎

「おはよう。お?随分と様になってるんじゃないか?」

 

 

惣治郎は笑顔でそう言うと、カウンターに焼きたてのトーストと淹れるたてのコーヒーを置いた。天馬はカウンターに座り、朝食を食べ始める。

 

 

惣治郎

「今日から晴れて高校生だな。どうだ?不安か?」

 

天馬

「いえ、むしろ楽しみです!新しい学校で、新しい友達作って、それからサッカー部に入って全国高校サッカー大会に出て、それで………!」

 

惣治郎

「へへっ、色々目標を立てるのも良いが、あまり無茶するなよ?」

 

 

惣治郎は笑いながら自身も天馬の隣に腰を下ろした。

 

 

『次のニュースです。先日、東京新宿区内で発生したコンビニ爆発事故を受けて、警察は今日現場検証を行うことを発表しました。』

 

 

惣治郎

「最近、物騒な事故が多いなぁ。」

 

天馬

「最近聞く《精神暴走事故》ってやつの類いでしょうか?」

 

惣治郎

「さぁな?そこまでは分からねぇよ。」

 

 

実は天馬がルブランに来る数ヶ月前から、都内では交通事故や爆発事故が立て続けに発生していた。加害者たちは突如豹変したかのように事件を起こすが、事後には「なぜそんなことをしたのかわからない」と語るらしい。世間ではこれを《精神暴走事件》と呼ばれ恐れられているらしい。

 

 

惣治郎

「お前も巻き込まれない様に気を付けるんだぞ?」

 

天馬

「分かりました。」

 

 

天馬は朝食を済ませると、ルブランを後にし四軒茶屋駅に向かう。そして四軒茶屋駅から田苑都市線で渋谷駅に向かい、渋谷駅から地下鉄銀坐線に乗り換え、学校の最寄駅である蒼山一丁目駅に向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~私立秀尽学園高校 校門前~

 

 

天馬は蒼山一丁目駅を降り、自身が今日から通う《私立秀尽学園高校》へとやって来た。

 

 

天馬

「今日からついに高校生………よし、気合い入れて行くぞ!」

 

 

天馬は気合いを入れ、元気よく校舎へと向かった。新しい学校での新しい物語が、始まったのだ。

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