ペルソナ THE PHANTOM ELEVENS ~心の怪盗団と革命の風~   作:ヒビキ7991

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Act.13/潜入メメントス!これが私の恩返しよ!《前編》

~ベルベットルーム~

 

 

心の怪盗団ザ・ファントムが結成された日の夜、蓮と天馬はベルベットルームに呼び出されていた。

 

 

イゴール

「ご機嫌よう。先ずは、おめでとうと言っておこう。美学を共有する仲間と出会い、お前達は現実に自分の居場所を見出だした………ククク、いよいよだ。」

 

「イゴール、いったい何が始まるんだ?」

 

イゴール

「蓮、お前には特別な素養がある。だが素養とは、磨かれて初めて『力』となる。今はまだ弱いが、それを養い来るべき破滅に抗いうる『強さ』を得ること、それがお前に課す『更生』だ。破滅に抗う力を得る術はいくつかある。シャドウと戦い経験を積むも1つ、以前教えた合体もその1つだ。」

 

カロリーヌ

「ただし囚人、主がお前を手引きするのならだ。」

 

ジュスティーヌ

「僭越ながら、私達からも助言を………貴方達が現実を過ごす合間に、契約した者との関係を洗練させなさい。」

 

天馬

「契約の洗練って………どうするの?」

 

ジュスティーヌ

「簡単です、契約した者と同じ時を過ごしなさい………それが関係の洗練に繋がります。」

 

カロリーヌ

「惰眠を貪る暇があれば契約者を訪ねろ、囚人!」

 

ジュスティーヌ

「それもまた、主が仰った破滅に抗いうる『強さ』を得る術です。」

 

イゴール

「同志達との契約で、お前達の心は着実に抗う力をつけている………更生は順調な様だ、実に喜ばしい。今後とも、期待している。」

 

 

ジリリリリリリリリ!

 

 

警報が鳴り響き、天馬と蓮は現実へと戻された。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~秀尽学園 教室棟 2階廊下~

 

 

翌日、5月6日 金曜日の昼休み。

蓮・天馬・竜司・杏は教室棟2階の階段付近に集まり、怪盗お願いチャンネルの書き込みを見ていた。蓮の鞄の中にはモルガナ、天馬の鞄の中にはグッドストライカーも居る。

 

 

天馬

「怪盗お願いチャンネル、少しずつだけど書き込み増えてるよ。」

 

竜司

「『いつも借りパクする友達に謝罪させたい』って、そんなのテメェで何とかしろっつーの!」

 

 

すると、一行の直ぐ近くで2年の女子生徒2人が何やら話をしていた。

 

 

女子生徒1

「怪盗が鴨志田の心盗んだってマジ?」

 

女子生徒2

「あんなの作り話に決まってるでしょ?アンタマジで怪盗なんか信じてんの?」

 

女子生徒1

「でも、鴨志田ああなったじゃん?」

 

女子生徒2

「飛び降り自殺して隠し通せなくなって、自分でゲロッたんだよ。それよりこんなことで学校が有名になっても、マジ迷惑なんですけど………」

 

 

女子生徒2人はそのまま階段を下りて行き、女子生徒2人が見えなくなったと同時に、グッドストライカーとモルガナが鞄から顔を出した。

 

 

グッドストライカー

「やっぱ、現状は何処もあんな感じか………」

 

竜司

「だよな、でも今に見てろ………誰でも知ってる大物を2人3人やってけば、信じるしかねぇ筈だ!」

 

「でも、その大物って今のとこメド無しなんだよね?」

 

「鴨志田に対する脅迫の噂もあるしな………」

 

モルガナ

「しばらくは、真面目に学生生活を送るしか無さそうだな………」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~中庭 休憩スペース~

 

 

放課後、天馬と蓮は中庭の休憩スペースに居た。すると………

 

 

三島

「あ、居た居た!」

 

 

そこへ三島が現れた。全身にあった怪我や痣は綺麗に消え、暗かった印象もすっかり無くなっていた。

 

 

天馬

「三島さん?」

 

三島

「探したよ、2人とも。」

 

 

三島は天馬の隣に腰を下ろした。

 

 

三島

「見てくれた?怪盗お願いチャンネル。」

 

「ああ、最近話題になってるな。」

 

三島

「あれ立ち上げたの、俺なんだよね~。」

 

 

三島の突然のカミングアウトに、2人は驚愕した。すると………

 

 

竜司

「おーい、来たぜ?って、三島?」

 

 

今度は竜司と杏と志帆がやって来た。志帆も全身にあった怪我や痣は綺麗に消えていた。

 

 

志帆

「久し振り、松風君。」

 

天馬

「鈴井さん!」

 

 

天馬は立ち上がり、志帆に近づいた。

 

 

天馬

「身体は大丈夫なんですか?」

 

志帆

「うん、もうバッチリ!」

 

「志帆ね、天馬にこの前の御礼がしたいんだって。」

 

天馬

「この前って………?」

 

志帆

「私が飛び降りた時、松風君が受け止めてくれたでしょ?あの時、松風君が私を受け止めてくれなかったら、私は多分………だから、退院したらちゃんと御礼が言いたかったの。ありがとう、松風君。」

 

天馬

「いやそんな、御礼なんて………」

 

 

志帆に感謝の御礼を言われ、照れる天馬。と、志帆は何故かモジモジしていた。

 

 

志帆

「それとね………え~っと………」

 

天馬

「はい?」

 

志帆

「………やっぱり何でもない!ありがとう、それとゴメンね!」

 

 

志帆はそう言うと、中庭を去っていった。

 

 

「急にどうしたんだ?」

 

「志帆ってば、あとちょっとだったのに………」

 

天馬

「ん?」

 

三島

「………ところでさ。」

 

 

と、突然三島が口を開いた。

 

 

三島

「単刀直入に聞くけど、怪盗団ってのは君らなんだろ?」

 

 

三島の発言に、一行は驚愕した。

 

 

三島

「やっぱり………もし俺が思ってる通りなら、秘密にしておいた方がいいよな?君達に酷いことをしてきた御詫びって訳じゃないけど………俺に出来る事があれば、何でも言ってくれ!」

 

「気持ちは嬉しいが………」

 

三島

「俺も、そう言ってくれると嬉しいよ。悪い大人は鴨志田以外にも沢山居る。でも、怪盗ならきっと何とかしてくれる………1度きりで終わる筈ない。」

 

天馬

「だから怪盗お願いチャンネル………悩み事が集まるサイトを作ったって事ですか?」

 

三島

「そう言うこと。俺の他に怪盗団の今後に期待してる連中は、多分沢山居る。だから、あのページには匿名アンケートも実装してあるんだ。」

 

「匿名アンケート?」

 

竜司

「ひょっとしてコレか?『怪盗団を信じますか?信じませんか?』ってヤツ。」

 

 

竜司はスマホでサイトのページを開き画面を見せる。ページには信じる、つまり支持率を示すゲージが映っている。

 

 

三島

「俺はいつか、それを支持の声でいっぱいにしたい………怪盗団の正義の行いの役に立ちたいんだ!なぁ、いいだろ?」

 

「………なるほど、面白そうだな。」

 

 

蓮は笑顔でそう答える。それは三島に対するOKのサインだった。

 

 

三島

「期待に答えてみせるよ………じゃあね!」

 

 

三島はウキウキしながら、その場を去っていった。三島が居なくなった事を確認すると、モルガナとグッドストライカーが鞄から顔を出した。

 

 

グッドストライカー

「なぁこれ、オイラ達のことバレてるよな?」

 

「でも、あの様子なら大丈夫だと思うけどね。」

 

モルガナ

「悩み事が集まるページか………コイツは意外と使えるかもだぜ。」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~教室棟 屋上~

 

 

翌日、5月7日 土曜日の放課後。

怪盗団一行は屋上のアジトに集まって怪盗お願いチャンネルの掲示板を見ていたが………

 

 

竜司

「ロクな書き込みがねぇ、恋人やら親への愚痴ばっかりだ………」

 

グッドストライカー

「大物の依頼は来そうにねぇな………こうなりゃ地道に足で探すか?」

 

天馬

「いや、余計無理じゃないかな?」

 

 

ガチャン

 

 

突然屋上の扉が開き、茶色っぽい黒髪のショートボブにクラウンブレイドをした、赤い瞳の凛々しい女子生徒が現れた。モルガナとグッドストライカーは慌てて隠れ姿を消した。

 

 

天馬

「あれは………生徒会長?」

 

「知ってるのか?」

 

天馬

「あ、蓮は知らないんだ………3年生の《新島 真》先輩、学園の生徒会長だよ。と言っても、俺も入学式の時に顔を見ただけで、直接的な面識は無いんだけど………」

 

 

真は真面目な顔で蓮達を見るが、竜司と杏は何やら警戒している。

 

 

「ここ、立入禁止の筈だよ?」

 

竜司

「話終わったら直ぐ出ますって………つか、会長サンが何か用ッスか?」

 

「いえ………問題児君に噂の彼女、それに訳有りの転校生とそのルームメイト、変わった取り合わせだなって思ってね。」

 

「感じワル………」

 

「ところで、鴨志田先生と色々あったみたいだけど?」

 

「この学校に居れば、嫌でも鴨志田先生と接点あるでしょ?」

 

 

杏がそう言うと、真は蓮に目を向ける。

 

 

「前歴のこと、鴨志田先生がバレー部員を使って広めたらしいわね?」

 

 

と、今度は天馬に目を向ける。

 

 

「あなたも鴨志田先生が信じ込ませた噂のせいで、サッカー部の入部テストを取り消された………ねぇ、鴨志田先生のこと憎くないの?」

 

 

真はまるで天馬と蓮を煽る様な発言をする。2人はここに来てようやく、真に対する警戒心を抱いた。

 

 

竜司

「おあいにく様、コイツら会長サンが思ってるよりズーッと出来た人間なんで。」

 

「気を悪くしないで、鴨志田先生の件で動揺してる生徒も多いの。予告状みたいな可笑しな貼り紙の噂も、中々消えないし………」

 

「意外!新島先輩って、あんなセンス無い貼り紙のこと気にしてんだ。」

 

竜司

「センスねぇ事はねぇと思うけど………つか、もうよくねぇッスか?話しかけられてると出れねえし。」

 

 

竜司がそう言うと、真は何やらイラついた目をする。

 

 

「悪ふざけに付き合わされる身にもなってよ………そうそう、ここ例の事故もあったし封鎖することになったの。誰かさんが無断で入ってるって、そんな噂もあるしね。」

 

 

そう言うと、真は屋上から去っていった。真が去った事を確認すると、モルガナとグッドストライカーが姿を見せた。

 

 

「何よ、あれ!?」

 

グッドストライカー

「な~んか感じの悪い女だなぁ………」

 

モルガナ

「こりゃ完全に目ぇ付けられてるなぁ………あの新島とか言う女、なかなか頭がキレそうだ。用心した方が良いぞ。」

 

竜司

「メンドくせー事になったなぁ………」

 

モルガナ

「頭と面倒臭いと言えば、お前らちゃ~んと勉強しろよ?知性で解く罠だって少なくないだろうし。日常の行動全てが力になると思え。」

 

竜司

「そうだけどよぉ、せっかく世直しすんぞって気合い入ったとこなのに、ノらねぇなぁ………」

 

モルガナ

「だったらその前に、面白い場所へ連れて行ってやろう。元々我輩の仕事の手伝いもするって約束だったしな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~渋谷駅 駅前広場~

 

 

一行はモルガナに連れられ、渋谷駅前広場の青ガエルの側にやって来た。

 

 

モルガナ

「これから我輩の言う通りに頼む。先ずは怪盗お願いチャンネルを開いてくれ。」

 

 

蓮達4人はスマホを手に取り、怪盗お願いチャンネルのサイトを開く。

 

 

モルガナ

「掲示板の中から、相手の名前が晒されてる書き込みを探せ。」

 

竜司

「ネットに相手の名前晒すか?恐え恐え………」

 

 

4人は掲示板の書き込みから、相手の実名が晒されてる書き込みを探す。すると………

 

 

「あったぞ。『元カレが最近ストーカー化して困ってます。名前は、中野原夏彦。区役所の窓口係です。』だそうだ。」

 

天馬

「区役所の人がストーカーって………」

 

 

相手の方に呆れる天馬であった。

 

 

モルガナ

「手頃だな。よし、ならイセカイナビの用意だ。」

 

竜司

「即パレス行くって事か?ま、俺はいいけど!」

 

「なら、行くしかないな。」

 

天馬

「俺も賛成。」

 

「私も!」

 

グッドストライカー

「決まりだな!」

 

 

全会一致で、ターゲットは中野原夏彦に決まった。すると、天馬が掲示板の書き込みに気になるモノを見つけた。

 

 

天馬

「ちょっと待って!………これ、もしかして鈴井さんの書き込みじゃないかな?」

 

 

一行は天馬の発言に驚き、天馬は書き込みを読み始める。

 

 

天馬

「『怪盗団の皆さん、助けて下さい!私は秀尽学園に通う2年生の生徒です。先日怪盗団が鴨志田先生を改心させてくれたお陰で、私ももう一度頑張ろうって思いました。ですが私の両親は頑なに、自殺未遂のレッテルがあるから他の学校に転校させると言って、話を全く聞いてくれません。私の大好きな親友は、どんなに酷い噂をされても、どんなに酷い扱いをされても、私のために頑張ってくれました。私は、大好きな親友がいる秀尽学園を離れたくありません。怪盗団の皆さん、お願いします………私の両親を説得して下さい!両親の名前は………。』」

 

 

掲示板に晒された両親の名前を聞いて、杏は驚愕した。

 

 

「これ、志帆のお父さんとお母さんの名前!」

 

モルガナ

「どうやら間違い無い様だな………杏殿の親友の頼みだ、引き受けてやろうじゃねぇか!」

 

竜司

「んじゃ、先ずは中野原から行くか!え~っと、名前と場所と………」

 

モルガナ

「いや、今回は両方とも入れなくていい。代わりに、我輩の言う通り入力してくれ。キーワードは、『メメントス』だ。」

 

天馬

「メメントス?」

 

 

偶然にも天馬のスマホの音声入力が作動し、イセカイナビにメメントスと入力された。

 

 

イセカイナビ

『候補が見つかりました。』

 

 

ブォーン………

 

 

ナビを起動した途端、辺りの空間が歪み始め、気付けば自分達以外の人々が姿を消した。

 

 

グッドストライカー

「おい、人が消えたぞ!?」

 

竜司

「ここが、中野原ってヤツのパレスか?」

 

モルガナ

「半分正解、半分間違いだな。確かに此処もパレスだが、普通のパレスとはちょっと違う。今から地下に下りるぞ、此処のシャドウはどういう訳か地下に溜まってるんだ。」

 

 

一行はモルガナを先頭に、地下鉄入口から地下に下りる。だがこの時、一行は気が付いていなかった。青ガエルの影に、誰かが居たことに………

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~メメントス 入口~

 

 

地下に下りた怪盗団一行。だが下りた先は、自分達の知ってる渋谷の地下とは違っていた。

 

 

天馬

「うわぁ………」

 

「何だこれは………」

 

 

到着したのは駅の改札の様だが、辺りに血管の様な根っこの様なモノが絡み付き、恐ろしく禍々しい雰囲気を放っていた。

 

 

竜司

「つか、俺ら変わってるぞ!?」

 

 

さらに気付けば、一行はいつの間にか怪盗服に変身していた。

 

 

「シャドウに気付かれたの!?」

 

モルガナ

「とっくにな。だがまだ此処は大丈夫だ。何度か来て調べたが、シャドウは何故かこのフロアまでは上がって来ない。」

 

天馬

「此処が、さっきモルガナが言ってたメメントス?」

 

モルガナ

「そう、言い換えるなら皆のパレスだな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~思想奪われし路 ホーム~

 

 

一行は改札を抜け、止まってるエスカレーターを下り、地下鉄のホームらしき場所に到着した。

 

 

モルガナ

「前の城みたく、1人に支配されたパレスが出来上がるのは、歪みが並外れて強い奴だけだ。だが他の普通の大衆は、1つに融合した巨大なパレスを共有してる。それが此処、メメントスだ。」

 

竜司

「みんなのがくっついてるのか?赤の他人同士なのに?」

 

モルガナ

「まぁ要するに、ここを使えばパレスが無い人間でも改心させられるって訳だ。手順が少し違うがな。」

 

グッドストライカー

「けどよ、これだいぶ………いやかなり広いんじゃないか?歩いて行くなんて無理だろ………?」

 

天馬

「VSビークル………は、駄目だ。此処じゃ狭すぎる。」

 

モルガナ

「フッフッフ………」

 

 

突然、モルガナが不気味な笑い声を出し始めた。

 

 

モルガナ

「モルガナぁーー、変………身!トウッ!!」

 

 

何故かモルガナは謎の変身ポーズを決めジャンプ。

 

 

ボンッ! ドシン!

 

 

すると何と言う事でしょう。モルガナは黒いワンボックスカーに変身したではありませんか。

 

 

天馬・グッドストライカー

「えええええええええええっ!?」

 

「車に変身した!?」

 

竜司

「あり得ねえ!!」

 

 

一行はモルガナの摩訶不思議な変身に仰天した。

 

 

モルガナ

「大衆の心の中には、何故か『猫はバスになる』って認知が物凄い広く浸透しててな、そこで認知が具現化する異世界の仕組みを逆に利用して、ちょいと修行したんだ。名付けて、《モルガナカー》!」

 

「何で猫がバスになる認知が浸透してるんだ?」

 

モルガナ

「分からん………とにかく、これでメメントスの探索も楽になるぜ!さあ乗れ、お前ら!」

 

「ハイハーイ、じゃあ私が先!レディ・ファーストよ!」

 

 

杏はウキウキ気分でモルガナカーに乗り込む。

 

 

竜司

「おい、ちょっと待てよ!」

 

 

だが突然、竜司が待ったを掛けた。

 

 

「どうした?」

 

竜司

「天馬のコードネーム、まだ仮のままだろ?天馬もペルソナ使いになったんだし、探索する前にちゃんとしたコードネーム付けてやろうぜ?」

 

「あ、そう言えば《ライデン》って仮のコードネームだったっけ?」

 

 

杏はモルガナカーを降り、蓮達は天馬の姿を見てコードネームを考え始める。

 

 

竜司

「………俺やパンサーみたいに見た目で判断するなら、やっぱ《ペガサス》だよな?」

 

天馬

「悪く無いけど………出来れば、もうちょっと凝った名前が良いなぁ………」

 

モルガナ

「なら、《ストーム》か《テンペスト》はどうだ?どっちも《嵐》って意味だが。」

 

グッドストライカー

「おお、カッコいいじゃん!」

 

天馬

「う~ん、何か違う気がする………」

 

「なら、《ゼファー》はどうだろう?」

 

竜司

「ぜふぁー?」

 

「ギリシャ神話に登場する西風神、ゼピュロスの英語名だ。そこから転じて英語で西風。強風ではなく、そよ風を表している。」

 

竜司

「お前、ホントまじで優等生だろ………」

 

 

蓮の学力の高さに唖然とする竜司。

 

 

グッドストライカー

「けど確かに、天馬って風ってよりそよ風って感じだよな?」

 

天馬

「ゼファーか………うん、俺それがいい!」

 

「私も!何だか優しい天馬にピッタリかも!」

 

モルガナ

「決まりだな。よろしく頼むぜ、ゼファー!」

 

 

天馬の正式なコードネームは《ゼファー》に決定した。

 

 

ブオオオオオオオオン!

 

 

モルガナ

「出発進行!エンジン全開でカッ飛ぶゼ!」

 

 

そして一行はモルガナカーに乗り込み、ジョーカーの運転で線路に下り、メメントスの探索に出発した。

 

 

「車がレールの上を走るって、何だか新鮮だね。」

 

天馬

「此処の何処かに、中野原って人のシャドウが居るの?」

 

モルガナ

「パレス程じゃないが、ソイツも恐らく自分だけの空間に閉じ籠ってる筈だ。強い歪みのある場所に、ソイツの空間がある筈だ。」

 

 

一行はレールの上を走り、中野原の居る空間を探す。道中には何とも言えない見た目をしたモンスターのシャドウがウジャウジャ居る。

 

 

竜司

「にしても、アッチもコッチもシャドウだらけだな。」

 

モルガナ

「大衆のパレスだからな、当然シャドウもウジャウジャ居る。あまりシャドウを刺激するなよ?」

 

 

一行を乗せたモルガナカーは、シャドウを避けながら更に奥へと進む。すると、前方に強い歪みが見えた。

 

 

モルガナ

「見えたぞ!あの歪みの向こうだ!」

 

 

モルガナカーはスピードを上げ、歪みに突っ込んだ。

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