ペルソナ THE PHANTOM ELEVENS ~心の怪盗団と革命の風~   作:ヒビキ7991

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Act.13/潜入メメントス!これが私の恩返しよ!《後編》

歪みを抜けた先には、謎の小さな空間。その空間の中にはスーツ姿の若い男が居た。

 

 

グッドストライカー

「おい、誰か居るぞ?」

 

「アイツが中野原のシャドウか。」

 

竜司

「確か中野原は区役所の窓口係で、それがストーカーになったんだっけか?」

 

モルガナ

「とにかく、下りて話をしてみようぜ。」

 

 

蓮達はモルガナカーを下り、モルガナは元の姿に戻る。そして、一行は中野原のシャドウと対峙した。

 

 

シャドウ中野原

「誰だお前ら!?」

 

竜司

「お前が中野原ってストーカー野郎か?相手が嫌がる事して何が楽しいんだよ?少しは相手の気持ち、考えたらどうだ?」

 

シャドウ中野原

「うるさい!あの女は俺の物だ!俺の物をどう扱おうが俺の勝手だろ!俺だって物扱いされたんだ………同じことをして何が悪い!?」

 

竜司

「自分がやられたからって、人を物扱いすんな!ふざけやがって………」

 

シャドウ中野原

「俺より悪い奴なら幾らでも居るだろ!?そうだ、《マダラメ》………俺から全てを奪ったアイツは良いのかよ!?」

 

 

シャドウ中野原はそう言うと、背負いをせがむ小鬼のシャドウ《オバリヨン》に変身し、怪盗団に襲い掛かってきた。

 

 

「散れ!」

 

 

怪盗団は一旦散開し、全員距離を取る。

 

 

竜司

「どうやってやっつける?」

 

天馬

「俺がヤツの動きを止める。そしたら全員で一斉攻撃でどう?」

 

 

天馬のアイデアに、一行は賛成した。

 

 

天馬

「グッディ、前に教えてくれたヤツやろう!」

 

グッドストライカー

「待ってました!行くぜ!」

 

 

天馬はグッドストライカーを掴み、ダイヤルファイター状態のままVSチェンジャーにセット。

 

 

『グッド!ストライカー!』

 

 

グッドストライカー

「メイクアップ・ゲーム!」

 

 

ダイヤルを回し、3桁の数字を入力。

 

 

『3・2・1!(キュピーン!)』

 

 

そして黒いグリップを握り、銃身を右へ90度回す。

 

 

『アクション!』

 

 

するとなんと、天馬が3人に分身した。

 

 

「分身しただと!?」

 

 

天馬×3

「行くぞ!」

 

 

3人の天馬は各々武器を構え、シャドウ中野原に襲い掛かる。シャドウ中野原はチョコマカと動き回り攻撃を避ける。

 

 

天馬

「そこだ!」

 

 

ガツンッ!

 

 

分身の1人がタイミングを合わせてボーラを投げ飛ばし、シャドウ中野原を拘束した。

 

 

天馬

「今だ!」

 

竜司

「行くぜ!」

 

 

ドカッ!バキッ!ドンッ!

 

 

蓮・竜司・杏・モルガナは武器を構え、一斉攻撃を叩き込む。そしてシャドウ中野原は降参したのか、元の姿に戻った。

 

 

シャドウ中野原

「わ、悪かった!許してくれ!俺、執着心が止められなくなってた………悪い先生に使い捨てにされて………」

 

「悪い先生?さっき言ってたマダラメってヤツか?」

 

「そっちも、身勝手なヤツのせいで苦しんでたんだね………」

 

天馬

「だとしても、関係ない人を巻き込むのはよくないです。自分がやられたから自分もやるなんて、完全にお門違いですよ。」

 

シャドウ中野原

「そうだな、その通りだよ………この恋は終わりにするよ。でもマダラメ………アイツも改心させてくれ!沢山のヤツが犠牲になる前に………!」

 

 

シュゥゥ………

 

 

そう言い残すと、シャドウ中野原は光となって消えた。天馬はVSチェンジャーからグッドストライカーを外し、分身を解いた。

 

 

竜司

「これで中野原ってヤツは改心したんだよな?」

 

モルガナ

「恐らく。ただ確認する方法は無いが………」

 

「ネットに実名書くぐらいなんだし、改心してたら御礼の書き込みとか書くんじゃない?」

 

「取り敢えず、中野原はこれでOKだ。次は鈴井の両親のシャドウを探そう。」

 

 

蓮の意見に一行は合意。再びモルガナカーに乗り込みメメントスを探索し、志帆の両親のシャドウを探す。だが………

 

 

ゴトン………ガタンゴトン………

 

 

竜司

「ちょ、ちょっと待て………何か音しねぇか?」

 

 

モルガナカーの後方から電車の音がする。恐る恐る後ろを見ると、後方から電車が猛スピードで接近していた。

 

 

ファーン!

 

 

グッドストライカー

「マジの電車来たー!?」

 

「マズイ!」

 

 

蓮はアクセルを踏みスピードを上げるが、じわじわと距離は縮まって行く。

 

 

竜司

「このままじゃ追い付かれちまうぜ!?」

 

天馬

「ジョーカー、あれ!」

 

 

天馬が前方に分岐点を見つけた。蓮は迷わず間一髪で引き込み線に逃げ込み、引き込み線内で停車。

 

 

ガタンゴトン!ガタンゴトン!

 

 

一方電車は分岐点を直進し、メメントスの闇の向こうに消えていった。

 

 

「た、助かったぁ………」

 

 

一行はギリギリ助かり安心したが、竜司はカンカンだった。

 

 

竜司

「おいモナ!!モロ営業中じゃねえかコラ!!」

 

モルガナ

「此処は地下鉄だぜ?電車走ってて当たり前だろ?」

 

「でも、此処って一応パレスなんでしょ?」

 

「となると、これが大衆が見てる日常の風景って事か?」

 

グッドストライカー

「こんな暗いトンネルが日常?理解に苦しむな………」

 

 

その後、一行は引き込み線を離れメメントス探索を再開した。

 

 

天馬

「て言うか、俺達普通に線路走って大丈夫なの?また電車が来たりしたら………」

 

モルガナ

「そん時はまた引き込み線に逃げ込めば良いんじゃないか?よく知らんが。」

 

竜司

「マジかよ………ポイントが逃げた方向に変わってたらどうすんだよ!?」

 

 

それから一行は電車に遭遇する事は無く、別の強い歪みを発見した。モルガナカーはスピードを上げ歪みに突っ込み、小さな空間に到着。空間の中には中年の男女が居た。

 

 

「居た!志帆のお父さんとお母さん!」

 

 

一行はモルガナカーを下り、モルガナは元の姿に戻った。そして怪盗団は志帆の両親のシャドウと対峙した。

 

 

シャドウ鈴井父

「お前たち、何者だ!?」

 

天馬

「鈴井志帆さんの御両親ですね?何で娘さんを転校させるって頑なになってるんですか?」

 

シャドウ鈴井母

「決まってるでしょ!?それが志帆と私達のためになるからよ!」

 

シャドウ鈴井父

「自殺未遂のレッテルに苦しめられてるのは志帆だけじゃない!私達だって志帆が自殺を図ったせいで、苦しんでるんだ!共に勤めてた会社で信用を失い、鴨志田先生の虐待を黙認していた事もバレた!」

 

シャドウ鈴井母

「もう、この街に私達の居場所は無い!だから私達は志帆と一緒に、何処か知らない街で幸せに暮らすのよ!」

 

「………だからって、志帆の意志は無視するの!?私だって、志帆は秀尽なんかに居ない方が幸せだって思ってる………でも、秀尽はレッテルの事なんか全く気にしてない!志帆はこれからも、秀尽で頑張ろうとしてるのよ!」

 

シャドウ鈴井父

「黙れ!!志帆は私達の娘………私達の物だ!!娘の将来は、私達が決める!!」

 

 

杏の説得に全く動じようとしない鈴井父のシャドウ。その時………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「杏………?」

 

 

突然、杏を呼ぶ少女の声がした。一行が声のする方を見ると、そこには………

 

 

天馬

「えっ?!」

 

「志帆?!」

 

 

そこには何故か、志帆の姿があった。

 

 

竜司

「もしかして、鈴井のシャドウか?」

 

モルガナ

「いや違う………アレは本物、鈴井志帆本人だ!」

 

 

モルガナの発言に、一行は驚愕した。

 

 

シャドウ鈴井父

「志帆!」

 

志帆

「お父さん!?お母さん!?どうして此処に!?」

 

 

志帆は両親のシャドウを見て驚いた。

 

 

シャドウ鈴井父

「志帆、お前は私達の子供だ!子供なら大人の、親の言うことに従うのが筋じゃないのか!?ああ!?」

 

志帆

「お父さん………」

 

シャドウ鈴井母

「元はと言えば貴女があんな事しなければ、こんな事にはならなかった!!もうこれ以上、私達を苦しめないで!!」

 

志帆

「お母さん………」

 

 

両親のシャドウから罵声を浴びせられ、志帆は泣き崩れそうになる。だが………

 

 

天馬

「………家族のため?娘のため?」

 

 

天馬は拳を握り、怒りの炎をメラメラと燃やしていた。

 

 

天馬

「そんなの只の言い訳だ。貴方達は、自分達の置かれた状況が嫌で逃げたいだけじゃないのか?」

 

シャドウ鈴井父

「な、何だと!?」

 

 

天馬は静かに志帆に眼を向ける。志帆は天馬の眼差しに気付き、顔を上げた。

 

 

天馬

「鈴井………いや志帆さん。貴女は何で秀尽に残ろうと思ったんですか?」

 

 

天馬が志帆に問うと、志帆は俯きながら答えた。

 

 

志帆

「………杏が頑張ってたから。杏は周りからどんな扱いをされても、私のために一生懸命頑張ってくれた。だから私も、秀尽で頑張りたいって思った。レッテルに縛られない強い自分に成りたかった………でも、私には無理なのかな………弱い私じゃ………」

 

天馬

「………雷門中時代、円堂監督が言ってました。『自分のことを決められるのは、自分だけだ。』『昨日の自分を超えていけ』って………」

 

志帆

「自分のことを決められるのは、自分だけ………昨日の自分を、超える………」

 

 

志帆は思い出した。鴨志田に虐げられ、親友に真実を打ち明ける事も出来ず、そして自ら命を絶とうとした、嘗ての自分を………

 

 

志帆

「………嫌………!」

 

 

志帆は拳を握り、涙を流す。

 

 

志帆

「もう弱い私は嫌………私は………私は強くなりたい!」

 

天馬

「なら、俺達と目指しましょう。今よりも強い自分………今よりも強い、鈴井志帆を………」

 

 

天馬と杏は優しく微笑み、志帆に優しく手を差し出す。

 

 

志帆

「天馬君………!杏………!」

 

 

志帆はブレザーの袖で涙を拭い、天馬と杏の手を取る。そして永いこと忘れていた、本当の笑みを浮かべた。

 

 

『本当に?』

 

 

ドクンッ!

 

 

志帆

「あッ………!?」

 

 

突然、激しい頭痛が志帆を襲い、志帆の頭の中に誰かが語り掛けて来た。

 

 

天馬

「志帆さん!?」

 

「志帆!?」

 

 

『弱い私?強くなりたい?………違う、貴女は弱くない。貴女はただ、自分の本当の強さを知らないだけ。』

 

 

志帆

「私の………本当の………強さ………?」

 

 

『私を解放しなさい。そうすれば、貴女は本当の強さを手に入れられる。貴女を助けてくれた彼に、貴女の大事な親友と一緒に戦える強さを。』

 

 

志帆

「………分かった、私やる!」

 

 

志帆は顔を上げ、両親のシャドウを睨む。すると志帆の顔に、杏のマスクと同形状の黒いキャットマスクが出現した。

 

 

『契約成立。我は汝、汝は我………これで始められるね、貴女の恩返し。』

 

 

志帆

「うん!出てきて、《ユウヅル》!」

 

 

志帆は流血と共に仮面を引き剥がす。仮面を引き剥がした次の瞬間、志帆の身体が青白い炎に包まれた。

 

 

ジャキン! シュン!

 

 

斬撃と共に炎が消えると、志帆は黒いラバースーツ姿となり、脚には黒いロングブーツ、腰には黒い尻尾、両手には黒いグローブと、銃身に赤いラインが刻まれた黒鉄色に輝く刃を備えたハンドガン型の銃剣を二丁。そして背後には、鶴を彷彿とさせる白い着物を纏った少女のペルソナがいた。

 

 

「鈴井が、ペルソナを!?」

 

竜司

「つかあれ、パンサーと同じ姿じゃ………」

 

 

志帆

「お父さん、お母さん、ごめんなさい!私、もう今までの弱い私じゃない………私はこの先、何があっても強く生きてみせる!杏と天馬君………私の大切な人達のために!」

 

シャドウ鈴井父

「………親の言うことが聞けないか!?この親不孝者が!!」

 

 

怒りに震える両親のシャドウは合体・変身し、酔いどれる多頭蛇のシャドウ《ヤマタノオロチ》に変身した。

 

 

「いや、これも立派な親孝行だ。自分達が思うより、強くなった自分を証明すると言うな!」

 

 

怪盗団は志帆を中心に集まり、両親のシャドウと対峙する。

 

 

志帆

「みんな、力を貸して!」

 

天馬

「ああ、喜んで!」

 

 

ヤマタノオロチは首を振り回し、怪盗団を攻撃する。怪盗団は四方に大きくジャンプし首を避け、志帆は着地して直ぐヤマタノオロチの8つの首に銃弾を撃ち込む。

 

 

グニュグニュ………

 

 

だが撃ち込まれて直ぐ、首に空いた穴が塞がった。

 

 

モルガナ

「何て再生能力だ!?」

 

「ならば!」

 

 

蓮はナイフ、モルガナはサーベルを振るい、杏はサブマシンガン、竜司は散弾銃を連射し、そして志帆は銃剣を、天馬はクリアグリーンの刃を持つブーメランを投げ、ヤマタノオロチの首を切断する。

 

 

グニュグニュ………

 

 

だが切断して直ぐ、全ての首が元通りに繋がった。

 

 

竜司

「これじゃキリがねえ!」

 

 

ゴパッ!

 

 

ヤマタノオロチは口から溶解液を吐き出す。怪盗団は華麗に避けるが、ジョーカーのスーツに溶解液が少し触れ、スーツの端が少し溶けてしまった。

 

 

志帆

「どうしよう、このままじゃ………」

 

 

キイイィィィン!!

 

 

突然、志帆の手の中に光る玉が現れ、光る玉は黄金に輝くダイヤルを持つ黒い銃に変化した。

 

 

志帆

「これって………天馬君、これ使って!」

 

 

志帆は黒い銃を天馬に投げ渡し、天馬は銃を受け取った。

 

 

天馬

「これは、銃?」

 

グッドストライカー

「んんっ!?」

 

 

グッドストライカーは銃を見て、何やら思い付いた様だ。

 

 

グッドストライカー

「ゼファー、ソイツをVSチェンジャーと合体させてみろ!」

 

天馬

「VSチェンジャーと?分かった、やってみる!」

 

 

天馬はVSチェンジャーを右手、黒い銃を左手に装備し、両者を合体させる。

 

 

『ファントム・フィーバー!!』

 

 

そして黒い銃の銃口をヤマタノオロチに向け、トリガーを引いた。

 

 

『イタダキ!ストライク!!』

 

 

銃口から8発の銃弾が放たれ、ヤマタノオロチはそれを1発ずつ飲み込んだ。

 

 

「食べちゃった!?」

 

志帆

「ユウヅル、お願い!」

 

 

グブブ………ドカーン!

 

 

すると、ヤマタノオロチの胴体が膨らみ、そして大爆発を起こし、辺りに溶解液が飛び散った。志帆のペルソナ、ユウヅルは怪盗団全員の前に障壁を出現させ、怪盗団を溶解液から守った。ヤマタノオロチが爆発した事によって、志帆の両親のシャドウは元の姿に戻った。だが2人とも戦意を喪失していた。

 

 

天馬

「勝負ありですね。」

 

シャドウ鈴井父

「ああ、認めよう………私達の敗けだ………志帆、すまなかった。私達はもっと、お前の声を聞くべきだったよ………」

 

シャドウ鈴井母

「私達は、娘の声に耳を傾けず、娘より自分達の安心を求めた………弱いのは、私達の方だったのね………」

 

シャドウ鈴井父

「………志帆、お前は強い子だ。お前はこの先、自分の選ぶ道を進むと良い。」

 

シャドウ鈴井母

「応援してるからね………ガンバるのよ!」

 

 

シュゥゥ………

 

 

両親のシャドウは優しい笑みを浮かべ、光となって消えた。

 

 

志帆

「お父さん!?お母さん!?」

 

天馬

「大丈夫、アレは志帆さんの両親の心です。改心して、元の自分に戻ったんですよ。」

 

志帆

「そう………なの?」

 

 

どうやら志帆は何が何だか分かってない様だ。

 

 

モルガナ

「一旦メメントスの外に出るぞ?探索は一旦中止だ。」

 

 

モルガナの意見に一行は賛成し、怪盗団はメメントスを離れた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~渋谷セントラル街~

 

 

メメントスを離れた一行は、渋谷駅前広場に居た。一行は志帆が落ち着きを取り戻したところで、自分達怪盗団について全てを話した。

 

 

天馬

「これで俺達の、怪盗団の事は全部です。」

 

志帆

「みんなが最近噂になってる心の怪盗団………鴨志田先生が変わった理由だったんだね………」

 

「黙っててゴメンね………」

 

志帆

「良いよ、私だって体罰のこと内緒にしてたんだから、お相子だよ。」

 

モルガナ

「それで、お前はこれからどうするんだ?」

 

 

モルガナは志帆に問うと、志帆はこう答えた。

 

 

志帆

「私、怪盗団の仲間になりたい!」

 

 

志帆の答えに、一行は驚愕した。

 

 

志帆

「怪盗団は、私を心から救ってくれた恩人………だから私、怪盗団に恩返しがしたい。杏や天馬君、みんなの力になりたい。」

 

 

志帆は怪盗団入団を希望し、一行は考えた。そして………

 

 

「………分かった、よろしく頼む。」

 

竜司

「あまり無茶すんなよ?病み上がりなんだからよ。」

 

「よろしくね、志帆!」

 

天馬

「よろしくお願いします!」

 

 

全会一致で、志帆は正式に怪盗団のメンバーとなった。

 

 

志帆

「ありがとうございます!」

 

「ねぇ志帆、この際だし天馬に打ち明けたら?」

 

 

杏がそう言うと、志帆は何やら頬を赤く染め、モジモジし始めた。

 

 

天馬

「志帆さん、どうしたんですか?」

 

「志帆ね、実は天馬に惚れてんだ。」

 

 

杏のカミングアウトに一行は仰天し、志帆は顔が真っ赤になった。

 

 

グッドストライカー

「天馬に惚れてるって、マジ!?」

 

志帆

「うん………天馬君は私にとって、白馬の王子様なんだ。屋上から飛び下りた私を、身体を張って受け止めてくれたから………。」

 

天馬

「は、はぁ………」

 

 

天馬もどうやら混乱してる様だ。

 

 

志帆

「私、天馬君の事が………その………好きになっちゃって………」

 

竜司

「えっ?好きって………」

 

「シッ!」

 

 

蓮に口を無理矢理封じられる竜司。

 

 

志帆

「その、学生と怪盗の二重生活で大変なのは承知だけど………私と………お、お付きあいして頂けませんか………?」

 

 

顔を赤く染めながら何とか天馬に告白した志帆。そんな志帆を見て、杏は心の中で「志帆、やっと言えたね!」と呟いた。そして一行は、一斉に天馬に眼を向ける。天馬は深呼吸をすると、右手を志帆に差し出した。

 

 

天馬

「………不束者ですが、よろしくお願いします!」

 

志帆

「は、ハイッ!」

 

 

志帆は天馬と握手をし、そして喜びの余り天馬に抱き付いた。

 

 

「おめでとう志帆!」

 

竜司

「おいおい、こんな展開有りか!?でも良いや!おめでとう、御二人さん!」

 

 

怪盗団は2人を祝福し、拍手を送った。

 

 

「よし、じゃあ今夜は志帆の親睦会と2人の祝杯パーティーだ!みんなで美味い物でも食べに行こう!」

 

竜司

「さんせーい!なら俺はうなぎ!国産の!」

 

モルガナ

「我輩寿司が良い!回らないヤツで!」

 

グッドストライカー

「オイラはフランス料理が良いなぁ。」

 

「ちょっと、親睦会と祝杯パーティーには賛成だけど、メインは志帆と天馬だからね!………それはそれとして、私はスイーツが良いなぁ!」

 

 

各々の希望を言い合う怪盗団。その様子を見て、天馬と志帆は笑顔を浮かべていた。




◇設定資料 その2◇


◆ユウヅル◆
有名な日本の昔話、鶴の恩返しに登場する鶴が変身した少女を元とした志帆のペルソナ。名前のユウヅルとは、鶴の恩返しの基とされている1949年にある戯曲作家が発表した物語の名である。
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