ペルソナ THE PHANTOM ELEVENS ~心の怪盗団と革命の風~   作:ヒビキ7991

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Act.03/謎の古城 モルガナとグッドストライカー

翌朝、4月11日 月曜日。

天馬と蓮は各々登校の準備を終え、ルブラン店内に居た。

 

 

惣治郎

「ほら、朝メシだ。」

 

 

惣治郎は2人の目の前に各々カレーとコーヒーを置いた。

 

 

天馬

「カレーだ!」

 

蓮

「朝からか?」

 

惣治郎

「つべこべ言わずに食え!さっさと食わないと遅刻だぞ?」

 

 

天馬と蓮はスプーンを手に取りカレーを食べる。

 

 

天馬

「美味しい!」

 

蓮

「ああ、強い辛みの中に深く複雑なコクを感じる。しかもコーヒーとの相性が抜群だ。」

 

惣治郎

「へへっ、そりゃどうも。」

 

 

カレーが好評だったのが嬉しかったのか、惣治郎は少し微笑んだ。

 

 

天馬

「ご馳走さまでした!」

 

蓮

「ご馳走さま、美味かった。」

 

惣治郎

「あいよ、気を付けろよお前達。昨日の事故のせいで未だに電車遅れてるみたいだからな。」

 

 

2人はカレーを食べ終えると、ルブランを出て急いで四軒茶屋駅に向かった。

 

 

惣治郎

「あ、表札『OPEN』にしといてもらっときゃよかったなぁ………まぁ開店までまだ時間あるし、別にいっか。」

 

 

惣治郎はリモコンを手に取りテレビを点ける。点けると丁度天気予報が始まった。

 

 

『続いて、今日の天気です。今朝の東京は全体的に雲に覆われ、雨が降るでしょう。ですが午後までには止み、晴れる見込みです。』

 

 

惣治郎

「今日の午前中は雨か………そういやアイツら、傘持ってったのか?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~蒼山一丁目駅 出入口付近~

 

 

天馬と蓮は無事、蒼山一丁目駅に到着したが、外は天気予報通り雨。2人は近くの洋服店の軒先で雨宿りをしていた。

 

 

天馬

「まさか雨なんて………傘持ってくればよかったなぁ………」

 

蓮

「仕方ないさ。まだ時間あるし、止むまで少し待とう。」

 

 

蓮はスマホを手に取る。

 

 

蓮

「ん?」

 

 

すると、スマホの中に見覚えの無いアプリが入っていた。赤い目玉の不気味なデザイン………そう、以前天馬のスマホにも入っていた謎アプリである。

 

 

「ああもう、最悪!」

 

 

と、今度は2人の隣にフードを被った1人の少女が雨宿りしに来た。少女は同じ秀尽のブレザーの下に白パーカーを着ており、ミニスカートに赤タイツとブーツで、服の上からでも分かるくらいスタイル抜群。

 

 

バサッ

 

 

そしてフードを取ると、美しい金髪のツーテールと美しい碧眼の美少女が姿を見せた。

 

 

天馬・蓮

「あ………」

 

 

天馬と蓮はその美しさに見とれ、言葉を失った。

 

 

金髪の美少女

「………ん?どうしたの?」

 

 

少女が2人の視線に気付き振り向く。

 

 

天馬

「あ、いえ………」

 

蓮

「いやその、すまない………」

 

 

天馬と蓮は慌てて目線を反らした。少女は微笑みながら「変なの」と呟いた。と、そこへやって来た1台の白い車。

 

 

鴨志田

「おはよう!乗せてあげようか?遅刻するぞ。」

 

 

運転席には鴨志田が乗っていた。鴨志田は窓を開け少女に声を掛ける。少女は「ありがとうございます」と言って助手席に乗った。が、その表情は暗く悲しそうだった。

 

 

天馬

「鴨志田先生!おはようございます!」

 

鴨志田

「ああ、君たちか。君たちも早く行かないと、遅刻するぞ?」

 

 

鴨志田は蓮と天馬にそう言うと、窓を閉め車を走らせた。と、今度はその車を追うように1人の少年が2人の目の前に現れた。短い金髪でブレザーの下は普通のTシャツと、見るからにチャラい不良といった格好をしたガラの悪い少年だ。

 

 

ガラの悪い少年

「くそっ、変態教師が!」

 

天馬・蓮

「ヘンタイキョウシ?」

 

ガラの悪い少年

「あっ?」

 

 

少年は2人に気付き、メンチを切るかの様にズケズケと近づく。

 

 

ガラの悪い少年

「んだよ?鴨志田にチクる気か?」

 

蓮

「カモシダ?」

 

天馬

「あの、いったい何の事ですか?」

 

 

天馬と蓮は状況が分からず少し混乱していた。

 

 

ガラの悪い少年

「あ?今の車、鴨志田だったろ?好き放題しやがって、お城の王様かよ………お前らもそう思うだろ?」

 

天馬

「お城の………?」

 

蓮

「王様?」

 

ガラの悪い少年

「いや、だから………」

 

 

少年も話が思うように通じず少し困り始めた。

 

 

ガラの悪い少年

「………つーかよ、鴨志田知らねぇとかマジで言ってっか?お前ら秀尽だよな?」

 

天馬

「は、はい………」

 

蓮

「そうだが………」

 

 

と、少年は2人の学年章ピンズに目を向ける。

 

 

ガラの悪い少年

「1年………なるほど、新入生か。新入生なら鴨志田の事知らなくても仕方ねぇな。で、お前は………2年?って事はタメ。もしかして転校生か?」

 

 

少年の質問に、蓮は「ああ」と答えた。

 

 

ガラの悪い少年

「なるほど、なら知らねぇわけだ………」

 

 

少年は納得したのか、何処と無く落ち着いた表情になった。

 

 

ガラの悪い少年

「大した雨じゃねぇだろ?遅刻すんぞ。」

 

 

と、少年が歩き始めた瞬間………

 

 

「っ!?」

 

 

突然、激しい頭痛と目眩が3人を襲った。

 

 

ガラの悪い少年

「うう~、頭いてぇ……」

 

 

が、直ぐに頭痛と目眩は治まり、3人は学校に向けて歩き出した。大通りから狭い路地に入り、3人は学校の正面に………

 

 

ガラの悪い少年

「なっ!?」

 

天馬

「ええっ!?」

 

蓮

「っ!?」

 

 

だがたどり着くと、学校は何故か西洋風の巨大な古城と化していた。

 

 

ガラの悪い少年

「何だコレ………道、間違えてないよな?」

 

 

城の門には「私立秀尽学園高等学校」と書かれた銘板がある。

 

 

ガラの悪い少年

「やっぱ合ってるよな………どうなってんだ?」

 

蓮

「………気は進まないが、中に入って聞くしか無いだろう。」

 

天馬

「そうだね、行こう。」

 

 

3人は恐る恐る、城の中へと入っていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~謎の古城 エントランス~

 

 

最初に3人がやって来たのは城のエントランス。が、3人とも状況が理解出来ずに混乱していた。

 

 

ガラの悪い少年

「お、おっかしいな…学校が…」

 

蓮

「ここが学校?どう見ても城の様だが………」

 

天馬

「多分学校の筈…だよ。看板にちゃんと、『私立秀尽学園高等学校』って書いてあったし………」

 

ガラの悪い少年

「ケータイも圏外…マジで何処来ちまったんだ、俺達?」

 

 

ガシャン…ガシャン…

 

 

突然、エントランスに妙な金属音が聞こえてきた。音のする方向を見ると、そこには剣と盾を持った鎧の兵士が居た。

 

 

蓮

「何だ?」

 

天馬

「鎧?」

 

ガラの悪い少年

「んだよ、ビビらせんなよ………」

 

 

どうやら少年はコスプレか何かかと思っている様だ。

 

 

ガラの悪い少年

「誰だよお前、生徒なのか?つか、スゲェ格好だな………鎧、ホンモノか?」

 

 

少年の問いに兵士は何も答えない。

 

 

ガシャン…ガシャン…

 

 

すると、同じ格好の兵士が次から次へと集まってきた。

 

 

ガラの悪い少年

「お、おい、何だよ………」

 

蓮

「ドッキリ………と言う訳じゃ無いらしいな………」

 

天馬

「何かマズイ気がする…ここは逃げよう!」

 

 

天馬の掛け声で、3人はその場から走り出す。だが時既に遅し。3人は他の兵士達に包囲されていた。

 

 

ガラの悪い少年

「くそっ、何なんだよコレ!?」

 

 

ドカッ!

 

 

ガラの悪い少年

「ごはっ!?」

 

 

ドカッ!

 

 

蓮

「くっ!?」

 

 

ドカッ!

 

 

天馬

「ぐあっ!?」

 

 

3人は兵士達に突き倒され、倒れた拍子に気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………おい………おい、起きろ!」

 

 

天馬・蓮

「っ!?」

 

 

天馬と蓮は、少年の呼び声で目を覚ました。

 

 

ガラの悪い少年

「大丈夫か?」

 

天馬

「え、えぇ………」

 

蓮

「すまない、大丈夫だ………」

 

 

天馬と蓮はゆっくりと身体を起こし辺りを見る。どうやら3人は、古城の牢屋らしき部屋に閉じ込められた様だ。

 

 

天馬

「ここは、牢屋?」

 

ガラの悪い少年

「ああ、どうやら夢って訳じゃねぇみてぇだ………学校の代わり様と言い、あの鎧の兵士と言い、いったい何がどうなって………」

 

 

『うわああああああああああ!!』

 

 

突然、何処からか男の叫び声が聞こえてきた。

 

 

蓮

「今のは何だ!?」

 

 

例の叫び声は牢の向こうから聞こえてくる。それも1人ではなく複数、そして聞こえていたのは叫び声ではなく悲鳴だった。

 

 

ガラの悪い少年

「おい…おい…おい…これ、絶対ヤバくねぇか?」

 

 

少年は怯えた声で天馬と蓮に問いかける。2人とも声には出さなかったが、心の内では恐怖していた。すると………

 

 

ガシャン…ガシャン…

 

 

檻の向こうに、先程エントランスで遭遇した兵士達が現れた。

 

 

兵士

「喜べ、貴様らの処刑が決まった。罪状は『不法侵入』。よって、死刑に処す。」

 

 

兵士が突然言い放った言葉に、3人は驚いた。

 

 

「当然だ。俺様の城で、勝手は許されない。」

 

 

そこへ、聞き覚えのある声と共に見覚えのある人物が現れた。

 

 

天馬

「鴨志田先生!?」

 

ガラの悪い少年

「えっ?鴨志田………なのか?」

 

 

3人の前に現れたのは鴨志田だった。だが鴨志田は何故か金の王冠を被り、ハート柄のマントの下は下着のみのほぼ全裸と、まるで「裸の王様」と言った感じだった。

 

 

鴨志田?

「ただのコソ泥と思ったら貴様だったとはな、《坂本》。貴様また俺に逆らうつもりか?ちっとも反省してないな?え?」

 

 

鴨志田は天馬と蓮を見る。

 

 

鴨志田?

「1人じゃどうにもならんと、今度は仲間を引き連れてきたのか?」

 

坂本

「お前、ふざけんなよ!さっきからナニ訳の分かんねぇ事言ってやがる!?」

 

 

坂本は鴨志田に向けて怒鳴る。すると、鴨志田は坂本を睨んだ。

 

 

鴨志田?

「王に向かってその口の利き方は何だ?貴様、自分の立場が分かっていない様だな。我が城に忍び込んだ挙句、王である俺様に悪態をついた罪、貴様の死を以て償ってもらうとしよう!」

 

 

鴨志田は牢の扉を開け、兵士達と共に牢の中へと入る。

 

 

坂本

「付き合ってられっかよ!このっ!」

 

 

ドンッ!

 

 

坂本は目の前の兵士を突き倒す。

 

 

ドカッ!

 

 

坂本

「ごはっ!?」

 

 

だが側に居た別の兵士が坂本を殴り倒した。

 

 

坂本

「くっ、お前らは逃げろ!コイツらマジだぞ!」

 

 

坂本は天馬と蓮に逃げるよう訴えるが、2人は立ち竦んでその場から動けない。

 

 

鴨志田?

「ほう、貴様ら逃げるのか?随分と薄情な仲間だな…」

 

坂本

「仲間じゃねぇ…ほら、俺に構わず早く行け!」

 

鴨志田?

「ふん、まぁいい…ソイツらを抑えてろ。俺はコイツの処刑に集中するとしよう。」

 

 

兵士達は蓮と天馬を壁に拘束し、鴨志田は坂本に殴る蹴る等の暴行を与え続ける。

 

 

天馬

「坂本さん!」

 

蓮

「くっ………!」

 

 

その時だ

 

 

『どうした、見ているだけか?』

 

 

突然、蓮の頭の中に、誰かが語り掛けて来た。

 

 

『このままでは奴もお前達も死ぬぞ?それとも、アレは間違っていたのか?』

 

 

蓮の脳裏に、以前女を助けた日の光景が過った。

 

 

蓮

「いや、間違ってない………間違ってる筈がない!」

 

 

『………よかろう、覚悟聞き届けたり。』

 

 

ドクンッ!

 

 

蓮

「ぐあっ!?」

 

 

突然、激しい頭痛が蓮を襲った。

 

 

天馬

「蓮!?」

 

 

蓮は激しい痛みに苦しみ、踠き始める。

 

 

『契約だ!我は汝、汝は我、己が信じた正義の為に、あまねく冒涜を省みぬ者よ、その怒り、我が名と共に解き放て!たとえ地獄に繋がれようと全てを己で見定める、強き意思の力を!!』

 

 

そして痛みと苦しみから解放された瞬間、蓮は怒りに燃える鋭い眼をしていた。

 

 

ドーン!

 

 

次の瞬間、蓮は辺りに衝撃波を放ち、自分達を拘束していた兵士を吹き飛ばした。

 

 

鴨志田?

「な、ナニ?」

 

天馬

「蓮………?」

 

 

天馬、坂本、そして鴨志田と吹き飛ばされた兵士達は一斉に蓮へと目を向ける。蓮はいつの間にか眼鏡から白黒のドミノマスクを付けていた。

 

 

蓮

「うおあああああああ!!」

 

 

蓮は叫びながら流血と共にマスクを引き剥がす。マスクを引き剥がした次の瞬間、蓮の身体が青白い炎に包まれた。

 

 

『フハハハハハッ!!』

 

 

炎が消えると、不気味な笑い声と共に仮面のような不気味な顔とシルクハット、大きな黒い翼を持つ赤い怪人。そしてタキシード風の黒いロングコートと深紅の手袋を身に付けた蓮が現れた。

 

 

坂本

「な、ななな何だ!?」

 

天馬

「化身?いや違う!」

 

 

怪人

『我が名は逢魔の略奪者《アルセーヌ》!我は汝に宿る反逆者の魂。お前が望むなら、難局を打ち破る力を与えてやってもいい。』

 

 

アルセーヌは蓮に問いかける。

 

 

蓮

「アルセーヌ………頼む、力を貸してくれ!」

 

アルセーヌ

『フッ、良かろう………』

 

 

鴨志田?

「ええい………衛兵ども、ソイツから殺ってしまえ!」

 

 

兵士達は次々と己の仮面を剥がし、カボチャのお化けへと姿を変える。

 

 

天馬・坂本

「姿が変わった!?」

 

蓮

「アルセーヌ!」

 

アルセーヌ

『フッ!』

 

 

ドーン!

 

 

アルセーヌは赤黒い衝撃波を放ち、カボチャのお化け達を一掃した。

 

 

鴨志田?

「ナニッ!?」

 

 

シュゥゥ……

 

 

アルセーヌは蓮が最初に付けていたドミノマスクに姿を変え、蓮の顔に戻った。

 

 

坂本

「何だ、今の?」

 

 

突然起きた現象に、その場に居た全員が動揺していた。

 

 

鴨志田?

「おのれぇ………!」

 

天馬

「ッ!!今だ!」

 

 

天馬は隙を見て即座に、鴨志田に向けて駆け出し、走りながら左手を胸に当てる。そこから鼓動のような電波が現れ、右手を左から右へと大きく降る。

 

 

天馬

「《アグレッシブビート》改!」

 

 

暗転し、電波の光が鴨志田を通り抜けた直後、天馬は光の道筋に合わせてウイルスを抜いており、そこから一気に走ると、起動を描いた電波が弦のように弾かれ、鴨志田を弾き飛ばした。

 

 

ドサッ!

 

 

鴨志田?

「ごはっ!?」

 

 

鴨志田は弾き飛ばされた直後に落下し背中を強打。その隙に坂本が床に落ちていた鍵を拾い、3人は牢屋から脱出。

 

 

ガシャン!

 

 

そして即座に扉を閉め鍵を掛けた。

 

 

坂本

「よし、今のうちに逃げるぞ!」

 

 

3人は急いでその場から走り去る。

 

 

鴨志田

「くそっ、賊めが………俺様にこんな事して、タダで済むと思うなよ!!」

 

 

鴨志田は檻を掴みながら叫んだ。一方牢屋を離れた3人は、物陰に隠れ休んでいた。

 

 

坂本

「ハァ、助かったぜ………」

 

 

3人とも全力で走ったために息が上がっていた。

 

 

天馬

「蓮、今の何なの?それに君の格好………」

 

蓮

「それが、俺にも何が何だか全然………」

 

 

シュン!

 

 

突然、蓮は黒いタキシードから元の制服姿に戻った。

 

 

坂本

「うおっ、戻った!?」

 

天馬

「ッ!?ねえ、あれ!」

 

 

天馬は何かを発見し指差す。指差す先には川の上に吊られた檻と、その中に閉じ込められた秀尽の生徒の姿があった。

 

 

坂本

「やっぱ捕まってんのは俺らだけじゃねぇみたいだな………」

 

 

「おい、そこのクセッ毛と金髪とクルクルパーマ!」

 

 

突然、何処からか少年の様な声がする。声のする方を見ると、牢屋の中に閉じ込められた黒いマスクと黄色いターバン姿の猫っぽい二頭身の謎の小さな生き物の姿があった。

 

 

坂本

「何だコイツ!?」

 

 

坂本は驚愕のあまり叫び、天馬と蓮は目を見開いた。

 

 

天馬

「猫?」

 

謎の生き物

「猫じゃねえ!次言ったら許さんぞ!つか、お前ら城の兵士じゃねぇな?頼む、こっから出してくれ!」

 

坂本

「な、何モンだよお前!?つか、どう見ても敵だろ!?」

 

謎の生き物

「捕まってんのに敵なわけ無いだろ!?そうだ、お前ら出口が知りたいんだろ?出してくれれば案内するぞ?」

 

天馬

「えっ?本当!?」

 

蓮

「嘘じゃないだろうな?」

 

謎の生き物

「嘘じゃない!本当だ!」

 

坂本

「どうも調子良いな、コイツ…」

 

 

謎の生き物の言葉を全く信用出来ない坂本。

 

 

天馬

「でも、どのみち俺達だけじゃ出れそうに無いよ。ここは彼の言う通りにしよう。」

 

蓮

「だな、それがいい。」

 

坂本

「チッ、分かったよ………」

 

 

ガチャッ

 

 

坂本は扉の鍵を開け、謎の生き物を牢屋から解放した。謎の生き物は牢屋から出ると、グーッと伸びをした。

 

 

謎の生き物

「ンンン~ッハァ~、やっぱシャバの空気は美味いぜ!」

 

坂本

「で、出口は何処なんだ化け猫!」

 

謎の生き物

「だから猫って言うな!我輩は《モルガナ》だ!とにかくついて来い!」

 

 

モルガナは3人を連れて走り出す。

 

 

???

「おーいモルガナ!大丈夫か!?」

 

 

すると、3人の前方から何かが飛んできた。黒と白のボディに銀のダイヤルと赤い翼、そして胴体にオレンジのシャークマウス風のノーズアートが描かれた小さな戦闘機らしきメカだ。

 

 

モルガナ

「《グッドストライカー》!お前も無事だったんだな!」

 

 

モルガナとグッドストライカーなる謎メカは再会を喜んだ。

 

 

天馬

「君は?」

 

グッドストライカー

「オイラの名前はグッドストライカー!気安く《グッディ》とでも呼んでくれ!」

 

蓮

「グッドストライカー?」

 

グッドストライカー

「悪いが今は説明してる場合じゃないぜ!今はとにかく此処から抜け出すぞ!」

 

 

グッドストライカーを加えた一同は、再びモルガナを先頭に出口を目指す。だが途中、見回りの兵士に見つかってしまった。

 

 

坂本

「うわぁ!?ヤベ、来たあ!?」

 

 

兵士は牢屋で遭遇したカボチャのお化けに、蓮も先程の黒いタキシード風ロングコート姿に変身した。

 

 

モルガナ

「チッ、素人は下がってな!」

 

 

モルガナは蓮の隣に立ち、共に敵と対峙する。

 

 

モルガナ

「来い、《ゾロ》!」

 

 

モルガナの呼び声と共に地面から青白い光の柱が現れ、巨大な胸板と腕を持つ黒い仮面の紳士が現れた。

 

 

坂本

「お、お前もソレ出るのかよ!?」

 

モルガナ

「すみやかに黙らせてやるぜ!」

 

 

蓮とモルガナはカボチャお化けとの戦闘に入る。だが………

 

 

ガシャン…ガシャン…

 

 

一同の後方から別の兵士達が現れた。

 

 

グッドストライカー

「おい!後ろからも来たぞ!」

 

坂本

「おいおいマジかよ!挟み撃ちじゃねえか!」

 

 

後方から来た兵士達は紫色の悪魔へと姿を変える。

 

 

天馬

「ここは俺に任せて!」

 

 

天馬は荷物を坂本に預け、悪魔達と対峙する。

 

 

天馬

「・・・はああああああああっ!」

 

 

天馬は両手を広げて叫ぶ。すると彼の背中から深い藍色のオーラが出現した。オーラは翼を形成するかのように形を成していき、オーラが消えると、背中から真っ白な翼を生やし、強固な肉体とボリュームのある長い赤髪を持ち、頭にペガサスを模した装飾を着けた巨人が雄叫びを上げながら現れた。

 

 

天馬

「魔神ペガサスアーク!」

 

 

ペガサスアーク

『オオオオオオオオオオ!!』

 

 

坂本

「お、お前も出るのか!?何がどうなってんだよ!?」

 

 

ビュー!

 

 

ペガサスアークは翼を羽ばたかせ突風を放つ。悪魔達は吹き飛ばされて壁や樽に激突し消滅した。

 

 

モルガナ

「何だ、あの力は?」

 

蓮

「モルガナ?」

 

モルガナ

「えっ?あぁ、分かってる!」

 

 

蓮も仮面を外しアルセーヌを召還。アルセーヌとゾロのダブルアタックでカボチャお化けを撃退した。

 

 

モルガナ

「よっしゃ!」

 

 

戦闘が終了するとゾロはその場から消え、アルセーヌは元のマスクとなって蓮の顔に戻り、ペガサスアークは紫のオーラとなって天馬の身体に戻った。

 

 

モルガナ

「お前らヤるじゃねぇか!お前の《ペルソナ》の力も中々のモンだ!」

 

坂本

「ペルソナ?さっきブワーって出てきたヤツの事か?」

 

モルガナ

「呼び出すとき、クセッ毛のコイツが仮面を剥がすのを見たろ?人は誰でも心に仮面を被ってる。それを自覚し自ら剥がす事で………」

 

 

シュゥゥ………

 

 

と、モルガナが説明してる途中、又しても蓮の姿が元の制服姿に戻った。

 

 

天馬

「また戻った。」

 

モルガナ

「まだ力の扱いが完全じゃないんだな。コレだけ騒がれて、変身が解ける筈がない。」

 

坂本

「あー、もういい!さっきからワケ分かんねえし!」

 

グッドストライカー

「てかモルガナ、今は悠長に講義してる場合じゃないぜ?」

 

モルガナ

「おっと、そうだった!出口はもうすぐだ、行くぞ!」

 

 

モルガナの指示で一同は再び移動を開始する。

 

 

坂本

「ちょっと待ってくれ!」

 

 

と、坂本が突然何かを発見し呼び止めた。坂本が見る方向には、何やら赤いユニフォームを着た男子生徒が牢屋の中に閉じ込められていた。

 

 

天馬

「坂本さん?」

 

坂本

「コイツの格好、どっかで見た気がするんだ………くそ、頭がパニクって出て来ねえ!」

 

モルガナ

「おい!早くしろ!」

 

坂本

「待てって!コイツこのままじゃ………!」

 

モルガナ

「お前、何も分かってないんだな………いや、説明してる時間は無いか。今は脱出に専念しろ!命が惜しくなければ別だがな?」

 

坂本

「チッ、分かったよ!」

 

 

坂本は牢屋の前から離れ、一同は再び移動を始める。そして最初にやって来た正面ホールを抜けて、たどり着いたのはホール横の物置らしき部屋。

 

 

蓮

「行き止まりだぞ?」

 

モルガナ

「あそこだ。」

 

 

モルガナはある場所を指差す。網が填まった換気用の穴だ。

 

 

天馬

「なるほど、換気口から脱出するって訳だ!」

 

モルガナ

「その通り!基本中の基本だぜ?」

 

 

ガシャン

 

 

天馬は棚の上に登り、換気口の網を外した。

 

 

坂本

「よっしゃ!やっと外に出れるぜ!」

 

モルガナ

「喜ぶのは無事に出てからにしな。さあ、お前達は早く行けよ。」

 

天馬

「君は?」

 

グッドストライカー

「オイラ達はまだやることがあるからな、ここで御別れさ。」

 

蓮

「そうか………助かったよ、ありがとうな。」

 

モルガナ

「礼はいいから、さっさと行きな。」

 

 

モルガナに急かされ、天馬・蓮・坂本は換気口から城の外に出た。

 

 

グッドストライカー

「………なあ、アイツらどう思う?」

 

モルガナ

「率直に言って、使えそうだ。特にあのクセッ毛のヤツは。あとはあのパーマ野郎が出した力が気になるな。」

 

グッドストライカー

「なるほどな。オイラも何だかグッと来たぜ?アイツらと一緒なら、何でオイラがコッチに来たのか、分かる気がするんだ。」

 

 

薄暗い物置で、モルガナとグッドストライカーはニヤリと笑った。

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