ペルソナ THE PHANTOM ELEVENS ~心の怪盗団と革命の風~ 作:ヒビキ7991
換気口から古城の外へと抜け出した天馬達。だが、気が付けば天馬は1人、真っ暗闇の何もない空間に居た。
天馬
「此処は…何処だ?俺、蓮と坂本さんと一緒に城から脱出した筈じゃ………」
『聞こえるか?異世界の少年よ…』
突然、謎の男の声と共に天馬の目の前に赤く輝く一匹の蝙蝠が現れた。
天馬
「だ、誰!?」
『君は今、とあるゲームに巻き込まれている。勝機はほぼ無いに等しい、極めて理不尽なゲームだ。』
天馬
「理不尽な………ゲーム?」
『心して聞くがいい少年よ。ゲームは既に始まっている。このままでは君達の世界は、近いうちに終焉を迎えるだろう。だが僅かだが、逆転の可能性もある。その鍵を握るのは、君とあの少年だ。』
キラキラキラ………
蝙蝠はキラキラと輝く赤い粒子を放ちながら飛び回り、天馬の手の上に止まる。すると蝙蝠は後部に黒いグリップを持つ白い銃型のアイテムへと姿を変えた。
天馬
「コレは、銃?」
『その力と仲間達との絆を武器に、ゲームに打ち勝ち、世界を救うのだ。君がゲームを進める度に、また新たな力を授けに私は現れる。さあ行け!』
キイイィィィン!!
辺りが目映い光に包まれ、天馬は眩しさのあまり目を瞑る。そして再び目を開くと、天馬は蓮・坂本と共に3人が最初に出会った蒼山一丁目駅の出入口付近に居た。
坂本
「ハァ…ハァ…俺ら、どうなった?」
蓮と坂本は辺りを見回し、現在地を確認する。
蓮
「見たところ、蒼山一丁目駅の近くみたいだ。」
『…に帰還しました。お疲れ様でした。』
突然、天馬と蓮のスマホから聞き慣れないナビの音声が聞こえてきた。
坂本
「あ?帰還しました?って事は、戻れたって事か?つか、いったい何だったんだ!?城とか、鴨志田とか、妙な猫と妙なメカとか、もう何がどうなってんだよ!?」
「騒がしいぞ!お前達、秀尽の生徒か?」
そこへ、気の強そうなの警官と気の弱そうな警官がやって来た。
強気な巡査
「こんなところで何してる?もしかしてサボりか?」
坂本
「はぁ!?違うって!学校行こうとしたら、変な城で……」
強気な巡査
「城?………お前ら、ひょっとしてヤバいモン持ってないよな?」
坂本
「いや何でそうなんだよ!?」
思わず坂本が突っ込みを入れた。
弱気な巡査
「えっと、君達は友達かい?」
弱気な警官が天馬と蓮に問い掛ける。天馬は「はい」、蓮は「そんなところだ」と答えた。
弱気な巡査
「なら、彼を連れて学校に行きたまえ。」
強気な巡査
「秀尽の前ならさっき通ったが、別に可笑しなところは無かったぞ?これ以上デタラメ言うなら、学校に連絡するぞ?」
坂本
「ああもう!お前らも何か言えよ!」
天馬
「今は大人しく学校に行こう。」
蓮
「だな、遅刻したくない。」
坂本
「いやそうじゃねぇだろ………」
天馬と蓮の返答に突っ込む坂本であった。
気弱な巡査
「遅刻したくないって、もうとっくに昼休みの時間帯じゃないのかい?」
気弱な巡査の言葉に驚く3人。慌てて時計を見ると、時刻は正午を回ったところだった。
坂本
「マジかよ!どうなってんだ!?」
天馬
「と、とにかく行こう!」
3人は急いで学校に向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~秀尽学園高校 正門~
3人は城に迷い込んだルートで学校に着いた。が、そこにあったのは至って普通の秀尽学園高校だった。
坂本
「………同じ道、通ったよな?どうなってんだ?」
「ソレはコッチの台詞だ、坂本!」
正門では生活指導の教員がイライラしながら待っていた。
指導教員
「補導の連絡があったと思えば、やっぱりお前だったか。しかも、お前が1人じゃないとは珍しいな………こんな時間まで3人仲良く、何処ほっつき歩いてた?」
坂本
「えっと………城?」
坂本は蓮と天馬に助けを求めるかの様に目を向ける。蓮と天馬は共に首を縦に振った。
「『城』がどうしたって?」
と、そこへ鴨志田が現れた。だが3人の前に現れた鴨志田は、無地のTシャツにジャージのズボンと至って普通の格好だった。
坂本
「鴨志田!」
鴨志田
「呑気だな坂本、陸上の朝練やってた頃とは大違いだ。」
坂本
「うるせえ!テメェが……!」
指導教員
「なっ!?鴨志田先生になんて口きいてんだ坂本!……お前な、もう後無いんだぞ?」
坂本
「向こうが煽って来たんだろうが!!」
指導教員
「本当に退学になりたいのか!?」
鴨志田
「まぁまぁ落ち着いて。私も配慮が足りませんでしたし、ここは両成敗って事で。」
ヒートアップする坂本と指導教員を見て、鴨志田は指導教員を宥める様に声を掛けた。
指導教員
「え?いや、まぁ、鴨志田先生が仰るなら………とにかく坂本、大遅刻は事実だ。事情聞くから来なさい。」
坂本
「………わぁったよ。」
坂本は渋々、指導教員に付いていった。途中、笑顔を見せる鴨志田を鋭く睨み付けながら。
鴨志田
「ところで…」
鴨志田は坂本が校舎に入っていくのを確認すると、蓮に目を向けた。
鴨志田
「例の転校生、雨宮 蓮ってのはお前だな………何処かで会ったか?」
蓮
「今朝、駅前で女子を車に乗せてただろ?パーカーを着た金髪ツインの。」
鴨志田
「ああ、思い出したぞ………まぁいい、今回は大目に見てやる。校長から聞いてると思うが、問題を起こしたら退学だからな?分かったら二人とも、早く職員室に行け。
新しい学校生活、せいぜい楽しめよ。」
鴨志田はそう言って去っていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~1年A組~
天馬と蓮はその後職員室で各々の担任に事情を話し、昼休みが終わり五時限目、天馬と蓮は各々体調不良という理由で出席した。
「大遅刻ってマジ?」
「そういえば、二年の噂の転校生と一緒に登校してたらしいよ?」
「やっぱ、シッカリ者に見えて実はヤバい奴なんじゃ………」
大遅刻の影響もあってか、天馬の悪い噂は酷くなっていた。
かすみ
「松風君、大丈夫?」
隣からかすみが優しく声をかける。天馬は「大丈夫」と返した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~校舎2階 廊下~
先日の地下鉄事故の影響で、今日の授業は5時限目までで終わった。授業が終わり放課後、天馬は帰り支度を終え教室を出ると、最寄りの階段から2階へと下りる。
蓮
「よう。」
天馬
「あ、蓮!」
階段を下りて直ぐ、天馬は蓮と会った。どうやら天馬のクラスA組は、蓮のクラスD組の真上に位置している様だ。
蓮・天馬
「………ん?」
突然、2人の居る廊下が一瞬、今朝迷い込んだ古城の廊下に見えた。
「ん?どうしたの?」
そこへ、D組から担任と思われる、ぼさぼさの髪をして終始眠そうな顔の女性教員がやって来た。
蓮
「………ここは、学校か?」
女性教員
「はぁ……ちょっと君、大丈夫?」
女性教員は呆れた感じで蓮を見る。と、女性教員は今度は天馬に目を向けた。
女性教員
「えっと、確か1年の松風 天馬君よね?雨宮君のルームメイトの。」
天馬
「えっ?は、はい……」
女性教員
「雨宮君のクラスの担任をしてる、《川上貞代》です。今後雨宮君の事で何かあったら、君に声をかける場合があるかもだから、覚えておいて。
………ところで、2人とももう噂になってるみたいだけど、言ったの私じゃないからね。」
天馬
「噂?」
実は天馬に続き転校初日の蓮も、何故か既に学校中で悪い噂が立っていたのだ。
川上
「2人とも、今日は寄り道しないで真っ直ぐ帰りなさい。佐倉さん怒ってたわよ。あと坂本君、あの子とは………」
と、そこへ噂をすれば何とやら。例の坂本がやって来た。
川上
「噂をすれば………何の用?今日、補導されたんですって?」
坂本
「うるせえな…何でもねぇよ……」
と、坂本は天馬と蓮の肩を無理やり組み、2人の耳元に小声で「屋上で待ってる」と呟き、そしてその場を離れた。川上も「見たでしょ、関わらないでよ?」と2人に釘を刺し、その場を離れた。すると………
「何であんな生徒を編入させたんです?」
今度は1階から鴨志田と太った教員がやって来た。太った教員はどうやら校長の様だ。
鴨志田
「早速、坂本や1年の松風とつるんでましたよ。前歴のある生徒と、前の中学でやりたい放題してた問題児、そして暴力事件の張本人………これじゃいくら私が学園に貢献しても意味がないというものですよ。」
校長
「まぁまぁ、そう仰らずに…この学園は鴨志田君頼み。貴方はウチの華ですよ。ですがその華の裏で、地道な積み上げも必要なんですよ……」
鴨志田
「校長も苦労が絶えませんな………そういうことでしたら結構。これからも御期待に応えてみせますよ!」
鴨志田と校長は真後ろに居た蓮と天馬に全く気づく事無く、その場を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~屋上 出口~
2人は坂本に呼び出された通り、屋上にやって来た。が、肝心の屋上に出る扉には「立入禁止」の貼り紙がしてある。
ガチャ
扉を明け外に出ると、坂本が無造作に置かれた机に座って待っていた。
坂本
「…よう、来たな。」
2人は坂本の近くに腰を下ろした。
坂本
「急に呼び出して悪かったな。どうせ川上に言われてんだろ?俺に関わるな、とかさ。」
坂本の言葉に2人は驚いた。
坂本
「やっぱりな………」
と、坂本は蓮に目を向ける。
坂本
「雨宮 蓮だっけか?聞いたぜ、前歴あんだって?学校中で噂になってるよ。」
蓮
「そうか…」
坂本
「あとお前、松風 天馬だろ?元雷門中サッカー部キャプテンの。」
天馬は自己紹介もしてないのに名前と出身校を当てられ驚いた。
坂本
「やっぱりな。最初会った時から、どっかで見た顔だなって思ってたんだよ。」
天馬
「何で、分かったんですか?」
坂本
「だってお前、俺世代のサッカー野郎の間じゃ有名人なんだぜ?『サッカー管理組織フィフスセクターを打ち倒し、少年サッカー界に光をもたらした革命のヒーロー』、『1年で一軍キャプテンに就任し、以後雷門中を3年連続全国大会優勝に導いた伝説の男』ってな。」
蓮
「お前、そんな凄い人間だったのか…」
驚きと感心が隠せない蓮と、自分が有名人扱いされてると知り照れる天馬であった。
坂本
「けど、そんなお前が何で秀尽に?お前くらいの腕前なら、もっと良いとこ通えただろ?」
天馬
「それは、その………俺、勉強苦手で………」
坂本
「ああ、なるほど………でも、お前も蓮程じゃねぇけど、噂立ってるらしいな?まぁ噂してるのはきっと、お前の実力を知らない連中だろう。気にする事ねぇよ。」
坂本はそう言うが、天馬は納得出来なかった。確かに坂本の言う通り、噂してる大半はサッカーについて知識が薄い生徒達だろう。だが天馬が最初に自分の悪い噂を知ったのは、サッカー部顧問から聞いた自分の事をある程度知っているであろうサッカー部の情報だったからだ。
坂本
「…今朝のあれ、何だったんだろうな?ほら、城で殺されそうになったやつ。」
天馬
「夢って訳じゃ無かったよね?」
坂本
「………そう言や、助けてもらった御礼まだだったな?ありがとうな、蓮。」
坂本は蓮に礼を言い、蓮は「別にいい」と笑顔で返した。
坂本
「………お前らに話しておきたい事があるんだ。お前らは知らないだろうが、鴨志田のヤロウには噂があんだよ。」
蓮
「鴨志田………今朝、校門で会った男か。」
坂本
「本名《鴨志田 卓》。バレー部の顧問なんだが元オリンピックのメダリストで、部も全国行ってっから誰も文句言えねぇんだ。あの城の『鴨志田が王様』とか、そこが妙にリアルっつうか………あの城、また行けんのかな?」
と、坂本はふと空を見上げ、立ち上がった。
坂本
「下らねぇお喋りに付き合わせて悪かったな、話は終わりだ。………けどさ、俺ら気ぃ合いそうじゃね?」
天馬
「問題児の集まりだからって事ですか?」
蓮
「なるほど、悪くないな。」
蓮はフッと笑いながら言った。
坂本
「俺、《坂本 竜司》!敬語とか堅苦しいの無しで、竜司ってタメで呼んでくれ!あと見かけたら声かけっから、お前らシカトすんなよ?」
そう言うと、竜司は「じゃあな!」と言って先に屋上を後にした。
蓮
「………天馬、お前はアイツをどう思う?」
天馬
「川上先生が関わるなって言うから、ホントはかなり怖い人なのかなって思ったけど、全然そんな感じじゃなかったよね?」
蓮
「きっとアイツも、何か事情があるんだろう。鴨志田先生のことも、随分と嫌っていたみたいだしな。それに、例の噂とやらも気になる。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~ルブラン 店内~
夜、天馬と蓮がルブランに戻ると、惣治郎がイライラしながら待っていた。
惣治郎
「おいお前ら、学校から連絡あったぞ!2人揃って半日もサボったって?」
天馬
「すみません………」
蓮
「悪かった………」
2人は深く反省し謝った。
惣治郎
「まったく、朝ちゃんと起きたと思ったらコレかよ。しかも天馬まで一緒とはなぁ………蓮、念を押して言っておくが、何かあったらお前の人生終わりなんだぞ?保護観察って意味、分かってるか?」
蓮
「ああ、分かってる。」
惣治郎
「ならいい。」
プルルルルルル………
突然、惣治郎のケータイが鳴り出し、惣治郎は電話に出た。
惣治郎
「おう、どうした?………ああ、店閉めたとこだ。大丈夫、ちゃんと30分で行くってば。」
と、惣治郎はケータイのマイクを手で押さえ、蓮と天馬に目を向ける。
惣治郎
「ところで、お前ら晩飯はどうしたんだ?」
天馬
「今日は帰る途中に2人で食べてきました。」
惣治郎
「そっか。じゃあ俺は店閉めっから、戸締まりと電気頼んだぞ。あと、早く寝ろよ?」
そう言うと、惣治郎は電話に戻る。
惣治郎
「もしもし?………ああ、今から出るよ。………違うって、男だよ。バイト雇っただけだって。」
惣治郎は電話をしながらルブランを離れ、天馬と蓮は鍵を閉め店の明かりを消し、そして共に眠りについた。
ガンッ!ガンッ!
突然、2人は何やら物凄い金属音で目が覚めた。
天馬
「う………なに………?」
蓮
「安眠妨害だ………」
「さっさと起きろ囚人ども!!」
と、突然聞こえてくる少女の怒鳴り声。慌てて身体を起こすと、そこは見覚えのある牢獄。檻の向こうには激しく檻を蹴るカロリーヌと、その隣で大人しく待つジュスティーヌ、そしてイゴールの姿があった。
蓮
「ここは………」
天馬
「ベルベットルーム………」
カロリーヌ
「ったく、やっと気付いたか………」
カロリーヌは呆れた様な物言いで蹴るのを止めた。
ジュスティーヌ
「主より御言葉を賜ります。心して聞いた方が、自分の為です。」
天馬と蓮は檻の前に立ち、イゴールと顔を合わせる。
イゴール
「ごきげんよう、まずは再会を喜ぶとしよう。………蓮、どうやらお前は覚醒を果たした様だな。それも特別な『力』の様だ。これでようやく、更生を進められる。」
天馬
「特別な力?」
蓮
「………イゴール、いったい何が始まるんだ?」
イゴール
「今はまだ多くを理解しなくても良い。目覚めたペルソナの力、お前にはソレを鍛えてもらう。ペルソナとは外の事物と向き合う時に現れ出て心を鎧う、言わば『仮面』だ。蓮、お前には期待しているのだよ?」
蓮
「期待?何の事だ?」
イゴール
「なに、心配しなくていい。時が来れば知る事になる。
………ところで、イセカイナビは気に入って頂けたかね?」
天馬
「イセカイナビ?」
蓮
「………あの妙な目玉のアプリの事か?」
イゴール
「イセカイナビを使えば、現実とパレスとを自由に行き来する事が出きる。蓮、お前を立派な『賊』に仕立てる為に、私がお前達2人に授けたのだ。しかしイセカイナビを活用するのに、お前達2人だけでは心細かろう。お前達にとって有益な者にならば、その者にもイセカイナビをくれてやる。全てはお前がより優れた、賊に育つため………」
蓮
「賊?いったい何を………」
ジリリリリリ………!!
突然、ベルベットルーム内に警報が鳴り響いた。
カロリーヌ
「………時間だ。せいぜい戻って休憩時間を楽しむがいい。」
カロリーヌがそう告げると、2人の視界が急に暗くなり、2人は意識を失った。
ザザザザザ………
そして再び目を覚ますと、そこはルブランの屋根裏部屋。時刻は4月12日 火曜日の午前7時。外は昨日に続き雨が降っていた。
蓮
「うぅ………」
天馬
「う~ん………」
天馬と蓮は身体を起こし、共にベッドから降りた。
天馬
「おはよう、蓮。」
蓮
「おはよう………また変な夢を見た………」
天馬
「蓮も?俺も見たよ。蓮と一緒に牢屋に閉じ込められて、イセカイナビとかパレスとか、よく分からない事ばかり聞かされた………」
蓮
「俺も同じような感じだ………まさか、2度も2人揃って同じ夢を………ん?」
蓮はスマホを見るなり動きを止め、天馬も学校に行く準備をしようと自分の鞄に手を入れた瞬間、動きを止めた。
蓮
「………もしかして、コレが例のイセカイナビって………天馬?」
蓮は天馬が固まっている事に気付き声をかける。と、天馬は鞄から何かを取り出し蓮に見せた。取り出したのは、天馬が古城から脱け出した後に迷い込んだ空間で手に入れた、謎の白い銃だった。
蓮
「それは?」
天馬
「城から逃げた後に、妙な蝙蝠が俺に預けたんだ。あのあとルブランに帰るまで鞄の中には入ってなかったのに、今さっき鞄の中を触ったら入ってた。しかもこれ………」
天馬は謎の銃の銃口を、目の前にある古い空き瓶に合わせ引き金を引いた。
バキューン!バリーン!
引き金を引いた瞬間、銃口から白いビームが放たれ、ビームは空き瓶を粉々に砕いた。
蓮
「なっ!?」
突然目の前で起きた現象に、蓮は仰天し言葉を失った。
天馬
「俺も最初オモチャかと思ったんだけど、触って直ぐに分かった。コレはオモチャなんかじゃなくて、本物の銃なんだって。」
蓮
「………しかし、いったい誰がそんな物を?」
天馬
「分からない。でも、蝙蝠は言ってたんだ。このままじゃ俺達の世界は、近いうちに終焉を迎えるって………蓮、昨日の城の事とさっきの夢の話、もしかしたら何か関係あるかも知れないよ。」
蓮
「関係………」