青年と少女のマルチプル・オンライン   作:グラハムさんとピンクマ

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第39話「女騎士を帰す時」

 

ゆっくり目を開けると、夕日に照らされた見覚えのある景色が広がる。赤い絨毯、高そうな木製の机、そして皇帝の制服。

 

グラハム「久しぶりだな、皇帝の部屋。現実とこの世界は結構時間帯がズレてるんだな。、、、あ、左腕が復活してる、、、」

 

グラハムは以前、闇の帝王との激戦で体の部位を切断され、右足はスティラが魔法で治してくれたのだが、左腕は腐食で接合できなかったのだ。それなのに左腕が復活してると言うことは、再ログインで再生することができるようだ。

 

コンコンッ・・・

 

グラハム「は、はい!」

 

左腕を気にしているとノックが入る。タイミングとなると、、。

 

ガチャ・・・

 

スティラ「失礼します!総合騎士長、スティラ セレーネーです!」

 

懐かしい。前もこうやって兵士の報告の為に入室してきてくれたよね。

 

グラハム「スティラお帰り!折角戻って来れたんだから気を緩めてもいいのに」

 

スティラ「フフッ、そうですね。ですが、明日からまた兵士達に顔を出さねばならないので」

 

グラハム「そっか、、、いやでも、スティラが気を引き締めてるのにこんな事言うのもなんだけど、1日は休暇を取ってもいいんじゃない?」

 

スティラ「ん〜、、、そう、ですね。1日だけ休暇を取らせて頂きます」

 

グラハム「うん、その方がいい」

 

グラハムがそう言うと、真剣だったスティラの顔が微笑みに変わった。

 

スティラ「ありがとうございます。では、もしよろしければ明日、一緒に付き合って頂けますか?」

 

グラハム「いいけど、休暇中に俺もいていいの?」

 

スティラ「もちろんです、グラハムさんが建て直した国を2人で見て回りましょう」

 

グラハム「分かった。そうしよう」

 

スティラ「はい、よろしくお願いします♪」

 

スティラはこの世界で初めて女性らしい微笑みを見せて部屋を後にした。

 

グラハム「、、、ふ〜、遂にスティラをユーフォニアに帰すことができた〜」

 

グラハムは夕日に照らされながら背伸びをした。

 

グラハム「そういえば聞きそびれたけど、スティラはNPC扱いに戻ったのかな。あの感じだと、、、分からないな、明日聞いてみよう。さて、俺も帰るか。向こうの世界はもう夜遅いからな」

 

スティラをユーフォニアへ帰すという目標をついに達成し、グラハムはログアウトした。

 

 

明日人の部屋・・・

 

 

午後10時、明日人は自室でも背伸びをしていた。

 

明日人「う〜ん、そういや晩飯食べてない。、、、明日でいいや。今日は病院へ忍び込んだりスティラを帰したりで精神的にお腹いっぱいだ。咲月はまだ起きてるかな」

 

明日人は自室の扉を開き、リビングへ向かう。

 

 咲月「あっ、明日人!お帰り♪」

 

思った通り、咲月はリビングで待ってくれていた。

 

明日人「ただいま、スティラを無事に帰すことができたよ」

 

 咲月「そう、良かった!お腹空いた?何か作るわよ?」

 

明日人「いや、大丈夫。そこまで腹減ってないんだ」

 

 咲月「そうなのね。ん〜、ねぇ、抱きついて♪」

 

咲月は唐突に明日人へハグを求めた。

 

明日人「すっごい急だ、、、」

 

 咲月「だって、悪いとはこれっぽっちも思ってないけど、ここ数週間ずっとスティラさんの傍に皆でいたからする時間がなかったもの」

 

明日人「いや学校から帰ったらいつもしてるよね。この前はスティラが眠った後にも抱きついたし」

 

 咲月「それじゃ満足しないからです♪」

 

明日人「もぅ、、、ほら」

 

明日人は両手を広げて咲月を包んだ。

 

 咲月「エヘヘ、やった♪あ、そういえば明日人ってたま〜に口調が女の子っぽくなるよね」

 

明日人「嘘だ〜、いつ?」

 

 咲月「さっきだって『もぅ』って声、女の子っぽかった」

 

明日人「マジか、完全に無意識だ。次から気をつける」

 

 咲月「私は良いんだけどね〜」

 

明日人「いつか引かれそう、、、」

 

明日人と咲月は、そんな何気ない会話をして1日を終えた。

 

明日人(まだやる事はもう少しある。ツェリスカへスティラの世界へ帰した事と、あの世界の存在をメールで話そう)

 

そう考えている内に、明日人はゆっくりと眠りについた。

 

 

ユーフォニア王国、フォニア宮殿・・・

 

 

スティラ「くっ、、、頭が、、割れるように、痛い、、、」

 




ピンクマ「帰す?還す?(しっかりしろ(笑))」
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