青年と少女のマルチプル・オンライン   作:グラハムさんとピンクマ

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第40話「真相と向かい合う準備」

月面都市、グラハムのホーム…

 

 

グラハムはツェリスカとスティラの件で話していた。本当はメールで済ませる予定だったが、たまたまツェリスカがログインしていたので実際に会って話すことにした。

 

ツェリスカ「そう、スティラちゃんを無事にその世界へ帰せて良かったわ。でも、あなたは単独で病院へ忍び込むなんて、ホント予想外なことをするのね」

 

グラハム「あ、あはは、、、スティラを不安で押し潰したくなかったから、、、」

 

ツェリスカ「まぁ、済んじゃったことだしこれ以上言わないでおくわ。そして次は、、、グラハムの血を何故か採取されてたって?」

 

グラハム「あ、そうなんだ。やっぱあの病院おかしいんだ。俺のことを『完全体』だとかなんとか」

 

ツェリスカ「う〜ん、そこは専門外だから全く分からないわ、、、」

 

グラハム「そうだよな、、、」

 

今、あの病院は何をしてるんだろ。またイノベイターの研究でもしてるのかな。

 

ツェリスカ「ともかく、これから私はまた仕事に戻るわ。分かったことがあればまた連絡するからよろしくね」

 

グラハム「あぁ、分かった」

 

軽く挨拶を交わすとツェリスカはログアウトした。

 

グラハム「ヤベ、スティラとの約束がギリギリになりそうだ!早く行こう」

 

グラハムは急いでユーフォニアの世界へ切り替え、スティラの元へ向かった。

 

 

フォニア宮殿、廊下・・・

 

 

グラハムは休暇中とは思えない服を着用し、門へ小走りで向かっていた。

 

グラハム(俺の私服なさすぎる!仕方ないからコートオブミッドナイトのコートを脱いでパーカーを着て来てしまったわ!次からこんなことないように今日は何か私服を買おうかな)

 

私服の少なさに反省していると、待ち合わせ場所の門前へ着いた。だが、スティラはいなかった。

 

グラハム(あれ、まだ来てなかったか。時間は、、午前9時半だよな)

 

時間も良し、場所も良しで間違ってはいない。だがそこから10分20分と待ち続けてもスティラは来ない。

 

グラハム(、、、来ないな。スティラの部屋へ行ってみるか)

 

グラハムがスティラの部屋へ行こうとしたその時。

 

キーーン…ッ

 

グラハム「、、、ッ?」

 

脳内に耳鳴りのような音が響き、何かを感じた。

 

グラハム「何だ?この感覚、、、嫌な気配を感じる」

 

グラハムはパーカを脱ぎ、コートオブミッドナイトを着用して左方へ飛行した。

 

 

闇の領土奥地…

 

 

グラハム「暗い。でも、ここで下がっちゃいけない気がする」

 

タァンッ!

 

確証なしに進んでいると、下から銃弾が飛んできた。

 

グラハム「おわっ!危ない、急に攻撃が、、、何かあるのか?」

 

ビーッ!!

 

その時、グラハムの目の前に赤いシステムウィンドウが表示された。

 

《ペインアブソーバー Lv.2》

 

グラハム「何で!?」

 

タァンタァンッ!

 

おかしい!そもそもこの世界は銃なんてないはず!

 

ダンッ!

 

必死に避けていると、明らかに威力の違う銃弾が一発撃たれた。

 

グラハム「GNフィールド!」

 

ジリジリッ…

 

グラハム「なっ、、、っ!」

 

ブシャッ!

 

GNフィールドを展開したものの、銃弾は腹部の左側を貫いた。

 

グラハム「ぁあッ、、、クソッ!」

 

グラハムはこれ以上現実の体に害を及ばせない為に咄嗟にログアウトをした。

 

 

明日人の部屋…

 

明日人「うっ、痛っ、、、」

 

痛みを堪えながら、明日人は机の棚から鎮痛剤の注射器を取り出し、それを腕に刺した。

 

明日人「はぁ、はぁ、これで、、最後の鎮痛剤だ」

 

 咲月「明日人?」

 

明日人「は、はい?!」

 

急に咲月が来るのは想定外。

明日人は咄嗟に注射器を布団の中に隠した。

 

 咲月「大丈夫?苦しそうだったけど」

 

明日人「大丈夫、心配かけたね、、。それより大変だ!スティラがいなくなった!」

 

 咲月「え、えぇ!?元の世界へ戻ったんじゃないの!?」

 

明日人「昨日無事に戻ったんだ、けど何処を探しても見つからない。怪しい場所は」

 

ブーッ、ブーッ…

 

ユーフォニアでの出来事を全て話そうとすると、明日人のスマホからメールの通知音が鳴った。

 

明日人「誰だ?、、、病院?」

 

 

 

━━━━━━

【健康診断のお知らせ】

 

 

繊月明日人様、今日の2月9日(日)に健康診断があります。

ご来院宜しくお願い致します。

 

 

 

明日人「え?何でいきなり、、、」

 

不自然すぎる、明らかに罠だろう。

こんな文面を見ていると、なんだか相手は焦っているような気がする。

 

明日人「、、、行かなきゃ。今回こそ問い詰める」

 

 咲月「私も行く」

 

明日人「ダメだ、ここにいて」

 

 咲月「でも、、、」

 

明日人「頼むから待っていてくれ!」

 

 咲月「、、、っ!」

 

明日人は人生で初めて咲月に怒鳴った。

こんな声出したくなかったのに。

そして明日人の声は次第に震えだす。

 

明日人「咲月を巻き込みたくないんだ、、、っ、万が一あの場所で君にも何かあったら、俺は、、、っ。お願い、無事でいてほしいからここで待ってて、、」

 

 咲月「明日人、、、」

 

この気持ちが伝わった咲月は、そっと明日人を抱きしめた。

 

 咲月「分かった、ここで待ってる。無事に戻ってこないと許さないからね」

 

明日人「あぁ、絶対に戻ってくる」

 

イノベイターを求める理由、スティラの行方、スティラの世界について聞く為、明日人は病院へ向かう準備をした。

 

 




ピンクマ「うわぁ病院のメールざっつい、、、」
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