青年と少女のマルチプル・オンライン 作:グラハムさんとピンクマ
第41話「目標」
太陽が真上に昇っており、辺りを照らしている中、明日人は病院前に着いた。
明日人「どんな事があっても絶対、真相を聞いてやる、、、」
受付前…
明日人「、、、」
病院の中に入るとすぐに違和感に気づく。
明日人「誰も、、、いない?」
受付カウンターにも人がいないので、明日人は仕方なく奥へ進む。
明日人(このまま地下に行ってみてもいいけど、まずは診察室へ向かおう)
パシュッ…
その時、明日人の首に何か細いものがが刺さった。
明日人(、、、っ、首に、何か、、、)
明日人の視界は次第にぼやけ、床に座り込む。
明日人(何だこれ、、麻酔、、、?)
麻酔と分かった時にはもう、明日人は意識を失っていた。
数十分前、咲月の部屋…
明日人が家を出てからしばらくすると、咲月は落ち着きのない様子で明日人に買ってもらったぬいぐるみに顔を埋めていた。
咲月「明日人、、、大丈夫かな、、、私もイノベイターだったら着いて行けたのに」
言っても叶わないことを言いつつ、明日人の帰りを待つ。
???…
グラハム「あ、あぁ、、、あれ、何で俺、、、」
まだ頭がクラクラする中、明日人は何故かグラハムとして謎の暗闇にいる。
グラハム「ここは、確か前に病院にいた時にも、、、」
そう、ここはテーテンに殺されかけた時にも見た光景だ。
何だよ、ここで何をすればいいんだよ。
????〔ここは、どこですか、、、?〕
グラハム「!?」
誰もいないはずの空間から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
スティラ〔あなたは、、、いきなり何を言うのですか〕
グラハム「間違いない、スティラだ。誰と話してるんだ?」
スティラ〔そんな、、、。はぁ、了解です、この造られた体で役割を果たします〕
グラハム「造られた、、、体?」
そうなるとスティラは現実世界に干渉したことになる。
グラハム「どういうことだ、何の為に、、、」
思考が渋滞しすぎて考えがまとまらない。でも、これから実行することは深く考えずとも決まった。
グラハム「スティラが本当に現実世界にいるのなら、何が何でも連れ帰ってみせる」
するとグラハムの目の前がいきなり光り輝く。明確な目標を持つと輝いて道が開けるとでもいうのだろうか。正体が何であろうとも、グラハムはその光に駆ける。
病院、地下??階…
明日人「う、、、」
明日人は牢獄のような部屋で窓がなく、右手が鎖で壁に繋がれた状態で目を覚ました。
明日人「寒い、、、」
????「起きたか?」
声がしたので鉄扉の窓へ目を向けると、そこにはグラハムを治療した医師がいた。
明日人「、、、これは何の真似ですか?」
男医師「分かっているはずだろう、君の血が入った試験管を盗り、ましてや〘マルチプル・オンライン〙のワールドデータをもコピーするなんて」
明日人「知りませんね」
男医師「隠しても無駄だ、サーバー履歴が残ってるからな」
明日人「、、、」
前会った時はですます調だったのに今は違う、明らか今までの全部を知っている。
男医師「それにしても凄いなぁ、オンライン殺人鬼から2回も生き延びて、宇宙のロボットからの脳波攻撃にも数回耐えて、それから、、、」
明日人「テーテンを知ってるのか?」
明日人は医師の話を遮って聞く。
男医師「いや、知らない。被験体探しにオンラインゲームに潜り込んだらたまたま君達を見かけてね、1回目はずっと見てるだけで、2回目はデータを取らせてもらった。ハッキングして、君のペインアブソーバーを“また”最大限にして」
明日人「っ!そうか、あの時、、、!」
━━━━━
グラハム「ならハックするまでだ」
グラハムはペインアブソーバーの設定画面を奪取し、テーテンのレベルを0にし、自身のレベルを元に戻した。
〜〜〜
エディ「明日、人、、」
グラハム「咲月、、ごめんな、、入院してしまう、かもしれないから、傍から、、離れて、しまう、、」
グラハムの呼吸回数が徐々に少なくなっている。かなり衰弱しているようだ。
━━━━━
明日人「あの時、設定を戻したのに重症を負ったのはっ!」
それを聞くと、医師は少し嘲笑う表情を見せた。
男医師「そうだ、私だ。君がどうしても実験材料として欲しかった」
明日人「、、、もう聞いておこう、あんたの狙いは何なんだ?」
男医師「イノベイターの力を軍事利用する日本を作ることだ。既にこの地下には数体の人工生物がいる」
明日人「人工、、生物、、、」
男医師「人工生物は素晴らしいぞ、戦争が起きた時には戦士となったり、治療もしてくれるからな。その為に君からはもっとデータを収集させてくれ」
明日人「、、、うるさい、そんなことさせるか」
男医師「そんなこと言ったってどうしようもないぞ」
医師が言うと、明日人の監禁部屋から立ち去った。
明日人(確かにあいつの言う通り、今はどうしようもない)
ガチャ…
明日人「ん?」
脱出する方法を考えていると、いきなり監禁部屋のドアが開いた。
職員「実験室へ行くぞ」
明日人「さっきあいつと話したばっかなのにもう準備が出来たんだ」
職員「、、、口の利き方には気をつけろ」
明日人(にしても本当に早いな、もうちょっと考えさせろよ)
後ろから首を絞める、、、いや、俺はそこまで腕力がない。一気に職員の反対方向へ走る、、、ダメだ、逃げ切れない。この人なんか腰に拳銃付けてるもん。
明日人「はぁ、、、」(こうなれば仕方ない)
すると突如、明日人は監禁部屋の寝床に寝転びだした。
職員「何をしている?」
明日人「俺数分前に目覚めたばかりなんで少し目まいがするんですよ。だから立つのが少し辛い」
職員「実験室に行くのが先だ」
寝転ぶ明日人を無理矢理立たせようと、職員は明日人に近づく。
明日人「、、、貰うよ!」
職員「なっ、、、!」
職員が明日人を掴もうとするその瞬間、腰に付けている拳銃を取り上げ、その銃口を職員へ向けた。
こんな無謀な動きもやってみるもんだな。
明日人「抵抗しないでよ、、、?」
職員「今の手っ取り早さ、やっぱりお前は人じゃないんだな」
明日人「、、、人だよ」
人であることを言うと、明日人は職員の顎を蹴り上げ気絶させた。
明日人「罪悪感、、、いや、俺は今囚われてるんだ。これくらいは許してくれよ」
独り言を呟いた後、明日人は監禁部屋から出てその扉の鍵を閉めた。勿論、護身用として拳銃を奪ったままである。
明日人「さぁ、行こう」
ピンクマ「最終回のことなんて全く考えてない人です」