青年と少女のマルチプル・オンライン 作:グラハムさんとピンクマ
明日人の家、リビング…
瑠璃「明日人、ちょっといい?」
休日の朝ご飯を終えた後、瑠璃は明日人に声をかけた。
明日人「どうしたの?」
瑠璃「GGOの『誓いのグリップ』っていうイベント?アイテムが欲しいんだけど、一緒に来てくれる?」
明日人「いいよ、行こう。咲月と凛も呼ぶ?」
瑠璃「そうしたいのは山々だけど、このイベントは2人パーティ限定らしいのよ」
明日人「あ、そうなんだ」
2人限定ならば仕方ない。明日人と瑠璃は早速GGOへログインした。
GGO、花畑の丘…
グラハム「ここが今回のイベントステージか」
花畑の丘は名前の通り、綺麗な花が丘一面に広がっている。
ルイス「あの木が目標地点らしいわ」
ルイスが指を指した方向を見ると、丘のてっぺんに木が生えており、その周囲にはサソリ型エネミーが複数スポーンしている。
グラハム「う〜ん、、、」
サソリ型エネミーのレベルは120。対するルイスは85。
グラハム「ここは俺が前に出るよ。サソリの体力をギリギリまで減らしてから君が倒せば、良い経験値稼ぎになるはずだ」
そう言いながらグラハムはEXPブーストを発動させ、経験値取得量を上昇させた。
グラハム(瑠璃ならやれる。俺はサソリのハサミと足を斬り捨てるだけ、、、!)
ザシュザシュッ!
ビームサーベルを2刀取り出し、グラハムはルイスがダメージを負わないようにする為、想定通りハサミと足の計8つを切断する。そして、右へステップすると、
ルイス「はぁっ!」
ルイスも続き、ビームサーベルをサソリの尾を目掛けて突き出す。
ザクッ!
ビームサーベルは見事クリーンヒットし、サソリを1体倒すことができた。
グラハム「ナイスだ!」
ルイス「まだやれるわ」
グラハム「よし、この調子で他も倒そう!」
ルイス「えぇ」
その後も2人は初めてのコンビネーションとはいえ、サソリを全て倒すことに成功した。最後のサソリを倒すと、木の根元に謎の紙が出現する。
ルイス「これは?」
グラハム「地図、だな。この地形の形は確か、、、前に4人で経験値稼ぎをした平原の叢の中かな」
ルイス「分かった、向かおう」
平原、叢地帯…
道中、ルイスは視界に入るエネミーを片っ端から倒し、常に経験値稼ぎに専念していた。そして、叢地帯に着くと、叢の中にトレジャーボックスが潜んでいる。
ルイス「あれかしら?」
グラハム「あの場所にトレジャーボックスなんて今までに見たことがないから、きっとそれだよ」
ルイス「それじゃあ、中身を確認、、、」
パスッ…
その時だった。サプレッサー装備の敵からグラハムが撃たれ、その場で倒れてしまった。
ルイス「明日人!」
余程驚いたのだろう、本名呼びになる。
グラハム「大、丈夫、、、気を付けて、相手は電磁スタン、、、ルイスに分かりやすく言うと麻痺毒だ、、、」
ルイス「くっ、、、」
ルイスは動けなくなったグラハムを叢の中に隠し、相手の動きを見る。
ルイス「2人、1人は狙撃兵ね」
グラハム「ごめん、俺の警戒心が弱かったばかりに」
ルイス「うぅん、私もあなたの力を過信しすぎて油断してしまった。、、、もう来る、迎え撃つわ」
グラハム「でもレベル差が、、、」
ルイス「ここで何もしなかったらそれこそ終わりよ。大丈夫、私は現実では〘戦闘特化型〙なんだから、やることは変わらない」
グラハム「、、、STRを12、DEXを24上げて。そうすれば夜空の剣を扱えるはず」
グラハムはルイスがステータスを上げ終えたのを確認すると、夜空の剣を渡した。
ルイス「すぐに終わらせてくるわ」
そう言い残し、グラハムの居場所を悟られないようにする為、さっと叢を飛び出した。
グラハム「状態異常回復薬を持ってくるんだった、、、」
様子を伺いたいが寝返りすら打てないので、ただルイスが無事に戻ってきてくれることを祈るしかない。不安に思っているとやがて銃声が止む。
グラハム(どっちがやられた?)
ルイス「今戻ったわ」
叢の中にルイスがそっと入ってくる。
凄いな、剣1本で銃持ち2人を倒すなんて。
グラハム「無事で良かった、、、」
ルイス「あなたの剣のおかげでね」
ルイスは夜空の剣を2回撫でてからグラハムに返す。
ルイスの元いた世界の風習かな?
ルイス「まだ麻痺が治らないの?」
グラハム「うん、、今回のは意外と長い」
ルイス「それなら」
グラハム「?」
ルイスはグラハムの頭上へ移動すると、太ももの上にグラハムの頭をのせる。
グラハム「な、何をして、、、!」
ルイス「この方が地面よりも断然いいでしょ?それに、今日のお礼として受け取っておきなさい」
するとルイスはとあるものをグラハムに見せる。『誓いのグリップ』だ。
グラハム「嬉しいんだけど、何で膝枕なの?」
ルイス「この前スティラに、『明日人にお礼するには何が喜ぶか』って聞いてみたら、すぐに膝枕って言うから」
グラハム「俺はいつから膝枕好きになった、、、」
いやまぁ、悪い気はしないんだけどね。
そんな話をしていると、グラハムの体は電磁スタンから解放された。
グラハム「ありがとう、動けるようになった」
ルイス「良かった。それじゃあ、グリップも手に入ったし帰りましょ」
グラハムが立ち上がるとルイスも続いて立ち上がり、グラハムより前に立って歩いた。
ルイス(、、、凄く心臓の動きが速くなった、戦いの時とは違う、、、。スティラの言ってたことがよく分かったわ)
グラハム「ルイス、ちょっと顔が赤くない?」
ルイス「な、何でもないわよっ!」
グラハム「そ、そう」
するとルイスはグラハムよりも速く拠点へ走っていった。
ピンクマ「おまけはあと2人とグループ編かな」